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ON AIR BLOG / 2018.04.25 update

今日は「沖縄で流行している“はしか”について」 毎日新聞専門編集委員、青野由利さんに解説していただきました。

Q:沖縄ではしかが流行しているそうですね? どのくらいの人数が確認されているのですか?
A:確認されただけで70人を超えた。 発端は、3月に台湾から沖縄に旅行にきた30代の男性。 3月17日から沖縄本島を旅行し、3月20日にはしかと診断された。 この男性と接触した飲食店や商業施設の従業員やお客さんへの2次感染、 そこからさらに3次感染する人も。医療関係者の中にも感染者が。沖縄で感染した人から本州にも飛び火して、愛知県内でも複数の患者が出ている。 (沖縄に旅行して帰った名古屋市の男性など)

Q:感染力が強いんですね?
A:はしかは非常に感染力が強い。 インフルエンザや水痘などに比べても、非常に感染しやすい。空気感染するので、同じ部屋にいただけでも感染。飛沫感染も、接触感染もある。

Q:「はしか」って昔からよく聴きますし、予防注射も打った記憶があります。
A:昔は、誰でもかかる感染症で、近所の子どもからうつしてもらうということもあったが、 あなどってはいけない病気。 なぜなら、中耳炎や肺炎を起こしたり、少ないとはいえ、脳炎などを起こして 死亡するリスクもあるから。途上国では5~6%の致死率。 日本では、0・3%か、それ以下だが、それでも亡くなっている人がいる。 日本は2015年に世界保健機関(WHO)から、はしかウイルスの「排除状態」と 認定されている。国内起源の感染がない。 ただ、今回のような「輸入感染」は、その後も起きている。

Q:これまでにはどんな事例があるんですか?
A :2016年には、関西空港で集団感染。海外から持ち込まれたと考えられている。 2017年には、山形で集団感染があり、インドネシアのバリ島から帰国した 20代の男性が発端の輸入感染だと考えられた。

Q:対策法は?
A:対応策は、ともかくワクチンの接種。2回接種が必要。 1回だと、抗体が減ってしまう場合がある。子どもの時に実際にはしかにかかっていると、終生免疫がついているはず。 年齢によって、ワクチンの接種状況が違う。 1回しか接種していなくて、感染リスクが高いのは、おおむね、 27歳から44歳ぐらいの人。ただ、それ以外でも、リスクのある人はいる。 1歳未満や妊婦さんも、注意が必要。連休で海外に行く人も多いと思うが、インド、インドネシア、タイなど、 感染リスクがある国は多い。ヨーロッパ、アフリカでもリスクがないわけではない。

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