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ON AIR BLOG / 2018.07.11 update

今日は「西日本の集中豪雨災害」について、 毎日新聞 論説委員 平田崇浩さんに解説していただきました。

Q きょうのニュースは西日本の豪雨災害です。大災害になってしまいました。
A 犠牲になられた方々にお悔やみを申し上げます。 まだ被害は現在進行形で続いている。 被災地の救援、復旧はこれからだ。大雨が去ってそのまま梅雨明け。 猛暑の中で水も電気も来ない、食料も届かない生活を強いられている被災者の 健康が心配でならない。

Q どうしてこんなに被害が大きくなってしまったのでしょう。
A 私は被災地の広島県三原市の出身。 瀬戸内海性気候(瀬戸内式気候)と言って、温暖で比較的雨の少ない地域。 まさかこんな大水害が起きるとは私も思っていなかった。 大雨特別警報が出る前に各自治体が避難勧告や避難指示を出していたが、 すぐに避難しなかった人も多かったようだ。

Q 広島では前にも土砂崩れが起きていますよね。
A 4年前の8月にも記録的な豪雨で土石流が発生し、77 人が死亡している。 そのときは狭い範囲に集中的に大雨が降ったのだが、 今回の特徴は被害が広い範囲に及んでいること。
死者・行方不明者が 2 万人を超えた東日本大震災と比べるのもどうかと 思われるかもしれないが、被災地域は九州、中国、四国から近畿、 中部地方まで東日本大震災より広い。

Q そんなに広範囲の被災状況がすべて分かっているのでしょうか。
A そこが大きな問題。大規模な土砂崩れのあった広島県西部の広島市や呉市、 河川の氾濫や堤防の決壊で街が濁流に浸かった岡山県の倉敷市などにメディアの 取材が集中しているが、例えば広島県東部も各地で土砂崩れや河川の氾濫が起きて、 私の出身地・三原市などはほぼ全域が断水になったまま。あまり報道されていない 地域でもライフラインが寸断され、多くの住民が避難所や自宅で不便な生活を 強いられている。

Q 東日本大震災でも支援が行き届かない地域があって問題になりましたね。
A 広い被災地域のどこでだれがどのように困っているのかを早く把握して、 適切な支援が行き届くようにしていかなければならない。 瀬戸内は山が海に迫っている地形で平地が少なく、鉄道網や道路網が寸断されて 食料やガソリンなどの生活物資が届かない地域もある。上下水道や電気、 ガスなどのライフラインの復旧を急がないといけない。 猛暑の中、被災者の健康、安全をいかに確保するか。時間との戦いだ。

Q 政府や自治体の対応はどうですか。
A 今はまず被災者の救出、支援、被災地の復旧に全力を尽くすとき。 東日本大震災のときもそうだったが、地元自治体の職員は自分たちも被災者。 国の方から積極的に職員を派遣したり、自治体から要請が来る前に支援物資を 送ったりと、過去の教訓を生かした支援態勢がとられているのではないか。 とにかく広い地域が被災しているので、支援が行き届かない地域がないように 国と自治体、我々メディアも含めて情報を共有し、しっかり連携していく必要がある。

Q 情報は大切ですね。ソーシャルメディアが普及して、だれでもスマホで情報を集めたり、 自分で情報を発信できたり、便利になっています。
A 私も故郷の被災状況はツイッターやフェイスブックで知ることができた。 一方で、自治体の情報が住民にちゃんと伝わったのか、本当に危険なんだと住民側が 認識できるようにするにはどのような情報発信が必要なのか。 だれもが情報を発信できるということは、その中にフェイクニュース、 デマ情報もあったりするわけで、どうやって正確な情報を、 それを必要とする人たちに伝えるのか。政府や自治体、メディアだけでなく、 地域全体、国全体で考えていきたい。

Q さて、地球温暖化の影響だと思いますが、 数十年に一回といわれる災害が毎年のように起きています。「まさか」の災害に備える意識をみんなが持たないといけませんね。
A 災害は起きるんだということを前提に、いかに被害が出ないようにするか。 今回、逃げ遅れたお年寄りが多かったことも含めて、 対策を考えていかなければならない。

東京に暮らす身としては、 ボランティアに参加したい、物資を送りたい、という思いの方も多いと思いますが、 善意で単独で参加したり物資を送ったりすると、逆に妨げになることもあります。 やらないことも今できること。 受け入りれ体制が整うまで準備を整え、待つのも大事ですよね。

自分が暮らす地域のハザードマップをチェックする。防災グッズを点検する。 そして自分だけは大丈夫、という意識を変える。 個人としても、この機会に改めて防災に対する意識と備えの見直しが必要ですね。
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