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ON AIR BLOG / 2018.07.18 update


今日は「はやぶさ2」がリュウグウに到着」というニュースについて、 このコーナー、サイエンスニュース担当、毎日新聞 専門編集委員、青野由利さんに解説していただきました。

Q:2014年12月3日に地球を旅立った「はやぶさ2」が、 先月27日、目的地の小惑星「リュウグウ」に「到着」しました。 リュウグウに「到着」とはどんな意味でしょう?
A:「到着」の意味は、リュウグウの上空20キロに到達し、その位置を保っていること。

Q:そもそも「リュウグウ」とは?
A:リュウグウとは地球軌道と火星軌道の間にある小惑星で、現時点では地球から およそ3億キロぐらいの位置にある。
1999年5月に米国チームが発見。 命名権は彼らにあるが、はやぶさ2が探査することになったので、JAXAが名前を 公募した中から「リュウグウ」を選び、それを米国チームに頼んで、命名してもらった。 直径およそ900キロで、初代はやぶさが訪問した「イトカワ」の2倍弱。 およそ7・6時間で自転している。イトカワは岩石質の「S型小惑星」 リュウグウは有機物や水を多く含む「C型小惑星」 有機物があるので、「生命の起源」の手がかりになるのでは? と期待されている。 また、太陽系の成り立ちを解明する手がかりも得られるかも。 正確な形は実際に言ってみるまでわからないが、球形にちかい“おだんご”のような 形だろうと予測されていた。ところが、行ってみたら、「そろばん型」だった。 「あれ?」という感じだったらしい。

Q:海外メディアは「ダイヤモンド型」といっているとか?
A:表面に多数の岩の塊があることも確認されている。 今後はおよそ2カ月かけて表面の地形や重力などを調べ、8月下旬に着陸地点を決める。 「はやぶさ2」本体は、3回、リュウグウにタッチダウン(着陸)して、サンプルを集める。
サンプル集めの方法は、基本的には初代「はやぶさ」と同じ。2回目と3回目の間には、金属製の衝突装置を発射してクレーターを作り、 内部の新鮮なサンプルを集める予定。これは、初代はやぶさにはなかった、新しい手法。

Q:本体以外にも何かあるとか?
A:本体の探査以外にも、搭載している1キロ程度の小さな3台のローバーと、 ドイツとフランスが開発した着陸機「マスコット」も、リュウグウ表面におろして 探査する。 2019年の年末ごろにリュウグウを出発し、帰国は2020年の年末の予定です。

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