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ON AIR BLOG / 2018.09.05 update

毎日新聞 論説委員 平田崇浩さんに 「沖縄県知事選」をテーマに解説していただきました。

Q:「沖縄県知事選」。とても大事な選挙ですね。
A:翁長雄志知事が8月8日に亡くなって、その後任を選ぶ選挙が9月13日告示、30日投開票の日程で行われる。安倍政権が全力で勝とうとしている。

Q:米軍基地の問題があるからですね。
A:日本政府は、普天間飛行場というアメリカ海兵隊の基地を、名護市辺野古の海を埋め立てて造る新しい基地に移す工事をしている。翁長さんは4年前の知事選で「辺野古新基地反対」を訴えて当選し、安倍政権と戦ってきた。

Q:政府は、沖縄県が反対しているのに工事をやめないのですか。
A:普天間飛行場は宜野湾市の市街地の真ん中にあって「世界一危険な基地」といわれてきた。22年前の1996年にアメリカ政府が普天間飛行場の返還に合意したが、県内移設が条件になっていて、それを受け入れるかどうかでずっと地元が分断された状態が続いている。

Q:沖縄は日本の国土面積の0.6%しかないのに、在日米軍施設の70%が集中しているそうですね。沖縄県外に移設できないのですか。
A:翁長さんはまさに県外移設を求めていた。沖縄は戦後27年間、アメリカの占領下におかれ、1972年に本土に復帰して46年もたった今も米軍基地の負担を背負わされている。政府は日本の防衛にとって日米安全保障体制が大事だと言うが、日米安保の利益を受けているのは日本全体なのだから、基地負担も日本全体で追うべきだというのが翁長さんだけでなく、沖縄の多くの人たちが思っていること。


Q:翁長さんは米軍基地の存在そのものに反対していたわけではないのですね。
A:翁長さんはもともとは自民党の人。沖縄の政治というのは、アメリカの統治下にあった時代から、基地反対闘争をしてきた
革新系と、基地の存在はある程度受け入れたうえで経済発展による地域の自立を目指す保守系とに分かれていた。翁長さんは本来、保守系なのだが、基地負担の差別をそのままにして辺野古に新しい基地を造るのは許さないと主張し、4年前の知事選で、保守と革新が一緒になって戦う「オール沖縄」という選挙態勢を築いて当選した。


Q:沖縄の歴史では画期的なことだったのですね。
A:この問題では私たち日本国民全体が問われている。「日米安保には賛成で、中国や北朝鮮の軍事的脅威に対抗するのに在日米軍は必要だけど、基地の負担は沖縄に押しつける」ということでいいのか、と。政府は「経済振興の予算をたくさんつけるから基地を受け入れてくれ」の一点張りだ。

Q:その翁長さん亡くなって、知事選はどうなりそうですか。
A:翁長さんの遺志を引き継ぐ候補として、自由党衆院議員の玉城デニーさんが立候補することになったが、「オール沖縄」の態勢を再び構築できるのかどうか。安倍政権は対抗馬として宜野湾市長をしていた佐喜真淳さんを擁立し、自民、公明両党が全面的に支援している。

Q:宜野湾市って普天間飛行場のあるところですよね。
A:宜野湾市民としては「一日も早い普天間返還」を訴えるのは当然。でも、その負担を同じ沖縄県内の名護市に押し付けることには複雑な思いがある。それもまさに苦渋の選択だ。

そういう苦しい選択を今回の知事選で沖縄県民に迫っているのが日本政府だということを私たちは日本国民として考えなければいけないのだと思います。
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