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ON AIR BLOG / 2018.10.31 update


今日のテーマは「外国人労働者の受け入れ拡大」毎日新聞 論説委員 平田崇浩さんに解説していただきました。

Q:コンビニなどで働いている外国人の方が増えましたね。それをさらに増やす(増える)ということですか?
A:コンビニに限らず、いろんな職種で外国人労働者を増やそうということで、政府が国会に法案を提出する。

Q:なぜ今?
A:全国的に人手不足が深刻になっていて、仕事があるのに倒産してしまう会社が増えているような状況。少子高齢化によって働く世代の人口が急速に減っている。6年前まで8000万人を超えていた生産年齢人口(15〜64歳)が500万人も減少した。


Q:何年か前まで景気が悪くて若者の就職先が見つからないとか言っていませんでしたか。
A:2008年のリーマンショックで世界的な不景気に陥ってからしばらくは日本経済も後遺症に苦しんだ。いまは大企業を中心に経済は順調とされるが、ただでさえ少子高齢化で減っている若い世代が都会で就職するものだから、地方の人手不足が深刻になっている。

Q:東京一極集中も問題ですね。だからといって、減った人口を外国人で補うというのは「移民」を受け入れることになりませんか。
A:政府は「移民」ではなく「外国人材」の受け入れだと言っている。何が違うのかというと、家族も含めて日本に定住するのが移民。そうではなく、人手不足の業種で働いてもらうためだけに日本に来てもらうのが外国人材だと。だから、政府の法案は、滞在期間を最長5年に限定し、家族を一緒に連れてくるのを認めない。

Q:家族と一緒に暮らせなくても日本に行って働こうと思う外国人の方がそんなにたくさんいるのでしょうか。
A:日本に来て人手不足の穴を埋めてほしいけど、家族と一緒に定住されても困ると。これはどうにも虫の良い話だし、家族と暮らすなというのはそもそも人権問題だ。一方で、移民や難民が来たら治安が悪化するのではないかとか、地域のコミュニティーが壊れるのではないかといった不安を感じる人も多いだろう。

Q:「移民じゃない」と政府が言っても、何年かたてば日本に定住する人が増えるのでは?
A:政府の法案は、熟練した技術や能力を持つ人は5年以上、日本にいられるようにして、家族も連れてこられるようにするという。限定するから大丈夫という理屈だが、それでも不安に思う人はいるだろうし、どうやって選別するのかという問題も残る。

Q:結局、将来的には移民につながると思うのですが、はっきりそう説明した方が理解が得られるのでは?
A:安倍総理の支持基盤である保守派や右派はそもそも移民の受け入れに反対。一方で、アベノミクスによって経済は順調だと言ってきた安倍総理にとって、国内の人手不足が経済に悪影響を及ぼすのは困る。

Q:外国人労働者を受け入れなければアベノミクスがうまくいかない。だけど、移民だと認めてしまえば、支持してくれる人たちから怒られるというわけですね。
A:逆に言えば、安倍総理だから自民党内の反対意見を抑えられるという側面もある。ただ、右派が反対しないように条件を厳しくし過ぎて、外国人労働者が日本で暮らしにくい仕組みになってしまったら本末転倒だ。安倍総理は「世界中から優秀な人材が集まる日本を創り上げていく」とアピールしているが……。

移民と呼ぶかどうかはともかく、日本に住む外国人が増えたときに、外国人の方を排斥するヘイトスピーチが広がるようなことになっては困る。外国人の方が住みやすい環境をしっかり整えて、多文化共生の豊かな社会にしていきたいですね。



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