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毎日新聞 PRESENTS NEWS CONNECTION

ON AIR BLOG / 2018.11.14 update


毎日新聞 PRESENTS NEWS CONNECTION。今日は「消費税」がテーマ。毎日新聞 編集編成担当補佐 前田浩智さんに解説していただきました。

Q:今日は消費税がテーマですが、消費税はやはり上がるんですね。

A:安倍首相は 10 月に臨時閣議を開いて、消費税について 「法律で定められた通り、来年10月1日に現行の8%から10%に引き上げる」と 表明しました。過去 2 回、安倍首相は消費税引き上げを延期していますが、今回は 11 カ月後には 10%に上がると思っていた方がいいと思います。

Q:でも、10%にならないものもあるんですよね。
A:そうなんです。来年 10 月から、軽減税率という制度が始まります。 消費税が古くから取り入れられている欧米諸国を参考にして、 生活必需品とされる食料品、定期購読している新聞代などが 8%のまま 据え置きになります。

Q:食べるものが全部 8%というわけではないみたいですね。
A:国税庁は、食の安全を確保するための食品表示法が適用される食品が軽減税率の 対象になると説明しています。お酒は酒税法に基づくので対象外です。 アルコール度数が高い「本みりん」はお酒の扱いなので 10%。アルコール度数 1%未満のみりん風調味料は軽減税率の対象になるので 8%です。 ノンアルコールビールもアルコール度数が基本的にゼロですから 8%です。 医薬品も別の法律になるので対象外です。栄養ドリンクは第 1 類とか 2 類とか 医薬品に該当する場合は 10%、炭酸飲料のようなドリンクは 8%です。

Q:女性に関心の高い健康食品とか美容食品などはどうでしょう?
A:医薬品に該当しないものが多いと思いますので、そうであれば 8%です。

Q:コンビニで売っているお弁当も、同じ物なのに、買って帰ったら 8%だけど、 イートインコーナーで食べたら 10%になるそうですね?

A:外食は持ち帰りや出前を除き軽減税率の対象にはなりません。 国税庁は外食に関し「食事の提供」という言葉を使っていて、テーブルや椅子、 カウンターなどを設置している場合は食事の提供をしているとみなされます。 ですから、イートインコーナーで食べさせたら、 食事の提供をしていると判断されるわけです。

Q:持ち帰りと言ったお客さんが店内で食べることもありそうな気がします。
A:追加の支払いを求めるのはトラブルになるかもしれないし、見て見ぬふりということも 起きそうですね。コンビニは時間によっては店員が 1 人なることもあり、 最近は日本語が得意とは言えない外国人の店員さんも増えていますので、 いろんな混乱が今から心配されます。意思確認が不十分なまま、 店内の飲食が常態化している場合は、店に対して消費税の追加納付を 求めることもあるそうです。

Q:カードで買い物すれば、2%分のポイントが還元されるという話も聞きます。
A:これは、政府が検討している経済対策です。 消費税が上がると、買い物を手控えたりして景気が落ち込むので、増税後、 半年から 1 年ぐらい、国が補助してポイントを還元して買い物をしてもらおうという 考えです。政府はポイントを還元する店を中小の小売店に限る方針ですが、 中小と言えるのはどういう規模なのかはまだ決まっていません。 コンビニも還元できる店とできない店に分かれるかもしれません。 カード会社のシステム改修も間に合わないかもしれないという声も聞きます。

聞けば聞くほど、分かりにくいし、不安にもなりますが、 税金の問題ですから、できるだけ混乱なくやってほしいと思います。

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