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ON AIR BLOG / 2018.11.21 update

今日は「気軽に行けない京都」がテーマ毎日新聞 夕刊編集部の田村彰子さんに解説していただきました。

Q:紅葉のシーズン。 紅葉の名所というとみなさんどこを思い浮かべますか?やっぱり京都だよね! という人は多いのではないでしょうか?なぜ気軽に行けなくなったんでしょう?
A:京都に今、異変が起こっているらしいのです。 京都市の観光総合調査によると、2017年の市内宿泊数は1557万人で 過去最多を更新しました。 しかし、日帰り客数は前年より7パーセント減り、日帰りを含む観光客数は 2年連続で減っているというのです。

Q:なぜなのでしょうか?
A:市によると、初めて京都を訪れて混雑する有名なお寺に行った人の「残念度」が 高いのが一因のようです。総合調査では、外国人観光客と日本人観光客に満足度を 聞いていますが、「京都観光で残念なことがあった」と回答した人は、 外国人が16%なのに対し、46%に上っています。

Q:その理由は?
A:理由で一番多いのは、「人が多い、混雑」の17%で、観光客らの「マナー」、 バスの乗り方のわかりにくさなどの「公共交通機関」、 数が少ないので混雑している「トイレ」などの問題が続きます。 以前から京都に通っていた人たちは「観光客が増えすぎて、行きつけの店でも 予約をとらなきゃ入れなくなった」と話しているそうです。 スマートフォンの自撮り棒もあたるような勢いで、京都と言えばとイメージする 「わび・さび」を感じるどころではない場所もある。 お寺や古い民家が一種の「テーマパーク」になっているとの指摘もあります。

Q:今後京都の観光事情はどう変化していくのでしょうか。
A:京都市長は会見で「SNSの影響もあって混雑は悪化しています。 しかし、大原三千院や高雄、奥嵯峨は閑散としています。 市内全体の観光資源や隠れた名所を紹介し、関心がさまざまなエリアに向かう工夫が 必要です」と話しています。分散化を呼びかけているわけです。

Q:具体的な対策は?
A:その観光基盤の整備にあてるため、京都市は今年10月1日から民泊も含めたすべての 宿泊客に「宿泊税」を課しています。1泊1人あたり200~1000円 徴収していますが、効果はこれからです。

Q:「そうだ、京都、行こう」のフレーズがいつもよぎりますけどね。
A:CMのナレーションをこの秋まで25年間担当した、俳優の長塚京三さんは 「今はそんな風でもいいのではないか。レンタル着物の若い人も10年、20年経てばテーマパークにはなり得ない京都の楽しみ方を見つけられるはず」と話します。 長塚さんは、通算97本のCMに登場する神社やお寺はすべて足を運んでいるそうです。 その長塚さん、京都の魅力を「訪ねたくなる気持ちは一種の向学心に近い。 京都は永遠の修学旅行先です」と言っています。

*混んでる京都も一見の価値ありと思うか、 自分だけの場所を見つけにいくか。 みなさんはどう考えますか。

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