ON AIR BLOG

毎日新聞 PRESENTS NEWS CONNECTION。

ON AIR BLOG / 2019.02.20 update

今日のテーマは「女性皇族の結婚の難しさ」です。 毎日新聞 夕刊編集部の田村彰子さんに解説していただきました。

Q:平成最後の年となったこともあり、天皇、皇后両陛下をはじめ、 皇族に関する話題がたえませんね。
A:とくに秋篠宮家の眞子さまの話題は、 海外メディアまでもが取り上げるほど関心が高いです。

Q:女性皇族はどのような手続きを経て結婚されるのでしょうか。
A:男性皇族が結婚するためには、衆参両議長、首相、最高裁判所長官の 「三権の長」らが集まった皇室会議での決定が必要になる。 一方、女性皇族が民間人と結婚される場合に必要な法的手続きはなく、 私たちと同じ憲法で定められた「両性の合意」に基づく婚姻となります。皇室ジャーナリストの山下晋司さんは 「皇族に迎え入れる方は国としての責任があるが、 ご結婚で皇族を離れる方は違うというのが基本的な考え方です」と説明しています。

Q:でも、では結婚で民間人になられた女性皇族を、私たちが「お隣のお嫁さん」 というような存在に思えるかどうか、といった感情的な問題は残ります。
A:山下さんは「国民の感情として『今日から一般人になりました』と言われても、 そうは見ることができないのが現実です。また国からは結婚後も『品位保持』を 期待されます。そのために国庫から一時金が出されるのです」と言います。

Q:結婚された元女性皇族は複雑な立場にいらっしゃるのですね。
A:そんな状況でも、「お婿さん選び」は本人や家族に任されているそうなんです。 山下さんは「男性皇族のように皇室会議に諮るのであれば、お相手を知る資料を集めます。 しかし、女性皇族がご結婚される場合は、ご本人やご両親が『プライベートなことだから』 と調査などをお断りすれば、周囲は口を出すことができません」と説明しています。 眞子さまの場合は、小室さんに関する詳しい話を知る人はごく限られた人しか いなかったと言われています。「本当の自由恋愛」なんて言う人もいるそうです。

Q:特に相手に縛りもなく、「自由恋愛でいい」という国民感情が作られていても、 全てが自由という訳にはいかないんですね。
A:実際、秋篠宮さまは昨年11月の誕生日を前にした記者会見で、 眞子さまと小室さんの婚約に関して 「多くの人が納得し、喜んでくれる状況にならなければ納采の儀は行えない」と 述べられています。 山下さんは「秋篠宮殿下が示されたハードルは相当に高い」といった認識を示しています。 皇室会議の決定もない中での「納得」は、数値などを用いて明確に示せるものでは ないからです。「現在の皇室と国民の関係は、敬愛や信頼といった感情で結ばれている部分が大きい。 法律で規定されているものではなく、皇室の方々が、それぞれに国民の思いを感じて 行動されています。それはご結婚に関しても当てはまります。 『自由恋愛』でのご結婚といっても国民感情を無視するわけにはいきません」と 山下さんは言います。

Q:難しい状況は続きそうですね。
A:専門家は「皇室は明治、大正、昭和と代替わりすることで変化してきた」といいます。 今はまだハードルがある「自由な結婚」も、次の時代には「普通のこと」として 受け入れられるのかもしれませんね。

一人の女性として、この先眞子様がお幸せになれることを祈って。

Page TOP