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ON AIR BLOG / 2019.04.17 update

今日は「消えゆく車内販売の楽しみ方」というテーマ。毎日新聞 夕刊編集部の田村彰子さんに解説していただきました。

Q:もうすぐゴールデンウイークで旅行に出かける方も多いと思いますが、新幹線や特急での車内販売がこの春にかなり廃止されたんですよね。
A:JR北海道、東日本、四国、九州の4社は、弁当や飲料の車内販売を今年3月から大幅に縮小しました。北海道と四国は一部の観光列車などを除いてサービスから撤退し、九州は新幹線での販売を廃止。東日本は東北新幹線や秋田新幹線、在来線特急でサービスを中止したり取扱品目を絞ったりしています。JR東日本管内で弁当を買える列車は、北陸新幹線の「かがやき」「はくたか」だけになったんです。

Q:これほど思い切って廃止にした理由はなんでしょう。
A:最大の理由は売り上げの低迷です。JR各社は背景として、列車の高速化に伴う乗車時間の短縮や、「駅ナカ」と呼ばれる駅構内のコンビニや商業施設の充実で乗客が弁当や飲み物を事前に購入することを挙げています。人手不足で販売員の確保が難しくなっている事情もあるようです。

Q:そんなに廃止してしまって大丈夫でしょうか。
A:この方針に疑問を投げかける専門家もいます。鉄道ライターの杉山淳一さんは「わずか1時間余りの旅客機でも機内販売があります。旅先で財布を開こうとしている人たちが3〜4時間もじっと座っているのは、ビジネスチャンスのはず」と話します。杉山さんは「車内でしか買えない限定品があれば、購入したいと思う乗客も出てくるはず。もっと魅力がある商品を提供すべきです」と提案もしています。

Q:サービスの低下で列車の旅の魅力が失われ、乗客そのものが減少することを気にしていらっしゃるのですね。
A:「元カリスマ車内販売員」として知られる茂木久美子さんも廃止には懐疑的です。山形新幹線の販売員だった茂木さんは、東京―新庄間の片道で54万円売り上げた記録を持っています。この記録は、コンビニの店舗1日の平均売り上げに相当するそうです。

Q:すごいですね。何か秘訣はあったのでしょうか。
A:茂木さんは、乗客とのコミュニケーションを心掛けていました。「単なる移動時間ではなく、販売員との出会いといった物語が加われば、旅がもっと楽しくなるのでは」と話します。茂木さんはある時、コーヒーを買った客に「砂糖とミルクどうすっぺ」と、うっかり山形弁で話してしまったそうです。「しまった」と思ったけれど、その瞬間に山形出身の客が心を開いてくれ、車内も一気になごんだそうです。

Q:まだまだ車内販売を楽しむ価値はありそうですよね。
A:千葉県在住の塾講師、清水ひろしさんは、10年間で7500回以上も車内販売を利用しています。そんな清水さんは「車内販売は、乗客が呼び止めて『何がありますか』『これください』と声を掛けなければなりません。売り手と買う側のコミュニケーションを介した買い物なのです」とその魅力を説明しています。茂木さんのように、それぞれの路線にすご腕の販売員がいるのも魅力なのだそう。個性的な販売員たちが、旅をさらに楽しませてくれるのだと言います。

Q:ペットボトルが普及していなかった時代には、車内販売でお茶はポリ容器にティーバッグが入った形で売られていました。さらには、冷凍みかんやカチカチに固いアイスクリームも話題になったりしましたよね。
A:列車ならではの商品たちが、旅の魅力を高めていたのかもしれません。もし、ゴールデンウイークに車内販売に出会ったら、まずは販売員さんを呼び止めてみるのはいかがですか。

*車内販売旅情感があって最高なんですけどねー。
*人手不足はこんなところにも。。。
*なんとか残ってほしいものです。
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