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ON AIR BLOG / 2019.05.08 update


今日は「フィリピンで新種の人類の発見?」というニュースについて、毎日新聞 専門編集委員、青野由利さん解説していただきました。

Q:このニュースは先月届いたんですよね?
A:先月、「フィリピンのルソン島で新種の原人が発見された」という論文が、ネイチャー誌に発表された。名付けて、「ルソン原人(ホモ・ルゾネンシス)」。もとはといえば、2007年にルソン島の「カラオ洞窟」というところで発掘された6万7000年前ぐらいの足の骨が始まり。 人類の骨であることはわかったが、これだけだと、どの種に属するのか不明だった。

Q:今回の発見はどんなものだったんですか?
A:今回、同じところで、フランスやフィリピン、オーストラリアなどの国際チームが、歯や手足の骨、大腿骨の一部など、3人に属する12の骨を発見した。これらの骨の特徴は、私たちホモサピエンスとも違うし、インドネシアのフローレス島に5万年前まで住んでいたと考えられる「フローレス原人」とも違っていた。そこで、新たな種として「ホモ・ルゾネンシス(ルソン原人)」と名付けられた。

Q:その特徴は?
A:フローレス原人は、2003年に化石が発見された人類で、身長が1メートルちょっとと小さいため、「ホビット」の愛称で呼ばれている。ルソン原人は、現代人に似た特徴と、もっと古い猿人の特徴と、あわせもっているらしい。さらに、東南アジアには、デニソワ人と呼ばれる別の人類が、3〜5万年前まで住んでいたとも考えられている。

―――5〜6万年前、東南アジアには、多様な人類が住んでいた? と思うと、ちょっと不思議です。

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