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ON AIR BLOG / 2019.06.12 update
今日は、初登場!
毎日新聞 編成編集局次長の塚田健太さんに解説していただきました!

「大阪のある古墳が、世界遺産に登録される?」



Q:今日は、大阪のある古墳が、世界文化遺産に指定されるというお話ですね

A:記念物や遺跡の保護について検討するイコモス(国際記念物遺跡会議)、
  これはユネスコの関係団体なんですが、
  5月に「百舌鳥・古市古墳群を世界遺産に登録すべし」と、ユネスコに勧告しました。 
  古代の遺跡がまとまって残っていることから
 「傑出した古墳時代の埋葬の伝統と社会・政治構造を証明している」と評価され、
  6月30日〜7月10日にアゼルバイジャンで開かれる
  ユネスコの世界遺産委員会で正式に決まります。
  
  もし決定すれば、国内19件目の世界文化遺産です。
  ちなみにラブさんは百舌鳥・古市古墳群は見に行かれたことはありますか?

Q:行ったことのない方のためにも、この古墳群について説明をお願いできますか?

A:大阪府南部の百舌鳥・古市は、古墳時代の最盛期、
  4世紀後半〜5世紀後半の政治や文化の中心地の一つでした。
  登録されるのは、堺市の百舌鳥エリアにある「大山古墳」など23基と、
 羽曳野市と藤井寺市の古市エリアにある「応神天皇陵古墳」など26基です。
 一番有名な大山古墳は、エジプトのクフ王のピラミッド、
 秦の始皇帝陵とともに世界三大墳墓の一つに数えられます。
 高さではピラミッドに及びませんが、全長約500辰函
 長さや広さでは世界一のお墓と言えます。


Q:大山古墳って、一般的には、「仁徳天皇陵」の呼び名で呼ばれている場所ですよね?


A:はい。古事記や日本書紀などの記述に基づいて、
  明治時代に宮内庁が仁徳天皇陵と名付けました。
  ところが!!見つかった埴輪などの研究で、大山古墳が、
  仁徳天皇の子の履中天皇のものとされる古墳より後に造られた可能性が出てきました。 
  これでは本当は、だれが葬られているのかはっきりしません。

Q:発掘調査はできないんですか?

A:今回登録される古墳のうち、大山古墳を含む29基は、
  皇室の先祖のお墓として宮内庁によって大切に守られていて
  入ったり、発掘したりすることが制限されています。
  昨年10月、宮内庁と堺市は初めての共同調査を行いましたが、
  外周の堤の一部だけでした。
  イコモスの勧告は、都市開発や自然現象で古墳が破壊されることへの懸念を示し、
  地域を巻き込んだ保存の必要性を訴えています。
  古代国家の成立を探り、後世や世界に伝えるためにも、
  また、適切な保護策作りのためにも対象を広げた地域ぐるみでの調査が求められます。


Q: だけど、せっかくの世界遺産!間近に見てみたいですよね。


A:勧告前に、私も大山古墳を見に行きました。
  お堀の外や市役所展望台から見えるのですが、
  こんもりとした森のようで、壮大な前方後円墳を体感することはできませんでした。
  近くにある堺市博物館のバーチャルリアリティ(VR)で、
  上から眺めたり、中に入ったりした映像を見られ、これはこれで楽しいのですが、
  今や皇居の中もサクラや紅葉の季節には通り抜けできるようにしている時代です。
  中心部の静けさや、まつられている方への尊敬の念は大事にしつつ、
  区域や期間を区切って公開する工夫もできるはずです。
  世界遺産登録はゴールではありません。
  人類の宝を守り、世界の人と共有するスタートにしたいものです。


――世界遺産に登録されたことで、ごみ問題が発生したり、落書きがされたり
  という場所もあるので、線引きが難しいところではありますが、
  世界遺産に登録されたものを、どう守って、どう広めるか。
  それをこれから、地域のみなさんと一緒に考えていく、ここからがはじまりですね!

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