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ON AIR BLOG / 2019.07.10 update
毎日新聞 PRESENTS NEWS CONNECTION。

今日は「商業捕鯨が再開」というテーマで
毎日新聞 編集編成局次長 塚田健太さんに解説していただきました。



Q. 31年ぶりに商業捕鯨が再開されたんですよね。

A. はい、7月1日、クジラを肉や油などを売るためにとる「商業捕鯨」が再開されました。
北海道の釧路港などから出た捕鯨船は日本周辺でクジラを獲り、
4日から市場への出荷も始まりました。。

Q. これまで商業捕鯨をしていなかったのはなぜですか。

A. クジラの資源管理を話し合う国際機関のIWC(国際捕鯨委員会)が1982年、
「獲りすぎによってクジラが絶滅の危機に瀕している」として、
商業捕鯨の一時禁止を決めました。
これを受けて日本は88年に商業捕鯨をやめましたが、その代わり、
クジラの数を調べるための「調査捕鯨」を南極海などで始めます。
調査の結果、ミンククジラなど一部の種類は、充分に増えて、
 絶滅の恐れがないと日本は判断します。
 そして、90年以降、20回以上にわたり、商業捕鯨の再開を提案しました。
 ところが、昨年9月にブラジルで開かれたIWCの総会で、多数を占める反捕鯨国からの
 「IWCは保護のみが目的で、商業捕鯨につながるいかなる提案も認めない」
 との強硬論に押され、日本の提案は否決されます。
 「クジラを食べるのは野蛮だと決めつける国が多数派のIWCが
 商業捕鯨再開を認める可能性はない」と考えた日本は、昨年12月に脱退を表明しました。
 正式に脱退した今年7月、商業捕鯨が再開されることになったのです。

Q. これからは自由に獲れるようになるということですか。




A. そうではないんです。脱退によって、調査捕鯨はできなくなりました。
 これからは領海や排他的経済水域という日本周辺での捕鯨になります。
 捕獲枠の上限も、年間383頭と、調査捕鯨の6割程度に抑えました。
 水産庁によると、「100年間獲り続けても資源に悪影響を与えない」数だそうです。
 ただ、調査捕鯨で獲っていた8トン程度のクロミンククジラより大きい、
 イワシクジラやニタリクジラ、20から30トン程度の重さですが、
 こちらを獲るので、肉の量はほぼ変わらないとしています。

Q. どころで、商業ということですが、採算はとれるのですか。

A. そこが問題です。ラブさんはクジラの肉は食べますか?

Q. 年に1,2回程度ですかね、、、

A. クジラ肉の消費量は、1960年代の年間20万トンをピークに減り続け、
  ここ数年は4000〜5000トンと、かつての50分の1程度に落ち込んでいます。
  私の世代は学校給食で月に一度はクジラの竜田揚げを食べていました。
  牛肉の5分の1、豚肉に3分の1と安かったからで、戦後の食糧難時代からの
貴重なたんぱく源でした。ところが、牛豚鶏肉が安くなるに連れ、食べられなくなります。
商業捕鯨の中止以降、価格が急騰し、高級品の値段になったことも追い打ちになりました。

Q.不安な船出ですね。

A. 若い世代にどうやって食べてもらうのか。クジラ料理を出す居酒屋店主に話を聞くと
「調査捕鯨時代は南極海の冷凍肉だったが、近海クジラは抜群に鮮度がいい。
  商業捕鯨再開をきっかけに食べてもらい、おいしさを知ってほしい」ということでした。
  それから、クジラ漁は縄文時代から続く日本の文化と言われますが、
  それは近海での捕鯨です。
  はるか南極海まで獲りに行くのは1900年代に入ってからなんです。
  この機会に日本近海での、資源を守りながらの捕鯨という原点に立ち返るべきでしょう。
  食文化もホエールウオッチングも両方楽しめる日本であってほしいと思います。

――― 世界の反対を押し切って再開する捕鯨、意味のある再開になってほしいですね。

毎日新聞 塚田さんありがとうございました。
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