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毎日新聞 PRESENTS NEWS CONNECTION。

ON AIR BLOG / 2019.07.31 update
毎日新聞 PRESENTS NEWS CONNECTION。

今日は「病気を媒介する蚊を絶滅させられる?」というテーマで
毎日新聞 サイエンスニュース担当 青野由利さんに解説していただきました。


青野  急に暑くなって、蚊に刺されることが増えたような気がしません?

LOVE さっそくさされました。

青野  蚊にさされると、かゆいだけでなく、場合によっては、
    感染症にかかることもあります。
    ちょうど3年前、ブラジルでリオ五輪が開かれていた時には、
    ネッタイシマカが媒介するジカ熱のウイルスが問題になっていました。

LOVE ジカ熱が怖くて、大会参加を辞退する選手もいましたよね。

青野  いっそ、蚊を撲滅してしまえばいいのではないかという気になりますが、
    そんなことは可能だと思います?

LOVE  そんなことして、いいんでしょうか?

青野  最近、ミシガン州立大のチームが中国の2つの島で行った野外実験で、
    ヒトスジシマカという蚊を絶滅寸前まで減らすことに成功したという論文が
    ネイチャー誌に載りました。
    ネッタイシマカ同様、ジカ熱やデング熱も媒介する蚊で、
    私たちに馴染みのあるヤブカも仲間です。

LOVE どういう方法で?

青野  ヒトスジシマカには、不思議な特徴があって、
    ボルバキアと呼ばれる細菌に感染したオスが、
    非感染のメスと交配しても子孫は生まれないのだそうです
    そこで、研究チームは、大量のオスにこの細菌に感染させて、
    野外放出すれば、蚊を絶滅させられるのではないか、と考えました。

    ただ、同じボルバキアに感染したメスと交配すると、
    子孫が生まれてしまうという問題があります。
    そこで、低線量の放射線を使って、混入した感染メスを
    不妊にすることに成功しました。

LOVE  ちょっと怖いですね。

青野  チームは、2016年と17年の蚊の交配時期に、
    中国の2つの島で毎週計数百万匹の感染オスを放ってみました。
    すると、野外にいるメスの数が平均で8〜9割まで減少したのだそうです。

    つまり、狭い範囲だったら、蚊を撲滅できるかもしれない、という話ですが、
    もっと広い範囲で有効かどうかはわかりません。
    そして生態系への影響も気になりますよね。

LOVE そうですよね・・・
     ちょっと蚊にさされて、お肌がぷっくりしたり、蚊取り線香を炊いたりするのも
     夏の恒例行事のようで悪くはないのですが
    蚊によって媒介されるウィルスが非常に多いというのは事実。
     ただ、生態系に手を加えるということは、
     それなりのリスクが伴う可能性があることも、心に止めておかなければなりません。

毎日新聞 青野さんありがとうございました。


青野さんの著書「ゲノム編集の光と闇」が、
講談社の「科学出版賞」を受賞することになりました!
おめでとうございます!!




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