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毎日新聞青野さん「ブータンレポート」

ON AIR BLOG / 2019.08.21 update
毎日新聞 PRESENTS NEWS CONNECTION。

今日は、このコーナーサイエンスニュース担当
毎日新聞専門編集委員、青野由利さんと

「ブータンってどんな国?」そんなテーマでお送りしました。

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Q 青野さん、ブータンに行かれたとか?

A そうなんです。
  今月の上旬に1週間ほど訪問しました。

Q ちょうど、秋篠宮家のご訪問の直前ですね。

A それはまったくの偶然で、夏休みを取って、「ブータンの医療の視察」に行ったんです。
  でも、医療の話に限らず、おもしろい発見が満載だったので、
  今日は私がゲットしたブータンの情報を、LOVEちゃんやリスナーさんに
  お届けしようと思っています!

Q 楽しみです! まず、ブータンってどんな国?

A まず、人々がチベット仏教を信奉していて、
  どの家にも仏間があって、毎日お祈りをしているそうです。
  それも、「自分によいことがあるように」ではなく、
  「すべての生きとし生けるものが、幸せであるように」というお祈り。
  人口は80万人弱ですが、そのうちの1万人ぐらいが僧侶なんですって。

  秋篠宮のご家族が、「タシチョ・ゾン」を訪れていましたが、
  「ゾン」はお城という意味で、そこには宗教の施設である「お寺」と、
  県庁のような「行政機関」の両方があるんだそうです。

Q テレビなどで拝見した国王夫妻は、民族衣装を着ていましたよね?

A 男性の正装は「ゴ」と呼ばれ、女性は「キラ」と呼ばれ、
  ゴは日本の着物にもちょっと似ています。
  道行く人は、けっこう普通に民族衣装を着ているんですよ。

Q 食事はどんなものを食べているのでしょう?

A 一言で言うと、辛いけど、おいしい。それは、唐辛子をたくさん使っているから。
  特に、「エマダツィ」と呼ばれる、唐辛子とチーズの煮物みたいなものが毎回出てきて、
  癖になるんですよね。
  毎回、お米が出てきて、あと、お肉料理、野菜の炒め物などもあります。

Q 私達のイメージは、ブータン=「幸せの国」ですが・・・?

A そうです!「GDP」(国民総生産、Gross Domestic Product)よりも、
  「GNH(国民総幸福量、Gross National Happiness)の方が大事、言い換えると、
  「物質的豊かさより、幸せだと思えることこそが大事」だと、
  1970年代に先代の国王が提唱したんです。

  「教育」「健康」「文化の多様性」「余暇も大事にする時間の使い方」など
  9項目の指標があって、2015年の調査では9割以上の人が
  「ハッピーだ」と答えています。
  基本的に、医療と教育は無料で、山の上の小さな診療所も訪ねましたが、
  医者ではないけど医療の知識のある専門家が、
  村人たちの健康管理をとても丁寧に行っていました。

Q 医療の知識のある専門家・・・?

A 日本では馴染みがないですが、HA(ヘルスアシスタント)という、地域の医療の一手を担う人がブータンにはいるんです。
  
  GNHを推進した前首相にもお目にかかりましたが、
  「何が本当の繁栄か、本当の富とは何か、新しく定義し直すことが必要だ」と
  話していたのが印象に残りました。

――ブータンの国王や、国民のみなさまの暮らしの姿から
  私たち日本人が学ぶこともたくさんありそうです。


毎日新聞 青野さんありがとうございました。

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