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ON AIR BLOG / 2019.10.16 update
毎日新聞 PRESENTS NEWS CONNECTION。

毎日新聞 論説委員 平田崇浩さんと
「災害対応で、国会が試されている」をというテーマでお話しました。



Q 台風19号で大きな被害が出て、今もなお救助活動、復旧活動が行われています。
  そんな中、今、国会がはじまっています。
  国会でも災害対策はしっかり議論されているんでしょうか?

A 今週もきのう、きょうと国会では政府の災害対応について議論されています。
  国会で議論しなくても政府がちゃんとやってくれればいいという意見も
  あるかもしれません。ですが、政府が本当に必要な対策をとっているかをチェックし、
  被災者支援の強化や将来の災害対策に生かす役割が国会にはあります。

Q 安倍首相の長期政権が強い力を持っているからか?
  国会の存在感がどうも薄いように思います。私たちもそこまで注視できてない。

A 野党が国会を開けと要求しても政権側が応じないという問題もあります。
  秋の臨時国会が10月4日に開会しましたが、7月の参院選を挟んで
  国会は3カ月以上、夏休みをとっていました。
  首相が出席する予算委員会の審議は4月以降、開かれていなかったので、
  半年ぶりということになります。

Q 夏休みを3カ月もとって、大丈夫なんでしょうか?

A 問題は大ありです。その間にも内政・外交、さまざまなことがありました。
  特に9月の台風15号では千葉県内の暴風被害の把握が遅れ、
  停電の復旧にたいへんな時間を要しました。
  政府は「適切だったが、検証する」と言うばかりで、被災から1カ月たっても
  具体的な検証内容を国会に報告していないのは問題だと思います。

Q そこでさらに台風19号の豪雨災害もあったということですね。

A このような豪雨災害が毎年、日本全国どこでも起こり得るという現実に
  どう備えていくのか、議論を急がなければなりません。

Q 国会って、与野党がお互い一方的に好き勝手なことを言い合って
  議論が進まないイメージがあるんですが・・・
  国民の側には政治全体に対する不信感があって、
  それが参院選の投票率50%割れにつながったのではないでしょうか。

A 国会の復権が必要です。このままでは政治不信がますます広がるのではないか。
  国会の夏休み中には関西電力や、かんぽ生命の不祥事も表面化しました。

Q 関西電力もそうですが、かんぽ生命…おじいちゃん、おばあちゃんに
  不利な保険契約を結ばせていたわけですよね。
  与党も野党も、もっと怒るべきではないですか。

A しかも、それを報道したNHKに抗議して続報番組を中止させた。
  NHKも郵政事業も総務省が所管していて、日本郵政に天下りした総務省OBが
  その経緯に関与した疑惑もある。
  関西電力の問題では長年にわたって原発に使われた公的資金、
  電気料金が関電幹部に何億円も環流していたわけで、
  電力事業を所管する経済産業省にも大きな責任があります。

Q 政府が率先して真相を究明し、国会に説明すべきですね。

A そう思うのですが、国会審議を見ていると政府も与党も後ろ向きです。
  もしもこのまま、例えば財務省による公文書改ざんの真相究明がなされていない
  森友学園問題のようになったらどうなるでしょうか。

――災害対策や不祥事の追及だけではありません。
  少子高齢化や人口減少の問題にどう取り組むのか。
  国民の将来不安と向き合う議論に与党も野党もないはずです。
  
  今こそ、国会の存在意義が問われている。
  まさに国会が試されているということですね。
  毎日新聞 平田さんありがとうございました。

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