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ON AIR BLOG / 2020.01.15 update
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今日のトピックスは、年末に発表された調査で、日本の高校生の読解力が落ちた、というちょっと気になるお話。毎日新聞マーケティング室、田村彰子さんに解説していただきました。週末には大学入試センター試験があります。昨年は大学入試改革の内容がいろいろ話題になりました。英語の民間試験を導入するとかなんとか・・・

そうした教育政策にも影響があると言われている「経済協力開発機構(けいざいきょうりょくかいはつきこう)」(OECD)の「学習到達度調査」(ピザ)が昨年12月に発表されているのですが、そこで、日本の高校生の読解力が下がっていることが明らかになりました。今回の調査には、79の国・地域から義務教育修了段階の、およそ60万人が参加しています。

日本の読解力は2003年調査で8位から14位に落ち、「PISAショック」と呼ばれました。これを機に教育政策は「脱ゆとり教育」へとかじを切ったのです。その後、2012年調査で4位に「V字回復」しました。しかし、2015年に8位、今回は15位と03年時の水準にまで落ちました。

その原因。それは新聞や本を読む時間が減少傾向にあることを原因に挙げる専門家は多いですね。ノンフィクションの本に関しては「月に数回以上」読む生徒は日本は12・2%でOECD平均20・7%を下回ります。

スマートフォンの影響なども指摘されるそうで、PISA調査で、日本の生徒は1人用のゲームで遊ぶ割合が高いこともわかっています。「文章を書く能力や能動性は人と話す中でつくられていくが、そうした時間がスマホに取られているとか。他者の考えや物事の本質を読み解く力の低下はその蓄積の結果だと思う」と危機感を口にする専門家もいます。

その力が落ちてくると、どんな問題が出てくるかというと、読解力を「批判的思考力」と言い換える人もいます。悪いところを見つけて批判するという意味ではないんです。入ってくる情報を評価し、自ら表現していく力、創造的な思考力です。人工知能(AI)には代替できない分野であり、今後あらゆる職場で求められる技能だろうと言われています。国語で言えば、課題文の中にない『行間を読む』ことができなければ、国際化社会でコミュニケーションがうまくいかないようなんです。

これからの社会には不可欠。対策は可能かといえば15年からPISAがコンピューターで解答する形式となったので、  学校の情報通信技術整備が遅れている日本は、操作の不慣れも低下の一因に挙げられています。その整備は当然必要です。文科省は小中学校で20年度以降に実施される新学習指導要領で、国語では多様な文章を読ませ、話し合ったりまとめたりする授業を強化していきます。

でも忙しい学校は大変です。それでも学校現場では、地道な対策がとられています。授業の要約を生徒にさせたり、読んだ本の魅力を紹介し合う「ビブリオバトル」を導入したりする学校もあります。少しずつでも積み重ねていくしかない問題。経験は必ず力になりますもんね。推移を見守りたいです。
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