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ON AIR BLOG / 2020.01.22 update
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今日のトピックスは、「桜を見る会の問題、その後どうなってる?」というお話。政府の答えが二転三転しているのはなぜでしょう? 公文書を捨てたり改ざんしているってどういうこと?? 詳しく解説していただきました。

Q:今日は桜を見る会の問題についてです。 今週から始まった国会でも大きく取り上げられていますが、 新たな疑惑がどんどん出てきたり、政府の答えが二転三転したりして分かりにくいですね。 何が問題になっているのですか。
A:一つは、桜を見る会そのものの問題です。 安倍総理が自分を応援してくれる人を大勢招いていた、 つまり私物化していたのではないかとの疑惑で、去年11月8日、 参議院予算委員会での共産党の田村智子さんの質問をきっかけに注目を集めました。

Q:私物化、というのはどういうことですか?
A:「桜を見る会」の参加者と予算は 2014 年の 1 万 3700 人、3005 万円が、 19年は 1 万 8200 人、5520 万円になりました。 安倍政権より前の参加者は 1 万人前後だったことから、 総理主催の国の行事で自分の後援者を大勢呼び、 お酒や食事などを税金でふるまっている、 つまり私物化しているのではとの疑惑が出てきたんです。

Q:総理は否定していますよね。
A:最初は「招待者の取りまとめには関与していない」とかわしていました。 ところが、地元の山口県下関市の安倍事務所が「桜を見る会のご案内」という文書を 後援会員に出していたことも分かって、総理は11月20日 「私自身も事務所から相談を受ければ推薦者について意見を言うこともあった」と 関与を認めました。

Q:大勢の招待客がどのような経緯で選ばれたのか、調べる必要がありますね。
A:そこで浮かんだのが、公文書をどんどん捨てたり、 改ざんしたりしているという第2の問題です。 共産党の宮本徹衆議院議員が5月9日、 「桜を見る会」の招待者名簿などの提出を内閣府に求めた直後、 その名簿を内閣府がシュレッダーで廃棄していたことが分かりました。 内閣府は「シュレッダーが空くのを待っていたら、 たまたま5月9日になった」と説明しています。

Q:シュレッダー、フル回転なんですね。
A:このシュレッダーは一度に約1000枚の紙を投入でき、 処理時間は40秒ほど。「桜を見る会」の招待者は、およそ1万5000人なので、 1人1枚だとしても10分ほどで処理できることになります。 こんなに高性能なシュレッダーが 「空きがない」ほどフル稼働していたとすれば、 桜を見る会に参加していた IKKO さんではありませんが 「どんだけ~」公文書を捨てているの、ということになります。

Q:公文書って、保存しておくものではないんですか。
A:森友事件でも、ないといっていた文書が後から出てきました。 内閣府以外の官庁に聞くと 「毎年、名簿を捨てているなんてありえない」と驚いています。 本当は残っているけど隠している可能性があります。 もし、総理関連の招待客を扱う内閣府と内閣官房に限って捨てていたとなると、 だれをなぜ招待したのかの検証をさせないために廃棄したと疑わざるを得ません。

Q:公文書管理については、森友事件で反省したはずなのですが。
A:去年の11月に亡くなった中曽根康弘元総理は「政治家は歴史法廷の被告人」との言葉を残しています。公文書を隠したり、捨てたり、改ざんしたりすることは、
歴史法廷での証拠隠滅にあたる重い罪だと思います。でも森友事件の時も今回も処分は役人だけで、政治家は対象外でした。政権として本気で反省し、再発防止に取り組んでいるとは言えません。

Q:記者会見や国会での答弁も分かりにくく、真相究明にはほど遠い状況ですね。
A:桜を見る会の前日、安倍総理の後援者らを対象にホテルで開かれた前夜祭も、 どれだけお金がかかって、だれが負担したのかが明らかになっていません。 毎日新聞は去年の11月に取材班を作って、桜を見る会問題を詳しく報じてきました。 2月1日には、桜を見る会で何が起きたのか、何が問題なのかを、
記者の動き、SNS での反応も交えて記録した 「汚れた桜『桜を見る会』疑惑に迫った49日」を緊急出版します。

気になるかたはぜひお手に取ってみてください。
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