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ON AIR BLOG / 2020.02.05 update
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「猛威を振るうコロナウイルス」をサイエンスの視点で解説。ワクチンの開発はどこまで進んでいる?正しい予防法とは?

このコーナー、サイエンスニュース担当、毎日新聞専門編集委員、青野由利さんに解説していただきました。

Q:世界に広がる「新型コロナウイルス」。今朝もクルーズ船の乗船者から 10人以上が陽性反応というニュースがありました。サイエンスの目から見た「コロナウイルス」というのはどんなものなのでしょう?

A:私は、コロナウイルスって聞くと、ああ、風邪のウイルスね、と思う。ヒトに感染するコロナウイルスは6種類知られているが、うち4種類は、普通の風邪のウイルス。風邪の10〜15%がコロナウイルスが原因と考えられている。あとは、SARS(重症急性呼吸器症候群)とMERS(中東呼吸器症候群)。これはどちらも、もとは動物が持っていたウイルスが人から人に感染するようになったもの。 SARSはハクビシンなどから、MERSはヒトコブラクダから人に感染したと考えられているが、もとをただせばコウモリのウイルスだと考えられている。

Q:今回の新型肺炎のコロナウイルスは?
A:昨年12月に中国の武漢で、原因不明の肺炎の集団感染がわかった。今年に入って、「新型コロナウイルス」によるものとわかった

Q:どういうウイルスなのでしょう?
A:まだ、よくわからない点が多いが、遺伝子の分析から、やはりコウモリのウイルスの仲間だと考えられている。SARSの遺伝子とも近い。ただ、SARSに比べると、重症化する人が少ない。SARSの致死率は1割ぐらいと考えられている。今回の新型の致死率は、まだはっきりしないが、SARSよりかなり低いと考えられる。また、感染者の増加がSARSよりずっと早い。全世界での感染者数は「2万600人」超え。そのひとつの原因として、軽症者が多く、動き回るので、感染を広げるのではないかと。

Q:症状のない潜伏期の人からも感染するという話があるが
A:確かに、ドイツで起きた感染で、そういう例があったことが論文発表されている。おそらく、そういうケースもあるのだろう。ただ、それが今回の流行にどれほど寄与しているかは不明。流行の主たる要因は、症状のある人。

Q:どういう人が重症化?
A:高齢者や、糖尿病、心臓病などの持病のある人。子どものデータがあまり出てきていないが、今のところ、子どもが重症化しやすいという話はない。

Q:治療法や、予防法は?
A:新しいウイルスなので、抗ウイルス薬やワクチンはない。今、この感染症に有効な薬が、既存の薬の中にないかが調べられていて、エイズウイルスの治療薬の中に有効なものがあるのではないかとか、エイズウイルス治療薬と抗インフル薬を併せて使うと効果があるのでは、といった情報がでてきている。ただし、まだ、はっきりしたことはわからない。ワクチン開発もすでに何チームかが着手しているが、これは何ヶ月もかかるので、すぐには間に合わない。

Q:私たちはどうすればいい?
A:繰り返し言われているけど、インフルエンザの季節に普通にやるべきことを、さらに気をつけてやる。つまり、石けんを使ってしっかり手洗いする、不要な人混みを避ける、自分に症状があったらマスクをする、咳やくしゃみを手で受けない、といったこと。手洗いできない場合は、アルコールの入ったジェルなども有効。また、患者の便からもウイルスが検出されるという情報もあるので、手洗いは本当に重要。重症化する人は多くないようなので、過剰に恐れる必要はないが、重症化しやすい人を守るためにも、手洗いを心がけて、感染を広げないようにすることが大事。

まずは抵抗力をつけて体調管理をしっかり保つことも大事ですよね。WHO は過剰な行動制限や偏見などではなく今必要なのは「強力し合うこと」とも声明を出しています。まずは自分自身の予防と、冷静な行動が必要ですね。

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