

7月、夏真っ盛りのロンドン。そうは言っても、30度超えは稀なので、サンシャインを爽やかに楽しめる季節です。
毎夏恒例、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ(RA)が開催する「サマー・エキシビション」。ロンドンはピカデリーに佇むバーリントン・ハウス。古くは貴族のお屋敷だったので、アーチをくぐり抜けると、その建物の風格に圧巻されます。ここの国立美術学校には美術館が併設されており、高質なエキシビションには定評があります。
サマー・エキシビションとは、1769年以来、毎年休むことなく開催されている展覧会で、つまり来年は250周年アニバーサリー。そして、この展覧会、最大の醍醐味とは、誰もが参加できる公募展であること。有名無名問わず、参加費(1作品につき25ポンド、約3650円)を払えば、誰でも応募できるのです。毎年10000作品以上のエントリーの中から、選りすぐりの1000作品ほどを公開しています。
さてギャラリーの入り口にて、まずは手帳サイズの分厚いリストブックを手渡されます。ディスプレイされた各作品には番号がついており、リスト本には番号順に、作品の詳細が書かれてある仕組み。お値段も掲載されているので、鑑賞中に「これ、いくらくらいだろうか?」とプライス予想をするのも、もう一つの楽しみです。
今年の有名どころラインナップには、トレイシー・エミン(写真:ネオンアート)、アニッシュ・カプーア、アントニー・ゴームリー、ギルバート&ジョージなどなど、錚々たる作品が。有名アートのすぐ隣には全く無名の力作があったり、あるいは理解不能のラビッシュだったり、長い間見つめても足りないくらいの感動作品だったり、度肝を抜く奇想天外な珍作だったりと、本当に様々。めくるめくアート万華鏡を堪能できます。
「サマー・エキシビション」展は、8月20日(日)まで開催中。入場料は14ポンド(約2000円)。アートにどっぷりと浸る夏もロンドンならでは、といえそうですね。
www.royalacademy.org.uk

