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その飲み方NGです!正しく知ろう経口補水液

その飲み方NGです!正しく知ろう経口補水液

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日常の水分補給や、熱中症対策として、スポーツドリンクのように経口補水液を飲んでいませんか?
実はその飲み方、間違っているんです。
正しい知識と、正しい飲み方で、上手に利用をしていきましょう!

今回は、「その飲み方NGです! 正しく知ろう経口補水液」というテーマで学びました。

(※村上佳菜子さんが体調不良でお休みのため、代演のハシヤスメ・アツコさんとお送りしました)
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(杉浦)
アツコちゃん、経口補水液って知ってるよね?

(ハシヤスメ)
熱中症対策で飲むやつですよね?

(杉浦)
そういうイメージ持たれているかた、めちゃくちゃ多いと思うんだけど、熱中症にならないように予防のために飲むものではありません!

(ハシヤスメ)
あ、そうなんですか?知らなかったです。そうやって思っているかた、多そうな感じしますけどね。

(杉浦)
多そうだよね。いつの頃からか、そのように勘違いしている人が増えてしまって、間違えた飲み方をしている人が少なからずいるみたいなんだよね。例えば、「スポーツドリンクみたいに、喉が渇いたからとグビグビ飲んだり」、「以前、お医者さんに勧められたことがあって、なんとなく体に良さそうだからと、日常的に飲み続けてたり」とか、こういう飲み方は間違えてて、健康を害する可能性もあるんだって。

(ハシヤスメ)
「スポーツドリンクのようなものだけど、スポーツドリンクより効き目があるもの」みたいな。こんな感じで思ってるかた多そうじゃないですか?

(杉浦)
多いと思うんですよね。その考え、リスナーのみなさん、今日は是非とも改めていただきたい! 実は、経口補水液をひもといていくと、使用する前に、きちんと知っておきたい情報がいっぱいあるんです。ここからは、今日の講師に伺っていきましょう。消費者庁食品表示課保健表示室企画第2係長 挽地 聡美さんです。

(ハシヤスメ)
挽地さん、今日は「経口補水液」について、いろいろと教えてください! まず、経口補水液とは、どのようなものなんですかね?

(挽地)
経口補水液は、脱水症の治療に用いる「病者用」、つまり「病気のかたのための飲み物」です。脱水症とは、嘔吐や下痢、大量の汗などによって、体から水分やナトリウムなどの電解質が失われた状態をいいます。脱水症から回復するには、失われた水分や電解質を体に補給する必要があります。

(ハシヤスメ)
それは病院を受診して、点滴してもらうってことで合ってます?

(挽地)
点滴もありますが、世界保健機関、WHOからは、経口補水療法という点滴以外の治療法も提唱されています。

(ハシヤスメ)
経口補水療法?

(挽地)
経口補水療法とは、点滴の代わりに水分や電解質を口から補給する治療法なんです。

(杉浦)
だから分かりやすく言うと、経口補水療法に使う飲み物だから「経口補水液」、ってことですよね。

(挽地)
そうなんです。経口補水液は、失われた水分や電解質を体に素早く吸収されるように考えられた飲み物です。

(杉浦)
なるほど。経口補水液は「脱水時に飲むもの」、「病気の治療のための飲み物」っていうのがポイントですよね。「脱水症状がある時に飲むもので、熱中症にならないよう、予防のために飲むものではない」。ということですね。

(ハシヤスメ)
ということは、これはお薬なんですか?

(挽地)
いえ、お薬ではなく、食品です。ただし、食品の中でも「特別用途食品」に分類されるものです。

(ハシヤスメ)
特別用途食品? 私初めて聞いたんで、全然分かんないですけど(笑)、何ですか?それは。

(挽地)
食品のパッケージに「赤ちゃん用ミルク」や「飲み込みが困難な人」や「病気にかかっている人」、こうしたかたに向けた食品であることを表示する場合には国の許可が必要です。国が審査し規格や要件を満たしていれば、許可を得ることができます。この許可を取得した食品のことを「特別用途食品」と言います。

(杉浦)
最も身近なのは、赤ちゃん用の粉ミルクですよね。赤ちゃん用の粉ミルクであることをパッケージに表示する場合は特別用途食品の許可を取得しないといけないんですよね。

(ハシヤスメ)
それと同じように、経口補水液の場合もですか?

(杉浦)
そう。経口補水液の場合も、病気のかたのための飲み物だから「経口補水液」と表示するには、特別用途食品の許可を得る必要があるということですよね、挽地さん。

(挽地)
はい。おととしの5月に制度を改正しまして、そのようになりました。「経口補水液」と書かれた食品のラベルには、主に、「感染性胃腸炎による下痢・嘔吐の脱水状態に適する」と書かれています。感染性胃腸炎というのは、ノロウイルスなどへの感染が原因の胃腸炎のことです。

(ハシヤスメ)
あれ?じゃあ、「熱中症の時に・・・」とか、書かれてないんですか?

(杉浦)
そこ、気になるよね。

(ハシヤスメ)
挽地さん、経口補水液のラベルには主に、「感染性胃腸炎による下痢・嘔吐の脱水状態に適する」と書かれているということですけれども、私は熱中症の時に飲むイメージがありました。

(挽地)
はい。そのようなかたも多いでしょう。経口補水液には、熱中症による脱水状態に適した食品であることを表示しているものもあります。ですから、購入する際にはラベルの内容をよく確認してください。

(杉浦)
ラベルってさ、細かいところまで見ずに買う人も結構いると思うんだよね。まずは、ラベルをよく確認することが大切ってことですね。

(挽地)
はい。また、経口補水液は、医師や管理栄養士など医療関係者からの指導によって使っていただきたいもので、飲み方には注意が必要です。

(杉浦)
そう、経口補水液を含めた特別用途食品は、医療関係者からの指導によって使うことが適当というのも、今日のポイントですよね。ですから、誤った飲み方をしないように、まず経口補水液の正しい使い方を知っておくことが大切ですね。

(挽地)
はい。時々、経口補水液をスポーツドリンクのように飲んでいるかたがいますが、経口補水液はスポーツドリンクよりも塩分やカリウムが3倍から4倍多く含まれています。

(ハシヤスメ)
そんなに多いんですか? 飲んだらしょっぱそうな感じしますね。

(挽地)
そのため、塩分やカリウムを制限されているかたが飲み方を誤ると、健康に大きな問題を引き起こすおそれがあります。また、塩分やカリウム以外に糖質も含まれています。糖質制限を指示されている場合も注意が必要ですので、使用前に必ず医師に相談しましょう。

(杉浦)
これ、見た目がスポーツドリンクに似ているから誤解して、暑い日や運動する時に、水分補給として飲んでしまう人が結構いると思うんですよね。

(挽地)
そうですね。「スポーツドリンクは日常の水分補給に」、「経口補水液は脱水症の時の水分や電解質の補給に」、と覚えておいてください。

(ハシヤスメ)
確認なんですけれども、お医者さんなどから指導を受けた時には、「経口補水液」と書かれているものを購入すればいいんですか?

(挽地)
「経口補水液」と表示されていることに加えて、「「特別用途食品」の許可マーク」があるものを、選んでください。

(ハシヤスメ)
許可マーク? そういうのあるんですか?知らなかったです。

(挽地)
はい。アルファベットの小文字の「e」の中に丸と三角が描かれたマークです。一見すると「人が腕を横に水平に広げているように見えるマーク」で、特別用途食品にはこの許可マークが表示されています。

(杉浦)
アツコちゃん、今、ここにマークの見本があるんだけども、これ見たことある?

(ハシヤスメ)
言われてみれば、あるかなっていう感じですねー。

(杉浦)
マークの中に「消費者庁許可」、「病者用食品」って書いてありますね。

(ハシヤスメ)
ちゃんと見ないといけないですね。こういうのも。

(杉浦)
でも、理解しておくと、(買う時に)気を付けようってなるから。これなら見つけやすいし。確認するの大事ですね。

(挽地)
経口補水液は、特別用途食品であり、脱水症を治療するための飲み物です。「ノロウイルスなどを原因とする、感染性胃腸炎による下痢・嘔吐に伴う脱水状態に使用できるもの」もあれば、「熱中症による脱水状態に使用できるもの」もあります。経口補水液の正しい知識を持ち、ラベルの内容をよく見て使用してください。

(ハシヤスメ)
私が今日の話の中で特に注目したのは、「経口補水液は熱中症の予防で飲むものではない!!」です。これは知らなかったです。私がグループ時代にライブをすごくやっていて、ライブ終わった後汗をかいて、経口補水液を飲んでいたことが、実は違ったんだっていう。本当は、熱中症の状態になってから、経口補水液を飲むということが正しいんですね。

(杉浦)
学びましたね。僕が注目したのは「経口補水液は病者用です!!」。あくまで経口補水液は病気のかたが飲むもの。医師に相談してください。ということを学びました。


「 関連リンク 」
消費者庁「経口補水液について」
消費者庁「特別用途食品について」
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