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2025.02.23
親子で話そう!今どきのネットの使い方
お子さまがスマホなどでネットを利用する時のルールについて家庭内で決めていますか?
大切なのは、親子で一緒に、こどもの成長に合わせたルール作りをすること。そのためのヒントや、活用できるスマホの機能をお伝えしていきます。
今回は、「親子で話そう! 今どきのネットの使い方」というテーマで学びました。
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大切なのは、親子で一緒に、こどもの成長に合わせたルール作りをすること。そのためのヒントや、活用できるスマホの機能をお伝えしていきます。
今回は、「親子で話そう! 今どきのネットの使い方」というテーマで学びました。
(杉浦)
春はこどもの卒業・進学・進級シーズンで、初めてスマートフォンを持つ子が増える時期でもありますけども、佳菜子ちゃんは、いつ頃から使ってた?スマホ。
(村上)
私、ギリギリまで粘ってガラケー使ってたんですよ。スマホは、たぶん高校生のときだったと思うんですよね。
(杉浦)
でも高校生なの!? 俺、ポケベルだったよ(笑)。もう時代を感じるよね。
(村上)
1ミリも触ったことがないので分かんないです(笑)。
(杉浦)
そうか…、公衆電話の前に行列だったんだけどなー。さぁ、スマートフォンの利用率なんですけども、年々増加していまして、最新のデータによると、満10歳から17歳までの青少年の利用率は、およそ83パーセント。スマートフォンを利用するこどものうち、専用のスマートフォンを利用するこどもは低年齢化していまして、10歳でおよそ65パーセント。
(村上)
そうなんだ。太陽さんのお宅では、お子さんにスマホ持たせてますか?
(杉浦)
うちも、大体10歳かな…。周りの子たちが持つようになって、もちろん一番上の子から持たせるんだけども、あとは、長男、次男はお下がり。三男はまだ持たせてないけど。機種変した時に、「せっかくだから、次男に今日からあげよう!」みたいな。
(村上)
なんか、洋服みたいですね。私も妹なので、いつもお下がりだったから。そういう電子機器もお下がりになってきているんですね。
(杉浦)
買うと高いからさ。だからまあ、(スマートフォンを)持たせておくと、こどもたちの位置情報だったりとか、家族のグループSNSなどで情報の共有もできるので。ちゃんと家庭ルールをうちは作ってるから、成立してるかなー。
(村上)
なるほどね。こどもにスマホを持たせるのはメリットがある反面、やっぱり最近だと、心配な面もありますよね。
(杉浦)
そうだね。ネットのいじめだったりとか、こどもの性被害などの話を聞くたびに心配になるよね。ゲームの課金とかも心配。でも、最近のこどもたちは学校からタブレットを1人1台、貸出しが全員あるじゃない。だから、親よりも使いこなしてたりするのね。パソコン持っていない親御さんもいらっしゃるし。だから、お子さんのほうがパパパッ(と操作が早い)みたいな。宿題もタブレットでやったりとか、明日の授業の確認、あとは、クラスのホームルームの部屋があって、みんなで意見を出し合ったりもするんだよね。
(村上)
えっ!そのタブレットの中で?
(杉浦)
そう。それで、先生とやり取りしたりして。
(村上)
じゃあ、便利な部分もあるんですね。
(杉浦)
そうなんです! メリットもしっかりあるということです。
(村上)
トラブルを避けつつ、スマホを上手に使いこなすスキルを身につけてくれると嬉しいですよね。
(杉浦)
それもそうだし、保護者はこどもにスマホを持たせたら、「被害に遭わないための知識」を教えると同時に、「加害者にならないための知識」も教える必要があるんだよね。お子さんは、ルールを知らなかったり、社会経験が乏しいことから、意図せずに加害者になってしまうケースがあるみたい。例えば、有名人を無断撮影したりとか、友人を隠し撮りしても、場合によっては肖像権の侵害に当たって訴えられることがあったりするんだって。
(村上)
なるほどね…。最近でも、飲食店で迷惑動画を撮ってSNSにアップしちゃって、多額の損害賠償を求められることもありましたよね。
(杉浦)
そうだね。写真や動画撮影のルールは「知らなかった」では済まない場合があるよね。ちなみに性的な部位や下着が写った写真や動画を盗撮するなどした場合、撮影罪に当たります。そうした写真や動画をグループLINEで共有や転送、リポスト、リグラムした場合も罪に問われることがあるんだって。
(村上)
そういうルールをきちんと教えてスマホを使わせないと、大変なことになりますね。
(杉浦)
他にも、こどもたちに教えておきたい今どきのネットの使い方があるので、ここからは、今日の講師に教えていただきましょう。こども家庭庁の近藤 裕行さんです。
(村上)
近藤さん、こどもたちに教えておきたい今どきのネットの使い方、他にはどのようなものがありますか?
(近藤)
はい。本人は遊んでいたつもりでも犯罪になってしまうのが、「オンラインカジノ」です。インターネット上でお金を賭けて遊ぶ「オンラインカジノ」は海外では合法とされていても、日本国内からアクセスしてお金を賭けることは賭博罪にあたります。
(村上)
オンラインカジノなんて、考えもしなかったですけど、「こどもだからやらない」という考えは持たないほうがいいってことですよね。インターネットに関しては、こどもたちのほうが保護者世代よりも長けている、っていうこともありますもんね。
(近藤)
そうですね。他には、SNS上やネットの掲示板に、「短時間で高額報酬」などの文字を見かけたら、「闇バイト」を疑ってほしいです。「闇バイト」は犯罪です。世の中、そんなうまい話はないことを知っておいてほしいです。
(杉浦)
こうした話はテレビや新聞などで報道されますが、最近のこどもたちは昔ほどテレビや新聞を見ないですから、保護者としては、こどもたちにしっかり教えておきたいですね。
(村上)
太陽さんのお家では、そのあたりどうしてますか?
(杉浦)
やっぱり、闇バイトとかは、絶対おいしい話はこの世にないからと言ってありますね。あと、自分だけじゃなく、友達関係。「知らなかったじゃ済まない、終わらないよ。」と言ってあるから、そこは徹底してる。そして保護者は、こうした注意喚起をするとともに、こどもにスマホを持たせる時は、携帯電話事業者が提供するフィルタリング機能を活用する必要もありますよね。近藤さん。
(近藤)
はい。フィルタリングはこどもがインターネットを利用する際、薬物などの違法な情報や出会い系・アダルト系のサイトなどの不適切な情報の閲覧ができないように制限をしたり、年齢区分に合わないサービスやコンテンツの利用を調整し、保護者に代わってこどもの安全を守るためのツールです。保護者には、こどもの発達状態に応じ、フィルタリングの利用などによりネット利用の適切な管理に努める義務が定められています。
(村上)
こどもに適切なネット利用を促すことは、保護者の義務なんですね。
(杉浦)
そう、義務は義務なんだけど、だからといって、保護者がガチガチのルールを決めて、一方的にこどもに守らせるというのはNGなんですよね、近藤さん。
(近藤)
そうですね。大切なのは、親子でこどもの成長に合わせたルール作りをして、ゆくゆくは、こども自らがスマホの使い方をコントロールできるようにすることが大切です。そのためには、親子で一緒に納得のいくルールを作って、入学・進学・進級などライフイベントの時など、成長に応じて見直しを行なっていくことがお勧めです。
(村上)
そうなんですね。では、具体的にどんなルールを作ればいいんでしょうか?
(杉浦)
そう、そこが知りたくなっちゃうところだけど、ルールはこどもの成長段階や家庭の考え方によって違うものだからね。ここからは、ルール作りのヒントになるように、実際、こどもたち自身がどのような意見を持っているのか、紹介していきたいと思います。
(村上)
早速、近藤さん、ルール作りのヒントに、こどもたち自身の意見を教えてください。
(近藤)
はい。こども家庭庁には、こどもたちから政策や省庁の取組に意見を伝えられる「こども若者★いけんぷらす」というサイトがあります。このサイトでこどもたちにお勧めのルールを聞いてみたところ、多くの意見が寄せられました。例えば、小学生から、さらに幼いこどもたちに向けたアドバイスでは、「使いすぎや健康に気を付けたほうがいいよ」という意見がたくさん届きました。
(杉浦)
例えば「インターネットをずっと使っていると目も悪くなったりするから、他のこともいろいろしたほうがいいよ」とか「使うときは姿勢を良くして、タブレットに顔を近づけない」とか。
(村上)
へー!すごい、小学生自身から健康に関するアドバイスが寄せられるって、意外ですね。日頃、保護者のかたから注意を受けているのかもしれないですね。
(近藤)
そうかもしれないですね。厚生労働省が公表している「健康づくりのための睡眠ガイド2023 こども版」によると、寝そべりながらデジタル機器を使うと、ディスプレイの視聴距離が近くブルーライトを浴びやすくなるため、寝付きや睡眠の質の悪化につながるそうです。また、小中高生はテレビやゲーム、スマホのスクリーンを見る時間は1日2時間以下にすることが推奨されています。
(村上)
じゃあ、スマホの利用は2時間以下という、ルールを決めればよいということですか?
(杉浦)
これは、学習のためにスマホでネット検索することもあると思うから、単純に2時間以下と決めるのも難しそうですよね、近藤さん。
(近藤)
ただ、スマホには利用時間を制限できる時間管理機能が設けられていますので、そうした機能も上手に活用して、親子で健康づくりについても話し合ってルールを決めるというのもいいのではないでしょうか。
(村上)
なるほど!そういう管理機能もあるんですね。他に、こどもたちからどのような意見が寄せられたんでしょうか?
(近藤)
はい。中学生から小学生に向けては家庭でのルール作りや安全に使うためのアドバイスが多く寄せられました。例えば「親の前でスマホを使ったほうがいいと思う」とか「SNSで知らない人からメッセージがきたら保護者に相談する」、あるいは「課金は自由にできないようにする」、「勉強中は離れたところに置いておく」などです。
(村上)
「課金」のことや「勉強中は離れたところに」という意見は、自らの失敗体験に基づいたアドバイスなのかもしれないですね。
(近藤)
そうですね。「課金」に関してはルールを決めることも大切ですが、スマホの機能を活用して使用できるアプリを制限することで防ぐこともできます。また、「自画撮り被害」にも注意が必要です。「自画撮り被害」とは、だまされたり、脅されたりして、こどもが自分の裸を撮影させられて、SNSなどで送信させられる被害のことを言います。このような被害に遭わないよう、裸が含まれる可能性がある写真を送信しようとした場合に警告し、対応に役立つ情報を提示してくれる機能や、不適切な画像や動画の撮影をAIが検知し、警告を出したり保護者などに知らせてくれるサービスもあります。
(杉浦)
こどもにスマホを持たせるならば、保護者もスマホの機能やアプリについて知り、使いこなす必要がありますね。
(近藤)
そうですね。また、高校生から中学生へのアドバイスとして、「誰かを不快にさせる可能性がありそうなことはしない」というものもありました。
(村上)
これはネット利用に限らず、人として大事な基本かもしれないですね。
(近藤)
そうですね。「SNSは公共の場であり、傷つけず、傷つけられず、みんなが気持ちよくSNSを使うためにできることを考えていく」、これが大切です。SNSの使い方や困った時の相談先などをまとめたサイト、「#NoHeartNoSNS」もありますので、こうしたサイトの存在を親子で、そして、友達とも共有しておくこともお勧めします。スマホなどでのネットの使い方は親子で話し合いルールを決めることが大切です。こどもが幼いうちは保護者がリードしながらルールを決めることになると思いますが、年齢が上がるにつれて、こども自身がルールを考え、自分でルールを管理することができるようになるのが理想です。保護者はこどもたちが少しずつ自立していけるよう手を貸し、見守っていきましょう。
(村上)
今日の話を聞いて私が特に注目したのは、「親子の会話を大切に、スマホルールを作る」です。
(杉浦)
そうね。親子で理解し合って、成長に見合ったルール作り。
(村上)
親がルールを固めがちだけど、それじゃダメなんだっていうことを今回学びました。
(杉浦)
そうだよね。僕は「保護者もアプリ、SNS、スマホの知識をしっかり身につけよう」。
(村上)
こどもたちのほうが、知識を持ってる環境なんですもんね。
(杉浦)
そう、教えられることもあるからね。
「 関連リンク 」
・政府広報オンライン「特集・インターネットの危険から子供を守る」
・政府広報オンライン「ネットの危険からこどもを守るために保護者が知っておきたいこと」
・こども家庭庁「青少年の安全で安心な社会環境の整備・普及啓発リーフレット集」
・一般社団法人ソーシャルメディア利用環境整備機構(SMAJ)「#NoHeartNoSNS特設サイト」
春はこどもの卒業・進学・進級シーズンで、初めてスマートフォンを持つ子が増える時期でもありますけども、佳菜子ちゃんは、いつ頃から使ってた?スマホ。
(村上)
私、ギリギリまで粘ってガラケー使ってたんですよ。スマホは、たぶん高校生のときだったと思うんですよね。
(杉浦)
でも高校生なの!? 俺、ポケベルだったよ(笑)。もう時代を感じるよね。
(村上)
1ミリも触ったことがないので分かんないです(笑)。
(杉浦)
そうか…、公衆電話の前に行列だったんだけどなー。さぁ、スマートフォンの利用率なんですけども、年々増加していまして、最新のデータによると、満10歳から17歳までの青少年の利用率は、およそ83パーセント。スマートフォンを利用するこどものうち、専用のスマートフォンを利用するこどもは低年齢化していまして、10歳でおよそ65パーセント。
(村上)
そうなんだ。太陽さんのお宅では、お子さんにスマホ持たせてますか?
(杉浦)
うちも、大体10歳かな…。周りの子たちが持つようになって、もちろん一番上の子から持たせるんだけども、あとは、長男、次男はお下がり。三男はまだ持たせてないけど。機種変した時に、「せっかくだから、次男に今日からあげよう!」みたいな。
(村上)
なんか、洋服みたいですね。私も妹なので、いつもお下がりだったから。そういう電子機器もお下がりになってきているんですね。
(杉浦)
買うと高いからさ。だからまあ、(スマートフォンを)持たせておくと、こどもたちの位置情報だったりとか、家族のグループSNSなどで情報の共有もできるので。ちゃんと家庭ルールをうちは作ってるから、成立してるかなー。
(村上)
なるほどね。こどもにスマホを持たせるのはメリットがある反面、やっぱり最近だと、心配な面もありますよね。
(杉浦)
そうだね。ネットのいじめだったりとか、こどもの性被害などの話を聞くたびに心配になるよね。ゲームの課金とかも心配。でも、最近のこどもたちは学校からタブレットを1人1台、貸出しが全員あるじゃない。だから、親よりも使いこなしてたりするのね。パソコン持っていない親御さんもいらっしゃるし。だから、お子さんのほうがパパパッ(と操作が早い)みたいな。宿題もタブレットでやったりとか、明日の授業の確認、あとは、クラスのホームルームの部屋があって、みんなで意見を出し合ったりもするんだよね。
(村上)
えっ!そのタブレットの中で?
(杉浦)
そう。それで、先生とやり取りしたりして。
(村上)
じゃあ、便利な部分もあるんですね。
(杉浦)
そうなんです! メリットもしっかりあるということです。
(村上)
トラブルを避けつつ、スマホを上手に使いこなすスキルを身につけてくれると嬉しいですよね。
(杉浦)
それもそうだし、保護者はこどもにスマホを持たせたら、「被害に遭わないための知識」を教えると同時に、「加害者にならないための知識」も教える必要があるんだよね。お子さんは、ルールを知らなかったり、社会経験が乏しいことから、意図せずに加害者になってしまうケースがあるみたい。例えば、有名人を無断撮影したりとか、友人を隠し撮りしても、場合によっては肖像権の侵害に当たって訴えられることがあったりするんだって。
(村上)
なるほどね…。最近でも、飲食店で迷惑動画を撮ってSNSにアップしちゃって、多額の損害賠償を求められることもありましたよね。
(杉浦)
そうだね。写真や動画撮影のルールは「知らなかった」では済まない場合があるよね。ちなみに性的な部位や下着が写った写真や動画を盗撮するなどした場合、撮影罪に当たります。そうした写真や動画をグループLINEで共有や転送、リポスト、リグラムした場合も罪に問われることがあるんだって。
(村上)
そういうルールをきちんと教えてスマホを使わせないと、大変なことになりますね。
(杉浦)
他にも、こどもたちに教えておきたい今どきのネットの使い方があるので、ここからは、今日の講師に教えていただきましょう。こども家庭庁の近藤 裕行さんです。
(村上)
近藤さん、こどもたちに教えておきたい今どきのネットの使い方、他にはどのようなものがありますか?
(近藤)
はい。本人は遊んでいたつもりでも犯罪になってしまうのが、「オンラインカジノ」です。インターネット上でお金を賭けて遊ぶ「オンラインカジノ」は海外では合法とされていても、日本国内からアクセスしてお金を賭けることは賭博罪にあたります。
(村上)
オンラインカジノなんて、考えもしなかったですけど、「こどもだからやらない」という考えは持たないほうがいいってことですよね。インターネットに関しては、こどもたちのほうが保護者世代よりも長けている、っていうこともありますもんね。
(近藤)
そうですね。他には、SNS上やネットの掲示板に、「短時間で高額報酬」などの文字を見かけたら、「闇バイト」を疑ってほしいです。「闇バイト」は犯罪です。世の中、そんなうまい話はないことを知っておいてほしいです。
(杉浦)
こうした話はテレビや新聞などで報道されますが、最近のこどもたちは昔ほどテレビや新聞を見ないですから、保護者としては、こどもたちにしっかり教えておきたいですね。
(村上)
太陽さんのお家では、そのあたりどうしてますか?
(杉浦)
やっぱり、闇バイトとかは、絶対おいしい話はこの世にないからと言ってありますね。あと、自分だけじゃなく、友達関係。「知らなかったじゃ済まない、終わらないよ。」と言ってあるから、そこは徹底してる。そして保護者は、こうした注意喚起をするとともに、こどもにスマホを持たせる時は、携帯電話事業者が提供するフィルタリング機能を活用する必要もありますよね。近藤さん。
(近藤)
はい。フィルタリングはこどもがインターネットを利用する際、薬物などの違法な情報や出会い系・アダルト系のサイトなどの不適切な情報の閲覧ができないように制限をしたり、年齢区分に合わないサービスやコンテンツの利用を調整し、保護者に代わってこどもの安全を守るためのツールです。保護者には、こどもの発達状態に応じ、フィルタリングの利用などによりネット利用の適切な管理に努める義務が定められています。
(村上)
こどもに適切なネット利用を促すことは、保護者の義務なんですね。
(杉浦)
そう、義務は義務なんだけど、だからといって、保護者がガチガチのルールを決めて、一方的にこどもに守らせるというのはNGなんですよね、近藤さん。
(近藤)
そうですね。大切なのは、親子でこどもの成長に合わせたルール作りをして、ゆくゆくは、こども自らがスマホの使い方をコントロールできるようにすることが大切です。そのためには、親子で一緒に納得のいくルールを作って、入学・進学・進級などライフイベントの時など、成長に応じて見直しを行なっていくことがお勧めです。
(村上)
そうなんですね。では、具体的にどんなルールを作ればいいんでしょうか?
(杉浦)
そう、そこが知りたくなっちゃうところだけど、ルールはこどもの成長段階や家庭の考え方によって違うものだからね。ここからは、ルール作りのヒントになるように、実際、こどもたち自身がどのような意見を持っているのか、紹介していきたいと思います。
(村上)
早速、近藤さん、ルール作りのヒントに、こどもたち自身の意見を教えてください。
(近藤)
はい。こども家庭庁には、こどもたちから政策や省庁の取組に意見を伝えられる「こども若者★いけんぷらす」というサイトがあります。このサイトでこどもたちにお勧めのルールを聞いてみたところ、多くの意見が寄せられました。例えば、小学生から、さらに幼いこどもたちに向けたアドバイスでは、「使いすぎや健康に気を付けたほうがいいよ」という意見がたくさん届きました。
(杉浦)
例えば「インターネットをずっと使っていると目も悪くなったりするから、他のこともいろいろしたほうがいいよ」とか「使うときは姿勢を良くして、タブレットに顔を近づけない」とか。
(村上)
へー!すごい、小学生自身から健康に関するアドバイスが寄せられるって、意外ですね。日頃、保護者のかたから注意を受けているのかもしれないですね。
(近藤)
そうかもしれないですね。厚生労働省が公表している「健康づくりのための睡眠ガイド2023 こども版」によると、寝そべりながらデジタル機器を使うと、ディスプレイの視聴距離が近くブルーライトを浴びやすくなるため、寝付きや睡眠の質の悪化につながるそうです。また、小中高生はテレビやゲーム、スマホのスクリーンを見る時間は1日2時間以下にすることが推奨されています。
(村上)
じゃあ、スマホの利用は2時間以下という、ルールを決めればよいということですか?
(杉浦)
これは、学習のためにスマホでネット検索することもあると思うから、単純に2時間以下と決めるのも難しそうですよね、近藤さん。
(近藤)
ただ、スマホには利用時間を制限できる時間管理機能が設けられていますので、そうした機能も上手に活用して、親子で健康づくりについても話し合ってルールを決めるというのもいいのではないでしょうか。
(村上)
なるほど!そういう管理機能もあるんですね。他に、こどもたちからどのような意見が寄せられたんでしょうか?
(近藤)
はい。中学生から小学生に向けては家庭でのルール作りや安全に使うためのアドバイスが多く寄せられました。例えば「親の前でスマホを使ったほうがいいと思う」とか「SNSで知らない人からメッセージがきたら保護者に相談する」、あるいは「課金は自由にできないようにする」、「勉強中は離れたところに置いておく」などです。
(村上)
「課金」のことや「勉強中は離れたところに」という意見は、自らの失敗体験に基づいたアドバイスなのかもしれないですね。
(近藤)
そうですね。「課金」に関してはルールを決めることも大切ですが、スマホの機能を活用して使用できるアプリを制限することで防ぐこともできます。また、「自画撮り被害」にも注意が必要です。「自画撮り被害」とは、だまされたり、脅されたりして、こどもが自分の裸を撮影させられて、SNSなどで送信させられる被害のことを言います。このような被害に遭わないよう、裸が含まれる可能性がある写真を送信しようとした場合に警告し、対応に役立つ情報を提示してくれる機能や、不適切な画像や動画の撮影をAIが検知し、警告を出したり保護者などに知らせてくれるサービスもあります。
(杉浦)
こどもにスマホを持たせるならば、保護者もスマホの機能やアプリについて知り、使いこなす必要がありますね。
(近藤)
そうですね。また、高校生から中学生へのアドバイスとして、「誰かを不快にさせる可能性がありそうなことはしない」というものもありました。
(村上)
これはネット利用に限らず、人として大事な基本かもしれないですね。
(近藤)
そうですね。「SNSは公共の場であり、傷つけず、傷つけられず、みんなが気持ちよくSNSを使うためにできることを考えていく」、これが大切です。SNSの使い方や困った時の相談先などをまとめたサイト、「#NoHeartNoSNS」もありますので、こうしたサイトの存在を親子で、そして、友達とも共有しておくこともお勧めします。スマホなどでのネットの使い方は親子で話し合いルールを決めることが大切です。こどもが幼いうちは保護者がリードしながらルールを決めることになると思いますが、年齢が上がるにつれて、こども自身がルールを考え、自分でルールを管理することができるようになるのが理想です。保護者はこどもたちが少しずつ自立していけるよう手を貸し、見守っていきましょう。
(村上)
今日の話を聞いて私が特に注目したのは、「親子の会話を大切に、スマホルールを作る」です。
(杉浦)
そうね。親子で理解し合って、成長に見合ったルール作り。
(村上)
親がルールを固めがちだけど、それじゃダメなんだっていうことを今回学びました。
(杉浦)
そうだよね。僕は「保護者もアプリ、SNS、スマホの知識をしっかり身につけよう」。
(村上)
こどもたちのほうが、知識を持ってる環境なんですもんね。
(杉浦)
そう、教えられることもあるからね。
「 関連リンク 」
・政府広報オンライン「特集・インターネットの危険から子供を守る」
・政府広報オンライン「ネットの危険からこどもを守るために保護者が知っておきたいこと」
・こども家庭庁「青少年の安全で安心な社会環境の整備・普及啓発リーフレット集」
・一般社団法人ソーシャルメディア利用環境整備機構(SMAJ)「#NoHeartNoSNS特設サイト」