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2025.11.23
農業から笑顔広がる! 農福連携
農業と福祉が連携すると、それぞれの課題が解決されるだけでなく、社会にとっても、お互いにとっても、プラスの効果がありました。
今回は、「農業から笑顔広がる! 農福連携」というテーマで学びました。
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今回は、「農業から笑顔広がる! 農福連携」というテーマで学びました。
(杉浦)
佳菜子ちゃん、「ノウフク」って聞いたことある?
(村上)
「ノウフク」?
(杉浦)
ノウフクっていうのはですね、「農業と福祉の連携」「農福連携」を表す言葉で、「障害のあるかたが農業分野で活躍することで自信や生きがいを持って社会とつながっていくことを支援する取組」ということで。「農福連携」という言葉を国が正式に使い始めたのは今から10年ぐらい前からなんだけど、今では障害のあるかただけでなく、高齢者や生活困窮者、ひきこもりの状態にあるかたの就労支援や、罪を犯した人の立ち直りの支援にも拡大してるんだって。
(村上)
ひと口に福祉と言っても、様々なかたの支援をしてるんですね。
(杉浦)
そうだね。農福連携では「農業を通じて誰もが活躍できる社会の実現」を目指してるんだよね。昨年にはこのプロジェクトをより推進するために、11月29日を「ノウフクの日」に設定しました。なんで11月29日だと思う?
(村上)
んー…。「いい・にく」だから?(笑)
(杉浦)
「いい・にく」の日でもあるけどね(笑) 確かに。11月は英語でNovember「ノウ」。29は数字の語呂合わせで「フク」で、11月29日は「ノウフクの日」と。
(村上)
わー! すごいですね。ところで、そもそも、なぜ農福連携という取組が始まったんですか?
(杉浦)
そうね、まずはそこから知りたいよね。では、ここからは今日の講師に伺っていきましょう。農林水産省農福連携推進室の佐久間 千恵さんです。
(村上)
佐久間さん、なぜ「農業」と「福祉」、この二つが連携することになったんですか?
(佐久間)
それは「農業」と「福祉」が、それぞれ課題を抱えていて、連携することで、双方の課題解決につながるからなんです。農業では高齢化が進んでいて、慢性的な労働力不足に悩んでいます。また、後継者不足から、耕作されず荒れている農地がたくさんある状況です。一方、福祉の現場では、障害のあるかたの総数は、約1,160万人と推計されていますが、一人ひとりが異なる障害特性や意向を持っており、「働きたいと思うかたが本人の希望や強みに応じて働くことができる場」を広げることが重要となっています。
(村上)
それぞれの個性と希望に応じた働く場が必要なんですね。
(佐久間)
はい。そこで、働き手が不足している農業と、働く場を求めている障害のあるかたなどのマッチングを積極的に行っているんです。
(村上)
農福連携は、どちらにとってもメリットがある取組っていうことですね。
(佐久間)
はい。メリットは今挙げた以外にもございまして、例えば、障害のあるかたなどが農業の現場で働くことを通じて「生きがい」「やりがい」などを持てるようになったり、心身のリハビリにもつながったりすることが期待できます。
(村上)
私たちも、太陽の下で自然と触れ合って、土とか植物と触れ合うと、やっぱりエネルギーもらえますもんね!
(杉浦)
もらえるよー! 僕も野菜を栽培してますけども、何かを育て上げるっていう喜び、栽培する喜びってあるのよ。それを誰かに食べてもらう喜びもあるし。あとは、やっぱり太陽に当たる喜び。メンタル的にも開放されるんだよね。リラックスできるから。
(佐久間)
また、障害のあるかたを雇用して農業を経営されている事業者さんの中には、売上げが拡大しているところもあるんです! 例えば、静岡県浜松市にある京丸園株式会社さんは、早くから農福連携に取り組んでいらして、今では従業員106名中、およそ4分の1に当たる27名が障害のあるかたです。こちらの農園では、その人数が増えるごとに売上げも増加し、なんと、28年間で10倍にもなったんです!
(村上)
すごいですね! なぜ障害のあるかたを雇用したことで、売上げが増加したんですか?
(佐久間)
それは、障害があっても働きやすいように作業を工夫したり、無駄を排除して、効率化するようにしたからです。例えば、芽が出て間もない細いネギ「芽ねぎ」を植え付けする作業を行うのは職人技が必要な難しいものです。しかし京丸園さんでは、下敷きのような器具を作り、その器具を差し込むだけで、芽ねぎがスクッと立ち上がり、誰でも正確に植え付けができるようにしたんです。
(村上)
すごいですね。うまくできるように器具を開発したってことですよね。
(佐久間)
はい。その仕事ができる人を探すのではなく、その仕事を誰もができるように工夫することで、人手不足を解消したんです。京丸園さんがおっしゃるには、障害のあるかたが働ける場を作ったら高齢者が集まるようになり、障害のあるかたや高齢者が生き生きと働いていたら、「農作業はしんどい」という先入観が薄れ、若い人も「ここなら働いてみたい」と集まってきたそうです。
(杉浦)
障害のあるかたが働きやすいようにするための取組が、いろんな人を呼び寄せたんですね。
(佐久間)
はい。その結果、事業規模も拡大し、売上げも増加したというわけです。
(村上)
農業と福祉の連携って相乗効果を期待できるものなんですね。
(杉浦)
ここからは、実際に農福連携により農業に携わるようになり、今では独立して、高知県安芸市でナス農園をされている、久市 覚さんにもリモートでお話を伺います!
(村上)
まずはですね、久市さんの経歴を簡単にご紹介したいと思います。幼い頃は祖父母に育てられ、小学校を卒業してから両親と暮らし始めました。しかし、これがうまくいかず、中学高校時代は児童福祉施設で過ごすことになります。高校を卒業して工場に就職しますが、複数の作業を同時にこなすのが苦手で、忘れものも多く、すぐに気が散ってしまうこともあり、仕事上でも苦労が絶えませんでした。両親との関係も改善できず、ついにはうつ病と診断され、退職を余儀なくされました。周囲に助けてくれる人もおらず、その後はひきこもりや生活困窮に陥ります。そして、藁をもつかむ思いで祖父母の家があった高知県を訪ねた時、安芸市農福連携研究会と出会い、農業を始めることになったそうです。
(杉浦)
この研究会は、高知県安芸市が事務局となって、農業、福祉、医療、教育など、様々な関係機関や団体が、官民を超えて連携して、生きづらさを抱えた様々な人への農業就労支援に取り組んでおられます。久市さんは、研究会の勧めで医師に診断していただき、発達障害であることが分かったそうですね。診断を受けたことで、気持ちが少し落ち着いたのではないでしょうか?
(久市)
そうですね。仕事や日常生活での失敗が、自身での甘え、努力不足なのか、特性によるものなのかを区別できたことが、前向きに生きるきっかけになりました。
(村上)
研究会から農業を勧められて、初めはどう思われましたか?
(久市)
正直、自分の体調のこととかもありまして、すごく不安がありました。
(杉浦)
農業自体、やるのは初めてだったんですか?
(久市)
はい、初めてでした。あと、体調もすごく悪くて、断ったりもしたんですけど、研究会の皆さんが熱心に誘っていただいて、ここまで熱心に誘っていただけるんだったら、頑張ってみようと決心がつきました。
(村上)
どういったことから始められたんですか?
(久市)
最初は、袋詰めといった簡単な作業から経験させていただきました。
(杉浦)
農業の楽しみって、どういうところで感じました?
(久市)
そうですね。朝日と共に目覚めて、作業をして。周囲の人も温かいですし、植物が育っていくこととかに喜びを感じられますし、そういうところが楽しかったですね。
(杉浦)
研究会でも、いろんなサポートをしてくれたのではないですか?
(久市)
そうですね。温かく声掛けをしてもらいました。やはり、僕自身の特性のこともありまして、作業の失敗を繰り返したりすることもあったんですけど、根気よく付き合ってくれて、本当に環境に恵まれたと思っています。
(杉浦)
とっても素敵な出会いだったんですね。佐久間さん、安芸市農福連携研究会の方々は、農福連携に熱心なんですね。
(佐久間)
そうですね。「久市さんのように、前向きなかたがどうして、こんなに今までしんどい思いをしてきたんだろうか。きっと彼が必要とする大人に出会えていなかったのかもしれない」と、研究会のかたがおっしゃっていました。障害のあるかただけでなく、いろいろな理由で生きづらい思いをされているかたは、大勢いらっしゃいます。研究会の方々はその一人ひとりが何に困っているのかなどをしっかりと見極めて、その人にとって必要なサポートをしてくださっているのだと思います。農林水産省では、今、この安芸市農福連携研究会のような地域単位で、農福連携を進めるような体制づくりを後押ししています。
(村上)
広がってほしいですよね。久市さん! 農業を始められて8年ほどと聞いていますが、8年たった今、心や体に変化はありましたか?
(久市)
そうですね。1週間、2週間、そして1年経った頃に、自分が思っている以上に体調が良くなりまして。そこから先は、体調がよくなったことで、当時から比べると「できること」、選択肢が増えて、気持ち的にも「将来何をしようか」「これから自分がどういう風に生きていこうか」っていうことを考えられるようになったっていうのがすごく大きいですね。
(村上)
すばらしいことですね。未来が見えてきたっていうことですよね。
(杉浦)
久市さんは、今では、ご自身の農園を持たれてるんですよね。ナスを栽培されてるんですか?
(久市)
はい。ナスを栽培しています。
(杉浦)
今、スタジオにもナスがありますよ! 届いてます!
(村上)
先ほど「将来も見えてきた」とおっしゃってましたけど、今後の計画を是非、教えてください。
(久市)
今後の自分の目標としましては、自分がいろんな人に助けていただいたように、いろんな人の特性を理解して、理解のある職場としての雇用を目指していきたいです。
(杉浦)
ご自身が助けられた環境にあるからこそ、次は久市さんが動いて、いろんなかたに知っていただきたいっていう、こういう農福連携の動きの輪が広がっていくっていうのはすばらしいことですね。久市さん、応援してます! 頑張ってください。久市さん、貴重なお話をありがとうございました! 佐久間さん、農福連携ってすばらしいですね。
(佐久間)
ありがとうございます。今回、ご紹介させていただいたのは、ほんの一例でして、農福連携により「農家さん、障害のあるかた、そして地域、お互いが支え合って良い成果が出ている」、そういった事例が全国にはまだまだたくさんあります。
(杉浦)
今度の土曜日、11月29日がノウフクの日ということもありまして、実は、11月1日から12月31日までの期間、全国各地で農福連携に関するイベントを集中的に実施しているそうですね。
(佐久間)
はい。(2025年)12月1日には、都内で「ノウフクの日記念イベント2025」を開催いたします。農福連携に取り組む若手農業者の講演やトークセッションのほか、実際に農福連携で作られた産品の試食などもございます。このイベント内容も含めた全国のイベント情報を、農林水産省のホームページで発信していますので、是非、この機会にお近くのイベントに足を運んでいただき、「農福連携」について皆さんに知っていただき、理解を深めていただければと思います。
(村上)
今日の話を聞いて特に注目したのは「11月29日は「ノウフクの日」」です。
(杉浦)
僕は、「農業と福祉の連携で相乗効果!!」です。
「 関連リンク 」
・農林水産省「農福連携の推進」
・農林水産省「11月29日はノウフクの日!」
佳菜子ちゃん、「ノウフク」って聞いたことある?
(村上)
「ノウフク」?
(杉浦)
ノウフクっていうのはですね、「農業と福祉の連携」「農福連携」を表す言葉で、「障害のあるかたが農業分野で活躍することで自信や生きがいを持って社会とつながっていくことを支援する取組」ということで。「農福連携」という言葉を国が正式に使い始めたのは今から10年ぐらい前からなんだけど、今では障害のあるかただけでなく、高齢者や生活困窮者、ひきこもりの状態にあるかたの就労支援や、罪を犯した人の立ち直りの支援にも拡大してるんだって。
(村上)
ひと口に福祉と言っても、様々なかたの支援をしてるんですね。
(杉浦)
そうだね。農福連携では「農業を通じて誰もが活躍できる社会の実現」を目指してるんだよね。昨年にはこのプロジェクトをより推進するために、11月29日を「ノウフクの日」に設定しました。なんで11月29日だと思う?
(村上)
んー…。「いい・にく」だから?(笑)
(杉浦)
「いい・にく」の日でもあるけどね(笑) 確かに。11月は英語でNovember「ノウ」。29は数字の語呂合わせで「フク」で、11月29日は「ノウフクの日」と。
(村上)
わー! すごいですね。ところで、そもそも、なぜ農福連携という取組が始まったんですか?
(杉浦)
そうね、まずはそこから知りたいよね。では、ここからは今日の講師に伺っていきましょう。農林水産省農福連携推進室の佐久間 千恵さんです。
(村上)
佐久間さん、なぜ「農業」と「福祉」、この二つが連携することになったんですか?
(佐久間)
それは「農業」と「福祉」が、それぞれ課題を抱えていて、連携することで、双方の課題解決につながるからなんです。農業では高齢化が進んでいて、慢性的な労働力不足に悩んでいます。また、後継者不足から、耕作されず荒れている農地がたくさんある状況です。一方、福祉の現場では、障害のあるかたの総数は、約1,160万人と推計されていますが、一人ひとりが異なる障害特性や意向を持っており、「働きたいと思うかたが本人の希望や強みに応じて働くことができる場」を広げることが重要となっています。
(村上)
それぞれの個性と希望に応じた働く場が必要なんですね。
(佐久間)
はい。そこで、働き手が不足している農業と、働く場を求めている障害のあるかたなどのマッチングを積極的に行っているんです。
(村上)
農福連携は、どちらにとってもメリットがある取組っていうことですね。
(佐久間)
はい。メリットは今挙げた以外にもございまして、例えば、障害のあるかたなどが農業の現場で働くことを通じて「生きがい」「やりがい」などを持てるようになったり、心身のリハビリにもつながったりすることが期待できます。
(村上)
私たちも、太陽の下で自然と触れ合って、土とか植物と触れ合うと、やっぱりエネルギーもらえますもんね!
(杉浦)
もらえるよー! 僕も野菜を栽培してますけども、何かを育て上げるっていう喜び、栽培する喜びってあるのよ。それを誰かに食べてもらう喜びもあるし。あとは、やっぱり太陽に当たる喜び。メンタル的にも開放されるんだよね。リラックスできるから。
(佐久間)
また、障害のあるかたを雇用して農業を経営されている事業者さんの中には、売上げが拡大しているところもあるんです! 例えば、静岡県浜松市にある京丸園株式会社さんは、早くから農福連携に取り組んでいらして、今では従業員106名中、およそ4分の1に当たる27名が障害のあるかたです。こちらの農園では、その人数が増えるごとに売上げも増加し、なんと、28年間で10倍にもなったんです!
(村上)
すごいですね! なぜ障害のあるかたを雇用したことで、売上げが増加したんですか?
(佐久間)
それは、障害があっても働きやすいように作業を工夫したり、無駄を排除して、効率化するようにしたからです。例えば、芽が出て間もない細いネギ「芽ねぎ」を植え付けする作業を行うのは職人技が必要な難しいものです。しかし京丸園さんでは、下敷きのような器具を作り、その器具を差し込むだけで、芽ねぎがスクッと立ち上がり、誰でも正確に植え付けができるようにしたんです。
(村上)
すごいですね。うまくできるように器具を開発したってことですよね。
(佐久間)
はい。その仕事ができる人を探すのではなく、その仕事を誰もができるように工夫することで、人手不足を解消したんです。京丸園さんがおっしゃるには、障害のあるかたが働ける場を作ったら高齢者が集まるようになり、障害のあるかたや高齢者が生き生きと働いていたら、「農作業はしんどい」という先入観が薄れ、若い人も「ここなら働いてみたい」と集まってきたそうです。
(杉浦)
障害のあるかたが働きやすいようにするための取組が、いろんな人を呼び寄せたんですね。
(佐久間)
はい。その結果、事業規模も拡大し、売上げも増加したというわけです。
(村上)
農業と福祉の連携って相乗効果を期待できるものなんですね。
(杉浦)
ここからは、実際に農福連携により農業に携わるようになり、今では独立して、高知県安芸市でナス農園をされている、久市 覚さんにもリモートでお話を伺います!
(村上)
まずはですね、久市さんの経歴を簡単にご紹介したいと思います。幼い頃は祖父母に育てられ、小学校を卒業してから両親と暮らし始めました。しかし、これがうまくいかず、中学高校時代は児童福祉施設で過ごすことになります。高校を卒業して工場に就職しますが、複数の作業を同時にこなすのが苦手で、忘れものも多く、すぐに気が散ってしまうこともあり、仕事上でも苦労が絶えませんでした。両親との関係も改善できず、ついにはうつ病と診断され、退職を余儀なくされました。周囲に助けてくれる人もおらず、その後はひきこもりや生活困窮に陥ります。そして、藁をもつかむ思いで祖父母の家があった高知県を訪ねた時、安芸市農福連携研究会と出会い、農業を始めることになったそうです。
(杉浦)
この研究会は、高知県安芸市が事務局となって、農業、福祉、医療、教育など、様々な関係機関や団体が、官民を超えて連携して、生きづらさを抱えた様々な人への農業就労支援に取り組んでおられます。久市さんは、研究会の勧めで医師に診断していただき、発達障害であることが分かったそうですね。診断を受けたことで、気持ちが少し落ち着いたのではないでしょうか?
(久市)
そうですね。仕事や日常生活での失敗が、自身での甘え、努力不足なのか、特性によるものなのかを区別できたことが、前向きに生きるきっかけになりました。
(村上)
研究会から農業を勧められて、初めはどう思われましたか?
(久市)
正直、自分の体調のこととかもありまして、すごく不安がありました。
(杉浦)
農業自体、やるのは初めてだったんですか?
(久市)
はい、初めてでした。あと、体調もすごく悪くて、断ったりもしたんですけど、研究会の皆さんが熱心に誘っていただいて、ここまで熱心に誘っていただけるんだったら、頑張ってみようと決心がつきました。
(村上)
どういったことから始められたんですか?
(久市)
最初は、袋詰めといった簡単な作業から経験させていただきました。
(杉浦)
農業の楽しみって、どういうところで感じました?
(久市)
そうですね。朝日と共に目覚めて、作業をして。周囲の人も温かいですし、植物が育っていくこととかに喜びを感じられますし、そういうところが楽しかったですね。
(杉浦)
研究会でも、いろんなサポートをしてくれたのではないですか?
(久市)
そうですね。温かく声掛けをしてもらいました。やはり、僕自身の特性のこともありまして、作業の失敗を繰り返したりすることもあったんですけど、根気よく付き合ってくれて、本当に環境に恵まれたと思っています。
(杉浦)
とっても素敵な出会いだったんですね。佐久間さん、安芸市農福連携研究会の方々は、農福連携に熱心なんですね。
(佐久間)
そうですね。「久市さんのように、前向きなかたがどうして、こんなに今までしんどい思いをしてきたんだろうか。きっと彼が必要とする大人に出会えていなかったのかもしれない」と、研究会のかたがおっしゃっていました。障害のあるかただけでなく、いろいろな理由で生きづらい思いをされているかたは、大勢いらっしゃいます。研究会の方々はその一人ひとりが何に困っているのかなどをしっかりと見極めて、その人にとって必要なサポートをしてくださっているのだと思います。農林水産省では、今、この安芸市農福連携研究会のような地域単位で、農福連携を進めるような体制づくりを後押ししています。
(村上)
広がってほしいですよね。久市さん! 農業を始められて8年ほどと聞いていますが、8年たった今、心や体に変化はありましたか?
(久市)
そうですね。1週間、2週間、そして1年経った頃に、自分が思っている以上に体調が良くなりまして。そこから先は、体調がよくなったことで、当時から比べると「できること」、選択肢が増えて、気持ち的にも「将来何をしようか」「これから自分がどういう風に生きていこうか」っていうことを考えられるようになったっていうのがすごく大きいですね。
(村上)
すばらしいことですね。未来が見えてきたっていうことですよね。
(杉浦)
久市さんは、今では、ご自身の農園を持たれてるんですよね。ナスを栽培されてるんですか?
(久市)
はい。ナスを栽培しています。
(杉浦)
今、スタジオにもナスがありますよ! 届いてます!
(村上)
先ほど「将来も見えてきた」とおっしゃってましたけど、今後の計画を是非、教えてください。
(久市)
今後の自分の目標としましては、自分がいろんな人に助けていただいたように、いろんな人の特性を理解して、理解のある職場としての雇用を目指していきたいです。
(杉浦)
ご自身が助けられた環境にあるからこそ、次は久市さんが動いて、いろんなかたに知っていただきたいっていう、こういう農福連携の動きの輪が広がっていくっていうのはすばらしいことですね。久市さん、応援してます! 頑張ってください。久市さん、貴重なお話をありがとうございました! 佐久間さん、農福連携ってすばらしいですね。
(佐久間)
ありがとうございます。今回、ご紹介させていただいたのは、ほんの一例でして、農福連携により「農家さん、障害のあるかた、そして地域、お互いが支え合って良い成果が出ている」、そういった事例が全国にはまだまだたくさんあります。
(杉浦)
今度の土曜日、11月29日がノウフクの日ということもありまして、実は、11月1日から12月31日までの期間、全国各地で農福連携に関するイベントを集中的に実施しているそうですね。
(佐久間)
はい。(2025年)12月1日には、都内で「ノウフクの日記念イベント2025」を開催いたします。農福連携に取り組む若手農業者の講演やトークセッションのほか、実際に農福連携で作られた産品の試食などもございます。このイベント内容も含めた全国のイベント情報を、農林水産省のホームページで発信していますので、是非、この機会にお近くのイベントに足を運んでいただき、「農福連携」について皆さんに知っていただき、理解を深めていただければと思います。
(村上)
今日の話を聞いて特に注目したのは「11月29日は「ノウフクの日」」です。
(杉浦)
僕は、「農業と福祉の連携で相乗効果!!」です。
「 関連リンク 」
・農林水産省「農福連携の推進」
・農林水産省「11月29日はノウフクの日!」