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くろまぐろ 釣りに行くなら 届出を

くろまぐろ 釣りに行くなら 届出を

今年(2026年)の4月から、趣味でくろまぐろ釣りをする場合、釣り人や釣り船業者などに新しいルールが導入されます。
くろまぐろの資源を守るための、大切なルールを知って、将来にわたって釣りを楽しみましょう!

今回は、「くろまぐろ 釣りに行くなら 届出を」というテーマで学びました。
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(村上)
くろまぐろと言えば、太陽さん! 太陽号で初めて海に行く時、くろまぐろを狙ってましたよね?

(杉浦)
そうね。太陽号っていう、僕の船があったんですけど、釣れなかったねー! ちょっとハードルが高かったね。日本海側に行ったら、結構釣れるみたいなんだけど、太平洋側は、難易度が高い。

(村上)
そうかー。場所によって全然違うんですか?

(杉浦)
そうね。やっぱり、大間のまぐろとか、日本海とか聞くじゃん? 太平洋でも釣れてたんだけど、なかなか難しかったですね。

(村上)
そうなんだー。

(杉浦)
くろまぐろは「まぐろの王様」と言われるくらい、他のまぐろ類よりも大きくて、成長すると全長3m以上、体重400kg以上とかね、めちゃくちゃ大きくなるから。釣る時には、やっぱり技術とか、それなりの装備も必要なのよ。クレーンとか、いろいろあるんだけど。また「海のダイヤ」とも言われるくらい、広い海で出会うのは、そう簡単ではないし、味も抜群じゃん? 釣り上げたら高級魚。市場では高値で取引されることもありまして、くろまぐろ釣りは、漁師さんにとっても、趣味の釣り人にとっても、ロマンなわけです。

(村上)
ロマンね。私は食べる専門ですけど(笑) まぐろはみんな好きですよね。ロケで市場に行った時に「本まぐろ」を食べたんですけど、すごくおいしかった!! 今、私は「本まぐろ」と言ったんですけど、「くろまぐろ」って、スーパーとかお寿司屋さんでは「本まぐろ」って言われてますよね。たぶん、食べる側としては、「本まぐろ」の方がなじみがあるかもしれないですね。

(杉浦)
そっか。釣り人は「くろまぐろ」だけどね。「本まぐろ」と=(イコール)だから。

(村上)
そうですよね。いやー、あの市場で食べたの、おいしかったな…。

(杉浦)
大トロ、中トロ、赤身、ほほ肉、脳天、いろいろあるからね。

(村上)
(くろまぐろの身の)赤みが違った! 食べたくなってきた!!

(杉浦)
食べたくなってきたねー! 日本人にとってくろまぐろは、「食卓を豊かにしてくれる宝物」。この思いは、日本だけでなく、くろまぐろを利用している他の国でも同じなんです。そのため、くろまぐろは、国際的なルールに基づいて守られています。日本や韓国、台湾、アメリカ、メキシコなど、関係する国や地域が協力しながら、持続的にくろまぐろを釣ったり食べたりできるように、資源をきちんと管理してるんだよね。

(村上)
そうなんだ。食べる専門だと、そういう事を知らないですから。どんなルールがあるんですか?

(杉浦)
さあ、ここからは今日の講師に教えてもらいましょう。水産庁管理調整課で、釣人専門官をしていらっしゃる鈴木 泰礼さんです。

(村上)
釣人専門官?! 水産庁にそのようなお仕事があるんですね。どんなことをされてるんですか?

(鈴木)
釣人専門官は、釣り人や関係業界に向けて情報発信や連絡調整を行うポストです。釣りに関する取組の発信やルール・マナーの普及・啓発などを行なっております。

(村上)
そうなんですね。今日のテーマにピッタリな講師、ということですね。では、そんな鈴木さんに、まず伺いたいのは、くろまぐろに関する国際的なルールです。どのようなルールが設けられているんですか?

(鈴木)
はい。実は、くろまぐろの資源量は、国際機関による評価では、2010年には、歴史的低水準となる1.2万tにまで減少するなど、資源が危機的な状態だったんです。このため、各国が協調して、これ以上の資源の減少を防ぐために、2015年以降、漁獲量の上限が設けられました。それに伴いまして、日本では、くろまぐろ漁をするためには許可などが必要となり、獲っていい量・獲っていい大きさ・国への報告の仕方をしっかり決めて、全国の漁業者が協力して、資源を持続的に利用できるよう管理しています。こういった取組の結果、資源量は2022年には14.4万tまで回復してきているんです。

(村上)
なるほど! ルールを守ったから、回復してきたんですね。

(鈴木)
はい。そして、さらに趣味で釣りをする釣り人においても、適切な管理が必要なことから、2021年には、くろまぐろ釣りに関するルールも設けられました。

(村上)
趣味でくろまぐろ釣りをする人にも、守らなければいけないルールがあるんですね。太陽さん、知ってました?

(杉浦)
もちろん! 結構、厳格なルールがあって、罰則もあるからね。大きさで言うと、30kg未満のくろまぐろは釣っちゃいけないんですよね、鈴木さん。

(鈴木)
はい。先ほど、杉浦さんもおっしゃっていましたが、くろまぐろは成長すると、全長3m以上、体重400kg以上になります。ですから、30kg未満というのは全長1mにも満たず、0歳から2歳の小さなこどもなんです。こうした小さいくろまぐろを釣ってしまうと、将来資源が少なくなってしまう大きな要因になります。そのため、くろまぐろ釣りのルールでは、「30kg未満のくろまぐろ釣りを禁止」しているんです。もし、意図せず釣ってしまった場合は、直ちに放流する必要があります。

(村上)
やっぱり、子は宝というのは人間もくろまぐろも同じなんですね。大切に育てていかないと、っていうことですよね。他にはどんなルールがあるんですか?

(鈴木)
30kg以上の大型のくろまぐろを釣った場合、持ち帰ることができるのは「1人1か月に1尾まで」です。それ以上釣った場合は、すぐに海に戻さなければなりません。また、30kg以上のくろまぐろを釣った場合は「陸揚げした日から1日以内に水産庁へ大きさなどの情報を報告」していただく必要があります。

(杉浦)
釣ったかたの「氏名、住所、電話番号、メールアドレス、運転免許証など本人確認書類」、さらに「釣ったくろまぐろの重量、計量方法、頭の先から尾びれの真ん中の切れ込みまでの長さと写真」、さらに「陸上げした日と場所、釣った海域、船の名前、登録都道府県番号」とかね。いろいろあるんですよ。

(村上)
たくさん報告しなきゃいけないんですね。

(鈴木)
とてもお詳しいですね。そのとおりです。また、日本全体で釣ることができる量を管理していますので、全体で釣った量が積み上がってきますと、一定の期間、くろまぐろを釣ることを禁止することもあります。禁止期間中はキャッチ&リリースを前提としたくろまぐろ釣りも禁止です。

(村上)
くろまぐろ釣りにこんなに細かなルールがあるなんて、正直、知らなかったです。でも、釣り人がこうしたルールをきちんと守ることで、くろまぐろの資源が保たれ、将来にわたりくろまぐろ釣りが楽しめたりとか、食卓を豊かにできたりするわけですから、大切なルールですよね。

(杉浦)
このルールはもう、みんなピリピリしながら守ってます。間違いない。そして、このルールに加えて、今年(2026年)の4月1日には、また新たなルールが導入されます。それが今日のテーマ「くろまぐろ 釣りに行くなら 届出を」なんです。

(村上)
鈴木さん、今年(2026年)の4月1日から、くろまぐろ釣りが届出制になるんですね?

(鈴木)
はい。現在、漁業者は許可などが必要となっていますが、趣味で、くろまぐろ釣りを楽しむかたについては、これまでそのような仕組みがありませんでした。しかし、くろまぐろは国際ルールで厳しい資源管理が求められています。そのため、くろまぐろを釣る可能性のあるかたの全体像を把握する必要があり、釣り人などにおいては、「届出制」を設けることになりました。

(杉浦)
届けが必要となる対象者は「くろまぐろを狙う釣り人」だけじゃないんですよね。

(鈴木)
はい。「釣り人を漁場に案内する釣り船業者」さらに、「自ら漁場に赴き釣りをされるかた」や釣り人を連れて行く「プレジャーボートなどの船舶を運航するかた」も、くろまぐろを狙うのであれば対象となります。

(杉浦)
これは、どういったことを届け出るんですか?

(鈴木)
まずは釣り人について。30kg以上のくろまぐろを狙う釣り人は、必ず「氏名、住所、電話番号、メールアドレス」を届け出てください。加えて、できる限り「利用する予定の船舶に関する情報、入出港する予定の場所、予定している釣り方」これらを最初に釣りに行こうとする日の「1営業日前までに届出」を行ってください。

(村上)
届けないで、くろまぐろを釣ってしまった場合はどうなりますか?

(鈴木)
届出をしていないかたは、くろまぐろを釣ることはできません。意図せず、釣ってしまった場合は、すぐに海へ放してください。届け出ないまま、くろまぐろを釣ったことが確認されると、農林水産大臣から「広域漁業調整委員会の指示に従いなさい」という命令が出されます。その命令に従わない場合は、法律により1年以下の拘禁刑、又は、50万円以下の罰金が科せられることがあります。

(村上)
罰則がしっかり決められているんですね。では、「釣り船業者」や「プレジャーボートなどの船舶を運航するかた」は、どのような届けが必要なんですか?

(鈴木)
いずれの場合も「くろまぐろ釣りを目的としているならば、今年(2026年)の3月20日までに届出」をしてください。この期間内に届け出ないと、今年(2026年)の4月1日から来年(2027年)3月31日まで、くろまぐろ釣りを目的とした案内はできません。また、くろまぐろを狙って自ら漁場に行くこともできません。

(村上)
つまり、今年(2026年)の3月20日までに届けないと、「来年度は営業できない」ということですね。

(杉浦)
これは、届け出ましょう。届出する内容はなんでしょうか?

(鈴木)
(法人でない場合は)「氏名」、法人の場合は「名称と代表者の氏名」、加えて「住所、電話番号、メールアドレス、船の名前、入出港しようとする場所」。さらに、釣り船の場合は「釣り船の登録番号」、プレジャーボートなどの船舶の場合は「船舶番号」又は「船舶検査済票の番号」です。

(村上)
こちらも罰則がありますか?

(鈴木)
はい。届出せずに、くろまぐろ釣りをさせるために釣り人を漁場に連れて行った場合や、くろまぐろ釣りを目的に、自分で漁場に行った場合も、釣り人への罰則と同様の罰則が適用されます。

(杉浦)
くろまぐろを釣り上げなくても、「案内したり、自ら漁場に赴くだけでも違反になる」ということですね。このルールは、多くの釣り愛好家や釣り船業者さんに関わることだと思いますので、釣り仲間に、是非、これは教えてあげないといけないですね。僕は、もう伝えました!

(鈴木)
ちなみに、釣り船業者は、釣り人に対して、届出やくろまぐろ釣りに関するルールを、きちんと知らせる義務があります。

(村上)
そうなんですね。では、届出は、どこにすればいいですか?

(鈴木)
水産庁のホームページ「クロマグロ遊漁の部屋」に掲載されているシステムから行えます。また、メールやLINEでも届出が可能です。

(杉浦)
「遊漁」って、釣りをしないかたには耳慣れない言葉だと思うんですけど、「遊ぶ」の「遊」と「漁業」の「漁」と書いて「ゆうぎょ」。これは、レジャーや趣味で釣りをすることです。

(村上)
ちなみにこの届出は、一度提出すれば、ずっと有効なんですか?

(鈴木)
令和8年度中に行う、くろまぐろ釣りについては、一度の手続きで、来年(2027年)の3月31日まで有効です。翌年度分は、また新たに届出していただくことになると思いますが、詳細は、決まり次第、水産庁ホームページなどでお知らせいたします。

(杉浦)
鈴木さん、今、ご説明いただいたこと以外に、特に注意が必要なことなどありますか?

(鈴木)
そうですね。自ら船舶を運航して自らも釣るかたは、「釣り人」としての届出と「船舶運航者」としての届出の二つが必要になります。また、ボートを持っている人、お子さんを連れて、一緒にくろまぐろを狙う場合は、お子さんも釣り人ですから、それぞれ「釣り人」としての届出が必要です。

(杉浦)
船舶を運航している人が、届出をしていればいいわけではなくて、くろまぐろを狙う人は、それぞれ届ける必要があるということですね。親子で行っても、こどもも釣り人ということね。くろまぐろを狙うこどもって、そんなにいないと思いますが(笑) お子さんもくろまぐろを狙う時は、届出をしてください。

(鈴木)
今年(2026年)4月1日から「くろまぐろ」を釣るなら届出が必要です。皆さんの協力で、くろまぐろ資源が守られます。将来にわたって「くろまぐろ」を釣ったり食べたりして、みんなで楽しめるよう、ご協力のほど、お願いいたします!

(村上)
今日の話を聞いて特に注目したのは、「くろまぐろ釣りにはルールがあります!!」です。やっぱり、消費する側は、釣りにルールがあるって知らないので、まずは、ルールがあることを知ってもらいたいと思います。

(杉浦)
僕は、「今年(2026年)4月から新ルール!! くろまぐろ釣りに届出制導入です。」釣り人にも届出制が必要なんだということを、知ってもらいたいなと思いました。


「 関連リンク 」
水産庁「クロマグロ遊漁の部屋」
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