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「聞こえにくさ」感じていませんか? 耳を大切に

「聞こえにくさ」感じていませんか? 耳を大切に

難聴は加齢だけと思っていませんか?
今や、若い世代にも増えている難聴。
日々の生活のちょっとした行動や環境が、聞こえにくさを招いているかもしれません。

今回は、「「聞こえにくさ」感じていませんか? 耳を大切に」というテーマで学びました。
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(杉浦)
まずは、「耳の健康チェック」です。次の項目に当てはまりますか? リスナーの皆さんも、一緒によく聞いてチェックしてみてください。「1、会話中、聞き間違えたり聞き返したりすることがある」「2、家族からテレビやラジオの音量が大きいと指摘される」「3、集会や会議など、数人での会話がうまく聞き取れない」「4、電子レンジの音やドアチャイムが聞こえにくい」「5、話し声が大きいと言われる」。

(村上)
なんか、ありそうですよね。おじいちゃんとかおばあちゃんとかで、ちょっとテレビの音が大きくない? と思ったことはあるなーと思う。

(杉浦)
確かに、自分のおじいちゃん世代はあったかもね。声大きくなったかな? とかね。今は聞かれたから「確かに」って思うけど、だから、自覚症状も分かりづらいのかもしれないですね。

(村上)
確かに! これ、周りの人が気付いてあげないといけないですよね。

(杉浦)
そうだね。これらの項目に当てはまるなら、聴く力が低下しているかもしれないので、一度、「耳鼻科を受診した方がいい」ということですね。実は、WHO・世界保健機関は、2050年までに世界でおよそ25億人が、何らかの「聞こえにくさ」を抱えると予測していまして、特に、12歳から35歳の若者のうち、ほぼ2人に1人に当たるおよそ10億人が「将来、難聴になるリスクがある」と注意を呼びかけているんだって。

(村上)
若いかたたちなんですね。

(杉浦)
佳菜子ちゃん、入ってるよ。

(村上)
入ってるわ! でも、なんか理由は想像つくかな、と思いますね。ヘッドホンやイヤホンで大きな音を聴き続けることによって難聴になるリスクは高まりますよね。

(杉浦)
みんな聞くからね。怖いのはさ、「一度失われた聴力は回復が難しい」ってことなんだよね。

(村上)
そうなの!? 結構アスリートは、みんなイヤホンで音楽を聴いて集中力を高めたりとかするのに。

(杉浦)
フィギュアスケーターも?

(村上)
もちろん! イヤホンで音楽を聴きながら、イメージトレーニングして動いたりもするので。なんか、どうしたらいいのか気になっちゃいますけど。

(杉浦)
そうだよね。それに、一般的に難聴は徐々に進行することも多いんだって。だから、本人が気付きにくかったり、気付いても「歳のせいだからしかたない」って、そのまま放置するかたも少なくないということです。

(村上)
そうか。軽く考えてしまいがちですよね。

(杉浦)
とはいえ、例えば、後ろから近づいてきた車に気付かずに事故に遭うなど、危険を察知する能力が低下する可能性があるから、決して、軽く考えてほしくないんだよね。しかも近頃は、様々な研究が進んで、世界中で「聞こえ」の重要性が注目されているそうです。

(村上)
「聞こえ」の重要性?

(杉浦)
ここからは、今日の講師に伺っていきましょう! 厚生労働省の障害保健福祉部企画課の大山 雄太郎さんです。

(村上)
大山さん、「聞こえ」の重要性って、どういうことですか?

(大山)
そうですね。難聴になると、「危険を察知する能力が低下」する可能性があり、また、結果的に「社会的な孤立」に陥ってしまうおそれもあると考えられています。

(杉浦)
「社会的な孤立」っていうのは、「家族や社会との交流がなくなってしまう」ってことですよね…。

(大山)
はい。聞こえにくいと、話し声がはっきり聞き取れず何度も聞き返してしまい、「相手に不快な思いをさせているのでは?」と不安になりますよね。実際に聞き間違えて、思わぬトラブルにつながることもあります。こうしたことが続くと、家族や友人とのコミュニケーションさえ、うまくいかなくなる可能性があります。そして、「会話がうまくできない」という経験が重なることで、だんだん自信をなくし、人と距離を置くようになり、孤立してしまうこともあるんです。

(杉浦)
そうした社会的な孤立から「うつ病」に陥ってしまうことも考えられますよね。

(大山)
はい。また近年では、難聴が「認知機能に影響をもたらす」可能性があるとの指摘もあります。

(村上)
影響がそこまで広がる可能性があるんですね。確かに「聞こえにくさ」を軽く考えてはいられませんね。そもそも、難聴の原因ってどういうことが考えられるんですか?

(大山)
難聴になる原因はいろいろありますが、主なものに「加齢性難聴」と「騒音性難聴」があります。加齢性難聴とは、年齢を重ねることで徐々に進行するもので、一般的に40歳代から聴力が低下する傾向があると言われています。そして、65歳を超えると聞こえにくさを感じる人が増え、75歳以上でおよそ半数のかたが聞こえにくさを感じているとも言われています。

(村上)
一方の「騒音性難聴」は、どういうものなんでしょうか?

(大山)
「騒音性難聴」は、大きな音に長い時間さらされることで起こる聞こえにくさのことです。耳の中で音を伝える役割をしている「有毛細胞」が少しずつ傷ついて、まず、高い音から聞こえにくくなっていきます。じわじわ症状が進行するので、自分では気付きにくいのが特徴です。

(杉浦)
工場や建設現場など、音の大きい場所で働く人に多い難聴ですよね。

(大山)
そうですね。そして同じように、ヘッドホンやイヤホンで大音量の音楽を長時間聴き続けて起こるものは「ヘッドホン難聴・イヤホン難聴」と呼ばれています。

(村上)
なってしまった場合は、どうしたらいいんでしょうか? 先ほど、聴力は戻らないと聞きましたけど。

(大山)
はい。「加齢性」でも「騒音性」でも「ヘッドホン難聴」でも、「一旦聴力が失われると回復は難しい」と言われています。大切なのは、何よりも予防です。

(杉浦)
そこで、ここからは「予防対策」など学んでいきましょう。

(村上)
大山さん、早速、聴力が下がらないように、予防対策を教えてください。

(大山)
はい。どのタイプの難聴であっても、大切なのは耳に優しい生活を心掛けることです。「大音量でテレビを見たり、音楽を聴いたりしない」「騒音など、大きな音が常に出ている場所を避ける」。

(村上)
なるほど。そうは言っても、職場が騒音にさらされる場所だと避けようがないですよね。

(大山)
その場合は、遮音性の高い聴覚保護具、いわゆる耳栓やイヤーマフを使用して、なるべく音を小さくするよう心掛けてください。また、休憩を効果的に取り入れて、長時間の連続的な騒音は避けるようにしてください。

(杉浦)
「ヘッドホン難聴」の予防法も基本的には同じですよね。

(大山)
そうですね。音楽を聴く時は、可能な限り音量を小さくして、少なくとも1時間に1回、10分程度は耳を休めましょう。ヘッドホンやイヤホンは、地下鉄の車内など騒音の中でも音量を上げずに済むように、周囲の騒音をカットできる「ノイズキャンセリング機能」を活用するのがお勧めです。

(杉浦)
最近のスマホやアプリには、音量と視聴時間をモニターできる機能が付いたものがありますので、それらを上手に利用するのもいいですよね。

(大山)
はい。WHOでは、難聴にならないための目安、具体的には音量などの許容範囲を示していて、成人の場合80dB(デシベル)で、1週間当たり40時間、こどもの場合75dBで、1週間当たり40時間としています。ちなみに、75dBから80dBというのは、地下鉄の車内や飛行機の機内と同じくらいの音の大きさです。

(村上)
思っていたより、日常でよく耳にする音の大きさなんですね。「気を付けないと」って思いました。でも、逆に40時間以内なら、大きな音で音楽を聴いても大丈夫っていうことですか?

(大山)
いえ、そういうことではありません。音が80dBを超えると、聴いていられる時間は一気に短くなります。つまり、音が大きくなればなるほど、許される時間は短くなるということなんです。いずれにしても、ヘッドホンやイヤホンで音楽などを日常的に聴くかたは、耳の健康を定期的にチェックして、難聴の兆候を見逃さないようにすると安心です。

(杉浦)
特に、普段の生活で「よく聞き取れなかった」と感じたり、家族から「テレビの音が大きい」と指摘されるようなことがあれば、耳鼻科を受診した方がいいですよね。

(大山)
そのとおりです。早めに受診して適切に対応すれば、進行を遅らせることができます。特に補聴器の使用を検討されるかたは、販売店に行くよりも前に、まず、耳鼻科医の診察を受けてください。専門医が診察すれば、聞こえにくい理由が分かり、場合によっては、他の原因が見つかるかもしれません。ですから、補聴器の使用を検討されるかたは、耳鼻科での診察の後、補聴器販売店へ行って相談してください。また「認定補聴器技能者」など専門知識や技術を持ったかたに補聴器を調整してもらい、自分の聞こえの状況に合う補聴器を購入することをお勧めします。

(杉浦)
適切な調整を行わず、自己判断で補聴器を使うと、十分な効果が感じられない可能性があるんですよね。

(大山)
はい。そういったことから、せっかく購入しても使わなくなってしまうケースもあります。また、聞こえにくさから店員さんとのやりとりが難しい場合も考えられますので、補聴器の販売店へ行く時は、ご家族などと一緒に行かれると安心です。

(杉浦)
ちなみに、店舗や通信販売で補聴器を購入した場合、原則としてクーリング・オフの対象にはならないんだって。だからこそ、家族と一緒に内容をよく確認して、納得したうえで購入することが大切なんですよね。

(村上)
そっか、クーリング・オフができない場合もあるんですね。知らなかったです。ちなみに、補聴器って結構お高いものなんですか?

(杉浦)
価格には幅がありまして、3万円台から、高いものだと70万円台のものもあるんだって。これ、クーリング・オフできないときついよね。自治体によっては助成制度もあるので、購入前に確認していただきたいですね。

(大山)
補聴器については、「歳を取ったと思われたくない」などの理由から、使うのをためらうかたもいるようですが、聞こえにくい状態が続くと日常生活で困る場合や、思わぬリスクが増えることもあるので、無理せず、必要に応じて上手に取り入れていっていただければと思います。

(杉浦)
佳菜子ちゃん、今、手元に「耳マーク」があるんだけど、見たことある?

(村上)
初めて見ました。白地に緑色のマークです。耳の中に矢印が向いて、音が入っていくようなイメージですね。

(杉浦)
これは、聞こえが不自由なことを表すと同時に、聞こえない人、聞こえにくい人への配慮を表すマークなんだって。

(村上)
マタニティマークは知ってましたけど、耳マークは、今日初めて知りました。

(大山)
聞こえない、聞こえにくいことは、外見からは分かりにくいので、誤解をされたり、不利益を被ったり、危険にさらされたりするなど、社会生活での不安が数多くあります。この耳マークは、そうした不安をもったかたたちのコミュニケーションをサポートするために作られています。

(杉浦)
まだまだ知らないかたも多いと思いますので、これからこのマークを見かけたら、少しゆっくり話をしたりとか、必要に応じて筆談をしたりするなど、ちょっとした配慮を心掛けてもらえるとうれしいですね。

(大山)
難聴は、本人が気付かないうちに少しずつ進行し、一旦失われた聴力の回復は難しいと言われています。だからこそ、早めに気付き、早めに向き合うことが大切です。人生100年時代、会話を楽しみ、人とのつながりを大切にしながら、自分らしく暮らしていくためにも、耳の健康を意識してみてください。「ちょっと聞こえにくいな」と感じたら、それは行動のサインです。どうか、気軽に耳鼻科を受診してください。

(村上)
今日の話を聞いて特に注目したのは、「ヘッドホン難聴 イヤホン難聴 少なくとも1時間に1回、10分程度は耳を休めよう!」です。

(杉浦)
休めましょう! 僕は、「聞こえにくいなと感じたら耳鼻科を受診」です。


「 関連リンク 」
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