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知るほど気になる! 学校給食の仕組みとお金の話

知るほど気になる! 学校給食の仕組みとお金の話

安全で栄養バランスに優れた日本の学校給食は、「生きた教材」と言われるほど、食を通じた学びが豊富です。
では、あなたは学校給食についてどのくらい知っていますか?
学校給食から得られることや費用について、今回は「知るほど気になる! 学校給食の仕組みとお金の話」というテーマで学びました。
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(杉浦)
玲奈ちゃん、小学生の頃、好きだった給食のメニューある?

(松井)
牛乳と麦飯。白米じゃなくて、時々、麦飯っていう日があって。こどもの時、白米がすごく得意なわけではなかったので、麦飯の、あのプチプチとした食感が楽しくて、麦飯の日はいっぱい食べられたという思い出がありますね。太陽さんはどうですか?

(杉浦)
学校の近くにパン工場があって、週4回パンだったね。だから、週に1回しかない白米の日が貴重で、めっちゃうれしかった。麦飯は、そんなに出なかったなー。
では、ここで問題です! 日本の学校給食が生まれたのは、1889年、明治22年です。山形県の鶴岡町、現在の鶴岡市にある、お寺の中に建てられた私立小学校だったと言われております。生活が苦しい家庭のこどもたちに、無償で昼食を出したのが始まりだとか。では、その初期の献立は「おにぎり」と「菜の漬物」、それともう一つは、何だったでしょうか? 1「塩鮭」、2「脱脂粉乳」、牛乳から脂肪分を抜いたものね、3「お味噌汁」。三択です。

(松井)
難しいですね。当たり前のように給食に牛乳が出ていたので、この時代にも脱脂粉乳が出ていてもいいのでは? と思いつつ、ただ、明治22年に脱脂粉乳というものが、あるのか否かみたいなところを思うと、お味噌汁なんじゃないかな? って。バランスいいですね。

(杉浦)
おにぎりと、漬物と、お味噌汁、素晴らしい組合せ。答えは、1でした(笑) 「塩鮭」です! これはね、山形県鶴岡市って、庄内米で知られる米どころじゃん? しかも、日本海から鮭が上ってくるから、川も近いので、鮭が豊富にとれたっていうね。では、この給食の費用はどこから出てたでしょうか?

(松井)
え、各家庭なんじゃないんですか?

(杉浦)
これがですね、実は、お坊さんが家を一軒一軒回ってお経を唱えて。お経を唱えていただいたお米やお金で給食を出したという。

(松井)
え、そうなんですか! お坊さんの善意と地域のかたの善意で、給食は始まったんですね。知らなかったです!

(杉浦)
なんて優しい始まり方。ほんとにありがたいよね。その後は、都市部を中心に少しずつ広がって、一時は、戦争の影響で中断されたものの、戦争が終わって1年後には復活したんだって。

(松井)
戦後は栄養状態も悪かったでしょうし、お腹を空かせたこどもたちが多かったと思うので、給食の復活は、みんなうれしかったでしょうね。

(杉浦)
うれしかったと思うよー。さらに、1954年には「学校給食法」ができて、給食を実施する学校がぐんぐん増えまして、2005年には「食育基本法」もできたのね。だから、学校給食は、こどもたちが元気に成長できるようにするだけじゃなくて、学校の大事な教育活動の一つとして、広く普及したんだって。今では、全国の公立小学校の99.5%で、安全で栄養バランスの取れた給食が提供されてるんだって。

(松井)
そうなんですね。学校給食って、食べることがメインだと思ってたんですけど、教育活動の一環になってるんですね。

(杉浦)
そうなんです! 実は、そこが重要なポイントなんだって。ここからは、今日の講師に教えていただきましょう! 文部科学省健康教育・食育課の樫原 哲哉さんです。

(松井)
樫原さん、今日は、改めて日本の学校給食について教えてください。

(樫原)
はい。日本の学校給食は「学校給食法」によって、安全で、栄養バランスの優れた学校給食が提供されるように定められています。実はこれ、当たり前のようで、当たり前じゃないんです。制度として、学校給食が広く実施されていない国や、希望制での実施など、制度はあっても、実施方法は日本と全然違う国がたくさんあるんです。

(松井)
そうなんですね。

(樫原)
フランスは希望制で給食はありますが、お昼休みが長いので、家に帰って食べる子もいますし、アメリカやイギリスの学校は、いくつかあるメニューから食べたい料理を選ぶことができる方法が一般的です。

(松井)
学校で給食が出るのは当たり前だと思って過ごしてたんですけど、そもそも国によって様々なんですね。

(樫原)
はい。しかも、日本の学校給食は、言わば「生きた教材」としての役割も果たしていて、これこそ、世界的にも珍しいんです。

(松井)
どういった点が珍しいんですか?

(樫原)
日本の給食は一般的に教室でみんなで食べますよね? そして、給食を通して、食事のマナーや地域の食文化を知ったり、食材を作ってくれる人や運んでくれる人への感謝を学んだり。食べ物がどうやって作られて、届いて、私たちの食卓に並ぶのか、そうした流れも学びます。いわゆる「食育」ですね。

(杉浦)
学校によっては、栄養教諭という専門の先生もいらっしゃるんですよね。

(樫原)
はい。栄養教諭は「学校給食の管理や、児童生徒への食に関する指導などを行う先生」です。2025年5月1日時点で、全都道府県におよそ7,000人が配置されています。学校給食は、1日に必要とされている量のおよそ3分の1をとれるように栄養のバランスを考えた献立が作られています。そうした、日々の献立の作成や栄養管理をするのが栄養教諭の役割の一つです。

(杉浦)
他にも、社会科や家庭科、体育などの各教科の中で、担任の先生などと連携して、食に関する指導も行うんですよね。

(樫原)
はい。例えば、小学4年生の社会科や道徳の時間に「地域に伝わる行事食を調べてみよう」という授業を企画して、地域の産物や風土の違いから生まれた食文化の多様性や、日本の年中行事にまつわる行事食について理解できる授業を行ったりしています。

(松井)
楽しそうですね。私の出身地の愛知県なら「味噌煮込みうどん」だったり「味噌カツ」など、味噌文化を背景にした郷土料理がいっぱいあるので。行事食と言うと、他にも「五平餅」は、収穫祭や地域のお祭りで出ることがあるんですって。他の地域はどうなんだろう? って、私も今、気になってるんですけど、そういう風に調べてみるのが、こどもたちの学びにもつながりそうですね。

(樫原)
例えば、実際にその行事食を給食で提供して、みんなで食べてみるということも企画できるので、机の上での学びが体験になって、深い学びになるんですね。

(松井)
それって、「みんなで」「一緒に」「教室で」「給食を食べる」という、日本の学校給食ならではの魅力ですね。バラバラに食べることが多い海外の学校だと、そうした食育がまずできないですもんね。

(杉浦)
そうだね、日本ならではだね。さあ、日本の学校給食の魅力を学んだところで、ここからは、日本の学校給食のお金の仕組みについて学んでいきます。公立の小学校では、この4月(2026年)から保護者の負担が軽くなりました! 玲奈ちゃん、学校給食を実施するためには、どんな費用がかかると思う?

(松井)
そうですね、費用と言うと、食材費とか、給食を作ってくれるかたに払う人件費だったり、あと、運搬費とかですかね?

(杉浦)
それ以外にも、学校給食を作る施設を確保する費用が必要だし、設備費もかかるし。では、それらを負担しているのは、誰でしょうか?

(松井)
結構大きい額になるじゃないですか。なので、国だったり、自治体? でも、保護者のかたも給食費を払ってますよね。

(杉浦)
そう。実は、分担しているんだよね。学校給食に必要な施設や人件費などは、各学校の設置者が負担していて、食材費は保護者が負担しているんだって。各学校の「設置者」というのは、市町村立の小学校であれば、その市町村といったことだよね。

(松井)
じゃあ、保護者が払ってるのは、給食費全体ではなくって、食材費だったんですね。考えたことなかったですね。

(杉浦)
こどもの頃は考えないよね。逆に、小学生の頃、お父さんお母さんが給食費いくら払っていたか知ってる?

(松井)
全く知らないです。なんなら無料だと思ってました。学校に行ったら、当たり前に給食が出てくるものだと思ってました。

(杉浦)
お父さん、お母さんは、頑張って給食費を払ってるんだよね。ありがとうございます。ごちそうさまでした! でね、2023年度の場合、各都道府県の公立小学校、児童一人当たりの月の給食費は、平均で4,688円。給食費を納めるのは年間を通して11か月分。給食の年間実施回数は、平均192回なので、計算すると1食270円くらいらしいね。

(松井)
安いですね。でも、平均ということは、給食費って都道府県によってばらつきがあるんですか?

(杉浦)
そうそう、低いところでは3,900円台の所もあれば、高い所では5,300円台の所もあるんだよね。そうなんですよね? 樫原さん。

(樫原)
はい。これには、様々理由が考えられますが、食材の調達にかかるコストが違うことなども影響しています。また、公立の小学校の給食は、先ほどもご紹介しましたが、教育活動の一環として、それぞれの学校が工夫を凝らしています。そのため、給食費にばらつきが見られるのだと思います。

(松井)
いずれにしても、平均で4,688円なら、今年度はもっと上がりそうですね。物価が上がってますもんね。

(樫原)
そうですね。そこで、国では、子育て世帯の皆さんをもっと支援するために、今年度(2026年度)から「学校給食費の抜本的な負担軽減策」を全国で実施することにしたんです。

(松井)
抜本的な負担軽減。

(樫原)
はい。今回の取組では、子育て支援に取り組む自治体を支援する観点から、今年(2026年)の4月から、児童一人当たり月5,200円を基準額として支援することになりました。5,200円のうち半分を国が都道府県に交付し、残りの半分を都道府県が負担して市町村に配分します。ちなみに、この基準額は、2023年度の学校給食費の全国平均に、それ以降の物価上昇を加味した金額で設定しています。

(松井)
各家庭に補助するのではなく、食材を購入するためのお金を自治体側に支援するんですね。

(樫原)
はい。結果的に保護者の方々が負担する額はグッと少なくなります。

(杉浦)
ありがたいですね。例えば、平均の給食費が5,300円であれば、保護者が負担する給食費は100円。5,200円以下の所は、保護者が負担しなくていい、ということですよね。

(樫原)
そういうことになりますね。また重いアレルギーなどにより、やむを得ず給食を食べられない児童が、いつもお弁当を持参する場合、これも自治体が支援をするのであれば、今回の補助の対象に含むことができます。

(松井)
この支援策が始まったことによって、保護者の負担が軽くなるだけではなくて、こどもも、より質の高い給食を食べることができそうですよね。他にも、地元の食材を活用した給食の提供などによって、食について考える授業や活動を、これまで以上にじっくり行えるようになるかもしれませんよね。

(樫原)
学校給食は「生きた教材」です。それぞれの学校が地域の食材や文化をいかしながら、こどもたちの食育につながる工夫をしています。保護者のかたや、おじいちゃん、おばあちゃんも、「今日の給食どうだった?」と声をかけてみてください。そこから食べ物のことや地域のことなど話が広がって、きっと楽しい学びの時間になると思います。是非、ご家庭でも学校給食を話題にしてみてください。

(松井)
私が今日の話の中で注目したのは、「学校給食は『生きた教材』」です。

(杉浦)
僕は、「給食費が大幅に軽減されました!!」。僕も保護者なんで、ありがたいです!


「 関連リンク 」
文部科学省「学校給食費の抜本的な負担軽減」
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