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2026.05.03
ゆるやかにつながろう! 孤独・孤立対策
あなたの周りでいつもと様子が違う人はいませんか? あなた自身、一人で悩みを抱えていませんか?
誰にでも起こり得る「孤独」と「孤立」だからこそ、日頃から知っておいてほしいこと、できることがあります。
今回は「ゆるやかにつながろう! 孤独・孤立対策」というテーマで学びました。
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誰にでも起こり得る「孤独」と「孤立」だからこそ、日頃から知っておいてほしいこと、できることがあります。
今回は「ゆるやかにつながろう! 孤独・孤立対策」というテーマで学びました。
(杉浦)
玲奈ちゃんは、孤独を感じることある? でも、一人でいろんな所に行ってるもんね?
(松井)
そうなんです。でも、それって、こどもの頃から割と一人で過ごすことに慣れていて、両親が共働きをしてたので、一人で遊ぶというか、何かを楽しむっていうことを自分で作り出すことに慣れてたからな気がします。
(杉浦)
それが当たり前だったみたいな?
(松井)
そうなんです。なので、あんまり孤独を感じたことってないんですよね。
(杉浦)
一人遊びを孤独とするかは自分判断だもんね。内閣府が2024年に行った調査によりますと、孤独を感じることが「たまにある」「時々ある」「しばしばある」「常にある」と答えたかたは、およそ4割だって。
(松井)
皆さん、どんな時に孤独を感じてるんですかね?
(杉浦)
多いのは「家族との死別」なんだけど、調査によると、それだけじゃないことが分かっていて、例えば、病気やけがなどがきっかけになる場合もあるし、一人暮らしや、転校、転職、離職、退職、いじめやハラスメント、生活の困窮など、あらゆる場面で孤独を感じてるみたいなんだよね。
(松井)
孤独感に影響を与える出来事っていうのは、本当に様々な場面で起こり得るということですね。
(杉浦)
そういうことだよね。つまり、孤独って、決してひと事じゃなくて、「誰でも感じる可能性があるもの」なんだよね。今は、一人暮らしの人が増えていたり、インターネットの普及で、いろんな働き方が増えていたり、その分、家族や地域、会社などで、人と顔を合わせてつながる機会が少なくなってるじゃない? だから、誰でも孤独や孤立の状態になりやすいと言われてるんだって。そして、実は、社会的に人とのつながりがなくなってしまったら、健康に与える影響が大きいとも言われてるんだって。
(松井)
健康にまで関わってくるんですね。でも、今じゃなくても、確かに、状況や環境で変わっていくかもしれませんよね。
(杉浦)
じゃあ、玲奈ちゃん、「孤独」と「孤立」の違い、分かる?
(松井)
「孤独」と「孤立」!? 「孤立」は、社会などから断絶されてるとか、それこそ、ひとりぼっちになっているという感覚なのは分かるんですけど、「孤独」って、感覚の問題なので、説明が難しいかもしれないですね。
(杉浦)
確かに。これ、線引きがあるんだよね。ここからは今日の講師に伺っていきましょう。内閣府孤独・孤立対策推進室の大西 連さんです。
(松井)
大西さん、改めて「孤独」と「孤立」の違い、教えていただけますか?
(大西)
はい。「孤独」は主観的な概念で、そのかたがどう感じるかということです。「ひとりぼっちと感じる精神的な状態」を指すと一般的に言われています。「孤立」はどちらかと言うと、客観的な概念で、「社会とのつながりがない、また、少ない状態」を指します。この「孤独」と「孤立」両者は密接に結びついていますが、先ほど、松井さんが一人でいるのが平気ということをおっしゃっていましたが、感じ方は人それぞれですし、状況によって、それが「しんどいな」と思うかたもいれば、「自分はその方が楽だよ」というかたもいます。傍から見て、「この人、孤立しているな」という状況だったとしても、本人が一人で楽だよということであれば、「孤独を感じていない」ということもありますので、必ずしも、一致しているわけではないというのが特徴です。問題なのは、本人が望んでないけれども、「ひとりぼっちでしんどい」「誰ともつながりがなくて、誰かと一緒に過ごしたい」「誰かと話したい」という時に、「相手がいなくてつらい」というのが問題だと思います。
(松井)
そうか。その悩みが深刻になってしまう時って、例えば、どういった状況が考えられるんですか?
(大西)
「孤独」「孤立」って、いろんな分野と関わりがあると言われているんですが、今日は杉浦さんがいらっしゃるので、子育てを例に出させていただきます。杉浦さんは、今、お子さんが5人いらっしゃいますが、もし、ワンオペで、一人でお子さんたちを見ないといけないとなると大変ですよね? 大変な時にちょっとこどもを見てくれる人がいるとか、お手伝いしてくれる人がいる、ちょっと愚痴を言える相手がいるだけで、楽になったりすると思います。でも、そういう人が全くいなくて、全部一人で面倒を見るとなると、すごくしんどくなるかと思います。「一人での育児が大変」という悩みや困り事がある時に、孤独・孤立状態にあると、より深刻化してしまったり、問題解決が遠のいてしまうことがあると言われています。
(松井)
それによって、育児放棄ということも考えられるんでしょうか?
(大西)
そうですね。極端に言うと、そういう社会問題、社会課題と言われるものとの接点が出てきてしまう可能性があります。
(松井)
そういう時に、相談できる人や頼れるかたがいれば、そうなる前に対応できるかもしれないですよね。
(大西)
そうですね。いろいろなしんどさとか、苦しさ、社会課題と言われるものはいきなり生まれるわけではなくて、その手前で、誰か「ちょっと手を貸せる人」や「ちょっと話ができる相手」がいるだけで、すごく変わってくることがあるので、「つながりが大事だよね」ということは、「孤独」「孤立」対策でずっと言っていることです。
(松井)
でも、先ほどお話にも出ましたが、自分から「孤独」を選ぶかたもいらっしゃるじゃないですか。それこそ、芸術やクリエイティブな仕事をしているかた、山奥で一人で暮らしているかたなど、いろんなかたがいらっしゃいますよね。
(大西)
もちろん、「一人の方が楽だよ」とか「自分の時間が大事だ」というのは、多くのかたが感じることもあるかと思います。当然、一人でいる時間、一人でいることを選ぶことは大事なことなんです。ただ、問題なのは、そこで「誰かとつながりたい」とか「その生活がきつくなってきた、つらくなってきた、しんどくなってきた」という時に、そこで誰ともつながることができなくなってしまうと、問題が起きてしまうことがあります。孤独や孤立の状態はご本人が選ぶことはできるんですが、「助けを求められない」「周りが気付いてあげられない」となった時に、よりしんどさが増してしまうのかなと思います。
(杉浦)
自ら孤独や孤立を選んだ人は、「今さら助けを求めるのは恥ずかしい」とか「誰に相談したらいいか分からない」なんてこともありますもんね。
(大西)
まさにそのとおりで、やっぱり、普段からつながりというか、困った時に相談できる誰かの顔が浮かんでいると、話ができることがあるんですが、いざ、その時になると勇気がいるということを、どうしたら何とかすることができるのか。今、一生懸命考えていることです。
(杉浦)
さあ、ここからは、自分や周りの人が、望まない孤独・孤立状態にならないように、日頃から心掛けておきたいことを学んでいきます。それでは、ここでリスナーの皆さんに質問です! 次のような悩み事を抱えてしまいました。さあ、あなたは誰に相談しますか?
(松井)
悩み、その1「仕事場の集まりで嫌なことがあった。明日から行くのが気まずい」。悩み、その2「認知症の親の介護が大変で仕事ができない」。悩み、その3「失業して収入ゼロ。貯金も尽きてしまいそう」。
(杉浦)
これはどうでしょうか? 大西さん。
(大西)
やっぱり、家族や友人など、身近なかたに相談するかたが多いんですが、一方で、身近だと、逆に話せないというかたもたくさんいます。それが深刻だったりもします。ほんとは一番相談できる人だけど、「心配させたくない」とか「叱られたくないな」とか、逆に自分一人で思い詰めてしまうことが大きな問題だと言われています。
(松井)
でも、相手が相談した時に「なんで!?」と怒ったりするのも、大切に思ってるからこそ出る言葉ですもんね。
(大西)
おっしゃるとおりです。本当はそこでいろんな話合いをして、そのうえで、自分たちで解決できなかったり、なかなかうまくいかないなという場合は、自治体や国などの専門窓口に相談することがすごく大事です。いろんな窓口がたくさんあります。皆さんの悩みを受け止めたいので、相談窓口に相談してほしいのと同時に、どういうところに相談したらいいのか? というのを日常の備えとして、普段から把握し、知っておくというのも大事です。
(松井)
「常に誰に相談できるか?」とか「どのような相談窓口があるのか?」っていうのをイメージすることで、改めて自分と人とのつながりを見直すきっかけにもなっていきますね。
(杉浦)
そうだよね。そうすると、思っていたよりも「本音で話ができる友人が少ない」とか、そんなことに気付いたりすることもあるかもしれないよね。
(松井)
確かに、SNSだったりオンラインの中でつながってる人って、仲はいいんだけど、いざ相談したいとなった時に、「ちょっと相談できないかも…」「本音で話すのが難しいかも…」っていうこともあるかもしれないですもんね。
(大西)
そうですね。ご飯を食べる友達がいるとか、地域につながりがあるとか、職場で話を打ち明けられる先輩・後輩がいるとか、そういう日常のつながり、「ゆるやかなつながりの輪」がすごく大事で、それが広がっていると、何かあった時に、支えてもらえる、支え合えるというようになると思います。
(杉浦)
悩みを抱えていても、職場で雑談できる人がいたり、地域の公園で趣味を一緒に楽しめるご近所さんがいるとか、それだけでも、少し気が晴れることもあるかもしれないですよね。
(大西)
そうですね。そこで、是非、皆さんに「つながりサポーター」になってもらいたいなと思っております!
(松井)
「つながりサポーター」とはどういうものなんですか?
(大西)
現在、内閣府が「つながりサポーター」の養成を進めているところなんですが、何か特別なことをする、しなければならないわけではなくて、孤独・孤立の問題について知識を身に付けたり、身の回りの人に関心を持ったり、できる範囲で、困っているかたをサポートする人です。例えば、相手のことを少し気に掛ける。「最近元気なさそうだな?」とか、困ってそうだったら「親身になって話を聞く」とか。そういう日常的な行動が、つながりを生み出し、周りの人の孤独感・孤立感を和らげて、悩みや困りごとが大きくなるのを防げるのではないかと考えています。
(杉浦)
確かに。「なんか、いつもと違うな」とか「元気がないな」と思ったら、声を掛けてみるといいですね。
(大西)
そうなんです。ちょっとした一言で構わないので、「今日、元気なさそうだよ、どうしたの?」とか、「こんにちは!」という挨拶だけでも違うかもしれないです。
(松井)
自分がそうやって声を掛けてもらえると、うれしいですもんね。ただ、悩みが深刻だった場合、声を掛けたかたも一緒に悩んでしまったりして、「ああ、私なんかが声を掛けなきゃよかったな」「うまく返答ができなかったかもしれない…」なんて、後悔しちゃうことありませんか?
(杉浦)
優しいね。一緒に悩み過ぎてね。
(松井)
私、結構このタイプなんですよ。「もっといい返しができたかも?」とか、一緒に悩んでしまうこと、結構ありますね。
(大西)
そうですね。これは、よく皆さんから松井さんと同じような問合わせをいただくんですけども、親身になればなるほど、自分自身がしんどくなってしまうと。相談の支援に関わっている人も、燃え尽きてしまうなど、いろんなことが言われています。つながりサポーターが大事にしているのは、「無理なく」サポートをするという意識です。当然なんですが、自分がしんどくなってしまったら、つらくなってしまうので、自分だけで抱えこんで解決しようとせず、様々な相談窓口を頼ることをお勧めしています。
(松井)
それって、悩みを相談してくれた人に対して、無責任にならないですかね?
(大西)
いいえ。「悩みを抱えている人を専門の相談窓口につなげる」というのは、すごく大事な役割ですし、相談窓口に一人で行くのが心もとないなとおっしゃる場合は、一緒に行くとか、最近では、チャットやメールなどで相談できる場合もあるので、文章を一緒に考えるとか、横にいるなど、いろんな形でサポートできることがあると思います。日頃から、どこにどんな相談窓口があるのかを事前に知っておくことがすごく大切です。内閣府孤独・孤立対策推進室では「あなたはひとりじゃない」というサイトを運営しています。そこでは、様々な相談窓口をご案内しています。
(杉浦)
実は、5月は「孤独・孤立対策強化月間」ということで、特設サイトも公開しているんですよね。
(大西)
はい。この特設サイトをはじめ、内閣府孤独・孤立対策推進室では、つながりサポーター養成講座の動画や相談窓口など、孤独・孤立に関する様々な情報を発信しています。また、(2026年)5月10日までは、オンライン空間で孤独・孤立に関する様々なイベントを開催しています。サイトをご覧いただくと、孤独・孤立対策に関するヒントをたくさん見つけられる内容になっていますので、「孤独・孤立対策強化月間」で検索してみてください。また、まさに今、この期間中、「しんどい」「さみしい」「つらい」と感じているかた向けに「孤独・孤立相談ダイヤル」を実施しています。「#9999」へご相談ください。こちらは(2026年)5月5日まで相談を受け付けています。
(杉浦)
「誰かに頼りたくても頼れない」という悩みは誰にでもあるものです。一人で悩まず、誰かとつながり、会話をしてほしいですね。
(松井)
私が今日の話の中で注目したのは、「5月は孤独・孤立対策強化月間『あなたはひとりじゃない』にアクセスしてね!」です。
(杉浦)
アクセスしましょう! 僕は、「つながりサポーターになろう」です。みんなで気付いていくことが大事ですからね。
「 関連リンク 」
・内閣府孤独・孤立対策推進室「あなたの悩みに、誰かとつながる安心を。 5月は『孤独・孤立対策強化月間』です」
・内閣府孤独・孤立対策推進室「あなたはひとりじゃない」
玲奈ちゃんは、孤独を感じることある? でも、一人でいろんな所に行ってるもんね?
(松井)
そうなんです。でも、それって、こどもの頃から割と一人で過ごすことに慣れていて、両親が共働きをしてたので、一人で遊ぶというか、何かを楽しむっていうことを自分で作り出すことに慣れてたからな気がします。
(杉浦)
それが当たり前だったみたいな?
(松井)
そうなんです。なので、あんまり孤独を感じたことってないんですよね。
(杉浦)
一人遊びを孤独とするかは自分判断だもんね。内閣府が2024年に行った調査によりますと、孤独を感じることが「たまにある」「時々ある」「しばしばある」「常にある」と答えたかたは、およそ4割だって。
(松井)
皆さん、どんな時に孤独を感じてるんですかね?
(杉浦)
多いのは「家族との死別」なんだけど、調査によると、それだけじゃないことが分かっていて、例えば、病気やけがなどがきっかけになる場合もあるし、一人暮らしや、転校、転職、離職、退職、いじめやハラスメント、生活の困窮など、あらゆる場面で孤独を感じてるみたいなんだよね。
(松井)
孤独感に影響を与える出来事っていうのは、本当に様々な場面で起こり得るということですね。
(杉浦)
そういうことだよね。つまり、孤独って、決してひと事じゃなくて、「誰でも感じる可能性があるもの」なんだよね。今は、一人暮らしの人が増えていたり、インターネットの普及で、いろんな働き方が増えていたり、その分、家族や地域、会社などで、人と顔を合わせてつながる機会が少なくなってるじゃない? だから、誰でも孤独や孤立の状態になりやすいと言われてるんだって。そして、実は、社会的に人とのつながりがなくなってしまったら、健康に与える影響が大きいとも言われてるんだって。
(松井)
健康にまで関わってくるんですね。でも、今じゃなくても、確かに、状況や環境で変わっていくかもしれませんよね。
(杉浦)
じゃあ、玲奈ちゃん、「孤独」と「孤立」の違い、分かる?
(松井)
「孤独」と「孤立」!? 「孤立」は、社会などから断絶されてるとか、それこそ、ひとりぼっちになっているという感覚なのは分かるんですけど、「孤独」って、感覚の問題なので、説明が難しいかもしれないですね。
(杉浦)
確かに。これ、線引きがあるんだよね。ここからは今日の講師に伺っていきましょう。内閣府孤独・孤立対策推進室の大西 連さんです。
(松井)
大西さん、改めて「孤独」と「孤立」の違い、教えていただけますか?
(大西)
はい。「孤独」は主観的な概念で、そのかたがどう感じるかということです。「ひとりぼっちと感じる精神的な状態」を指すと一般的に言われています。「孤立」はどちらかと言うと、客観的な概念で、「社会とのつながりがない、また、少ない状態」を指します。この「孤独」と「孤立」両者は密接に結びついていますが、先ほど、松井さんが一人でいるのが平気ということをおっしゃっていましたが、感じ方は人それぞれですし、状況によって、それが「しんどいな」と思うかたもいれば、「自分はその方が楽だよ」というかたもいます。傍から見て、「この人、孤立しているな」という状況だったとしても、本人が一人で楽だよということであれば、「孤独を感じていない」ということもありますので、必ずしも、一致しているわけではないというのが特徴です。問題なのは、本人が望んでないけれども、「ひとりぼっちでしんどい」「誰ともつながりがなくて、誰かと一緒に過ごしたい」「誰かと話したい」という時に、「相手がいなくてつらい」というのが問題だと思います。
(松井)
そうか。その悩みが深刻になってしまう時って、例えば、どういった状況が考えられるんですか?
(大西)
「孤独」「孤立」って、いろんな分野と関わりがあると言われているんですが、今日は杉浦さんがいらっしゃるので、子育てを例に出させていただきます。杉浦さんは、今、お子さんが5人いらっしゃいますが、もし、ワンオペで、一人でお子さんたちを見ないといけないとなると大変ですよね? 大変な時にちょっとこどもを見てくれる人がいるとか、お手伝いしてくれる人がいる、ちょっと愚痴を言える相手がいるだけで、楽になったりすると思います。でも、そういう人が全くいなくて、全部一人で面倒を見るとなると、すごくしんどくなるかと思います。「一人での育児が大変」という悩みや困り事がある時に、孤独・孤立状態にあると、より深刻化してしまったり、問題解決が遠のいてしまうことがあると言われています。
(松井)
それによって、育児放棄ということも考えられるんでしょうか?
(大西)
そうですね。極端に言うと、そういう社会問題、社会課題と言われるものとの接点が出てきてしまう可能性があります。
(松井)
そういう時に、相談できる人や頼れるかたがいれば、そうなる前に対応できるかもしれないですよね。
(大西)
そうですね。いろいろなしんどさとか、苦しさ、社会課題と言われるものはいきなり生まれるわけではなくて、その手前で、誰か「ちょっと手を貸せる人」や「ちょっと話ができる相手」がいるだけで、すごく変わってくることがあるので、「つながりが大事だよね」ということは、「孤独」「孤立」対策でずっと言っていることです。
(松井)
でも、先ほどお話にも出ましたが、自分から「孤独」を選ぶかたもいらっしゃるじゃないですか。それこそ、芸術やクリエイティブな仕事をしているかた、山奥で一人で暮らしているかたなど、いろんなかたがいらっしゃいますよね。
(大西)
もちろん、「一人の方が楽だよ」とか「自分の時間が大事だ」というのは、多くのかたが感じることもあるかと思います。当然、一人でいる時間、一人でいることを選ぶことは大事なことなんです。ただ、問題なのは、そこで「誰かとつながりたい」とか「その生活がきつくなってきた、つらくなってきた、しんどくなってきた」という時に、そこで誰ともつながることができなくなってしまうと、問題が起きてしまうことがあります。孤独や孤立の状態はご本人が選ぶことはできるんですが、「助けを求められない」「周りが気付いてあげられない」となった時に、よりしんどさが増してしまうのかなと思います。
(杉浦)
自ら孤独や孤立を選んだ人は、「今さら助けを求めるのは恥ずかしい」とか「誰に相談したらいいか分からない」なんてこともありますもんね。
(大西)
まさにそのとおりで、やっぱり、普段からつながりというか、困った時に相談できる誰かの顔が浮かんでいると、話ができることがあるんですが、いざ、その時になると勇気がいるということを、どうしたら何とかすることができるのか。今、一生懸命考えていることです。
(杉浦)
さあ、ここからは、自分や周りの人が、望まない孤独・孤立状態にならないように、日頃から心掛けておきたいことを学んでいきます。それでは、ここでリスナーの皆さんに質問です! 次のような悩み事を抱えてしまいました。さあ、あなたは誰に相談しますか?
(松井)
悩み、その1「仕事場の集まりで嫌なことがあった。明日から行くのが気まずい」。悩み、その2「認知症の親の介護が大変で仕事ができない」。悩み、その3「失業して収入ゼロ。貯金も尽きてしまいそう」。
(杉浦)
これはどうでしょうか? 大西さん。
(大西)
やっぱり、家族や友人など、身近なかたに相談するかたが多いんですが、一方で、身近だと、逆に話せないというかたもたくさんいます。それが深刻だったりもします。ほんとは一番相談できる人だけど、「心配させたくない」とか「叱られたくないな」とか、逆に自分一人で思い詰めてしまうことが大きな問題だと言われています。
(松井)
でも、相手が相談した時に「なんで!?」と怒ったりするのも、大切に思ってるからこそ出る言葉ですもんね。
(大西)
おっしゃるとおりです。本当はそこでいろんな話合いをして、そのうえで、自分たちで解決できなかったり、なかなかうまくいかないなという場合は、自治体や国などの専門窓口に相談することがすごく大事です。いろんな窓口がたくさんあります。皆さんの悩みを受け止めたいので、相談窓口に相談してほしいのと同時に、どういうところに相談したらいいのか? というのを日常の備えとして、普段から把握し、知っておくというのも大事です。
(松井)
「常に誰に相談できるか?」とか「どのような相談窓口があるのか?」っていうのをイメージすることで、改めて自分と人とのつながりを見直すきっかけにもなっていきますね。
(杉浦)
そうだよね。そうすると、思っていたよりも「本音で話ができる友人が少ない」とか、そんなことに気付いたりすることもあるかもしれないよね。
(松井)
確かに、SNSだったりオンラインの中でつながってる人って、仲はいいんだけど、いざ相談したいとなった時に、「ちょっと相談できないかも…」「本音で話すのが難しいかも…」っていうこともあるかもしれないですもんね。
(大西)
そうですね。ご飯を食べる友達がいるとか、地域につながりがあるとか、職場で話を打ち明けられる先輩・後輩がいるとか、そういう日常のつながり、「ゆるやかなつながりの輪」がすごく大事で、それが広がっていると、何かあった時に、支えてもらえる、支え合えるというようになると思います。
(杉浦)
悩みを抱えていても、職場で雑談できる人がいたり、地域の公園で趣味を一緒に楽しめるご近所さんがいるとか、それだけでも、少し気が晴れることもあるかもしれないですよね。
(大西)
そうですね。そこで、是非、皆さんに「つながりサポーター」になってもらいたいなと思っております!
(松井)
「つながりサポーター」とはどういうものなんですか?
(大西)
現在、内閣府が「つながりサポーター」の養成を進めているところなんですが、何か特別なことをする、しなければならないわけではなくて、孤独・孤立の問題について知識を身に付けたり、身の回りの人に関心を持ったり、できる範囲で、困っているかたをサポートする人です。例えば、相手のことを少し気に掛ける。「最近元気なさそうだな?」とか、困ってそうだったら「親身になって話を聞く」とか。そういう日常的な行動が、つながりを生み出し、周りの人の孤独感・孤立感を和らげて、悩みや困りごとが大きくなるのを防げるのではないかと考えています。
(杉浦)
確かに。「なんか、いつもと違うな」とか「元気がないな」と思ったら、声を掛けてみるといいですね。
(大西)
そうなんです。ちょっとした一言で構わないので、「今日、元気なさそうだよ、どうしたの?」とか、「こんにちは!」という挨拶だけでも違うかもしれないです。
(松井)
自分がそうやって声を掛けてもらえると、うれしいですもんね。ただ、悩みが深刻だった場合、声を掛けたかたも一緒に悩んでしまったりして、「ああ、私なんかが声を掛けなきゃよかったな」「うまく返答ができなかったかもしれない…」なんて、後悔しちゃうことありませんか?
(杉浦)
優しいね。一緒に悩み過ぎてね。
(松井)
私、結構このタイプなんですよ。「もっといい返しができたかも?」とか、一緒に悩んでしまうこと、結構ありますね。
(大西)
そうですね。これは、よく皆さんから松井さんと同じような問合わせをいただくんですけども、親身になればなるほど、自分自身がしんどくなってしまうと。相談の支援に関わっている人も、燃え尽きてしまうなど、いろんなことが言われています。つながりサポーターが大事にしているのは、「無理なく」サポートをするという意識です。当然なんですが、自分がしんどくなってしまったら、つらくなってしまうので、自分だけで抱えこんで解決しようとせず、様々な相談窓口を頼ることをお勧めしています。
(松井)
それって、悩みを相談してくれた人に対して、無責任にならないですかね?
(大西)
いいえ。「悩みを抱えている人を専門の相談窓口につなげる」というのは、すごく大事な役割ですし、相談窓口に一人で行くのが心もとないなとおっしゃる場合は、一緒に行くとか、最近では、チャットやメールなどで相談できる場合もあるので、文章を一緒に考えるとか、横にいるなど、いろんな形でサポートできることがあると思います。日頃から、どこにどんな相談窓口があるのかを事前に知っておくことがすごく大切です。内閣府孤独・孤立対策推進室では「あなたはひとりじゃない」というサイトを運営しています。そこでは、様々な相談窓口をご案内しています。
(杉浦)
実は、5月は「孤独・孤立対策強化月間」ということで、特設サイトも公開しているんですよね。
(大西)
はい。この特設サイトをはじめ、内閣府孤独・孤立対策推進室では、つながりサポーター養成講座の動画や相談窓口など、孤独・孤立に関する様々な情報を発信しています。また、(2026年)5月10日までは、オンライン空間で孤独・孤立に関する様々なイベントを開催しています。サイトをご覧いただくと、孤独・孤立対策に関するヒントをたくさん見つけられる内容になっていますので、「孤独・孤立対策強化月間」で検索してみてください。また、まさに今、この期間中、「しんどい」「さみしい」「つらい」と感じているかた向けに「孤独・孤立相談ダイヤル」を実施しています。「#9999」へご相談ください。こちらは(2026年)5月5日まで相談を受け付けています。
(杉浦)
「誰かに頼りたくても頼れない」という悩みは誰にでもあるものです。一人で悩まず、誰かとつながり、会話をしてほしいですね。
(松井)
私が今日の話の中で注目したのは、「5月は孤独・孤立対策強化月間『あなたはひとりじゃない』にアクセスしてね!」です。
(杉浦)
アクセスしましょう! 僕は、「つながりサポーターになろう」です。みんなで気付いていくことが大事ですからね。
「 関連リンク 」
・内閣府孤独・孤立対策推進室「あなたの悩みに、誰かとつながる安心を。 5月は『孤独・孤立対策強化月間』です」
・内閣府孤独・孤立対策推進室「あなたはひとりじゃない」