アーカイブ

2024.12.01
もっと知ろう!18歳からの裁判員制度
昨年から、18歳・19歳も裁判員に選ばれるようになりました。
どうやって選ばれるの?法律に詳しくなくても大丈夫?
そんな疑問や不安を現役裁判官に聞きます!
今回は、「もっと知ろう!18歳からの裁判員制度」というテーマで学びました。
続きを読む
どうやって選ばれるの?法律に詳しくなくても大丈夫?
そんな疑問や不安を現役裁判官に聞きます!
今回は、「もっと知ろう!18歳からの裁判員制度」というテーマで学びました。
(杉浦)
「裁判員制度」とはですね、国民の中から選ばれた6人の裁判員が、刑事裁判に参加して、3人の裁判官と共に、被告人が有罪かどうか、有罪の場合、どのような刑にするかを決める制度です。佳菜子ちゃんも知ってる?
(村上)
深くは知らないけど、知ってます。
(杉浦)
始まったのは2009年の5月で、今年で15年ですね。これまでに、裁判員や補充裁判員を経験した人は12万7,000人を超えています。ちなみに、補充裁判員というのは、裁判員と同じように最初から裁判に参加して、裁判の途中で裁判員の人数が不足した場合に、裁判員になる人のことね。
(村上)
確か裁判員には、18歳、19歳のかたも選ばれるようになったんですよね。
(杉浦)
そう。裁判員は選挙権のある国民の中から選ばれるんだけど、昨年からは18歳、19歳も裁判員に選ばれるようになりました。若い人が実際に裁判員を経験してどう感じたのか知りたいですよね。そこで今日は、改めて裁判員制度を学んでいきます。講師は最高裁判所刑事局第二課長 恒光 直樹さんです。恒光さんは、なんと現役の裁判官です。
(村上)
そうなんですか!?よろしくお願いします。裁判官のかたに直接お話を聞く機会ってなかなか無いと思うので、今日はいろいろ教えていただきたいと思います。恒光さん、裁判員制度が始まって15年ということですが、そもそも、どうして裁判員制度が始まったんでしょうか?
(恒光)
はい。国民の皆さんが刑事裁判に参加することで、裁判の進め方やその内容に国民の皆さんの視点が反映されて、裁判がより身近で分かりやすいものとなり、司法全体に対する信頼が高まることを期待して始まりました。
(村上)
法律の知識がある裁判官だけでなく、私たち一般市民の常識や感覚が裁判に反映されることが期待されて導入されたってことですよね。実際、始まる前と後で、何か変わったなと感じられたことってありました?
(恒光)
そうですね。職業や年齢など、バックグラウンドの異なる様々なかたの様々なご意見、感覚を反映させながら結論を出していけますので、多角的で、より深みのある検討が可能になっていると感じています。私の経験でもそうなんですけれども、その中で裁判員の皆さんから率直な意見ですとか疑問が述べられて、法律家が常識だと思って勝手に前提にしていたことが実はそうじゃないんじゃないかと気付かされたり、法律家が勝手に分かったつもりになっていた法律上の問題点について、もう一度考え直すきっかけになったりしています。
(杉浦)
佳菜子ちゃん、裁判員ってどのようにして選ばれるのか知ってる?
(村上)
たぶん、抽選でしたっけ?恒光さん。
(恒光)
はい。裁判員を選任するまでには、いくつかの段階があります。まず選挙権がある人の中から、くじで選んで翌年の裁判員候補者名簿を作成します。裁判員候補者に選ばれる確率は約400人に1人です。そして、その中から裁判員に選ばれる確率は約30人に1人ということになります。
(村上)
段階があるんですね。
(恒光)
その裁判員候補者名簿に記載されたかたには最高裁判所から封書でお知らせしております。今年はですね、11月13日におよそ20万人のかたにお送りしておりまして、その中には18歳、19歳の人も3,000人以上含まれています。
(杉浦)
佳菜子ちゃん、こちらに、その封書があります。
(村上)
けっこう立派な封書ですよね。
(杉浦)
これを知っておかないと、いきなり最高裁判所から見慣れない封書が届いて、詐欺じゃないかと思う人もいるかもしれないけど、この封書の外観や同封物は、裁判員制度の公式ウェブサイトでも公開されてるので、自分のところに届いたものが本当に裁判所からのものなのか確認できるようになってるんだよね。
(村上)
なるほどー。それだったら安心ですね。ちゃんと調べられますもんね。それで、この封書が届くと裁判員に選ばれたってことになるんですか?
(杉浦)
いやいや。そう思っちゃう人がいるかもしれないんだけど、これはあくまでも、「来年の裁判員候補者として、名簿に名前が載りましたよ」というお知らせなんですよね、恒光さん。
(恒光)
おっしゃる通りです。その後、名簿の候補者の中から、具体的な事件ごとに、くじでその事件の裁判員候補者が選ばれます。選ばれたかたには、今度は「裁判員等選任手続期日のお知らせ」という封書をお送りします。この段階で初めて裁判所にお越しいただくことになり、選任手続で、さらに、くじが行われ、最終的に6人の裁判員が決定、発表されます。
(杉浦)
ところで佳菜子ちゃん、裁判員に選ばれるまでに、何回くじが行われたでしょうか?
(村上)
えっ、3(回)とかかな?
(杉浦)
そう、正解!
(村上)
でも実際、選ばれたら、緊張しちゃいそうですよね。やっぱり「法律に詳しくない私なんかが裁判に参加しても大丈夫かな」とか「人の人生を左右する判断をすることができるのか」とか、いろいろ考えちゃうと思うんですよね。特に、10代の裁判員だったら、けっこう不安もあるんじゃないかなと思います。恒光さん、法律に詳しくない私たちでも裁判員ってできるんでしょうか?
(恒光)
はい、大丈夫です。法律の知識というのは、まず、必要ありません。裁判員裁判では、見て聞いて分かる裁判を目指しておりまして、裁判官、検察官、弁護人があらかじめ事件の争点を整理し、必要な証拠を厳選しておくことで、法廷で、証人や被告人の話を聞いたり証拠書類や証拠品を確認したりすれば、裁判員のみなさんが事件について判断できるように努めています。また、裁判官と裁判員が一つのチームとなって、話し合いながら結論を出していきますので、決してお一人で悩んだり責任を感じる必要もありません。
(村上)
それを聞いて少し安心しました。
(杉浦)
他にも何か不安なことある?
(村上)
あとは、話合いの場で、自分の意見ちゃんと言えるかな?って不安はありますね。
(杉浦)
佳菜子ちゃんが言った話合いの場っていうのは、審理が終わった後、裁判員と裁判官3人全員で、被告人が有罪か、有罪の場合はどのような刑にするかを話し合う「評議」のことだね。
(村上)
それ評議っていうんですね。周りが年上ばかりで不安になりそうな気がするな、と思うんですけど、実際に今年裁判員を務めた10代の裁判員は、どのように感じたとかありますか?
(杉浦)
10代のかたからは経験後のアンケートなどで、次のような感想があったそうです。「自分の犯罪に対する考え方の甘さや法律の重さを実感することができた。また、法律は身近にあるのだと認識することもできた。歳も性別も職業も全く違う人達の意見を聞くことや、自分の意見を言うことも、とても良い経験だと思った」、「年齢が全然違う人たちと意見を述べて、改めて人によって考え方が違うなっていうことを実感した。また普段関わりのない法廷や裁判に関わってこんなふうになっているんだと知ることができた」、「裁判員の中で最年少だったが、幅広い年齢層の人の意見を聞けて、裁判員をやる前より自分の意見を広く持てたと思うし、意見が言いやすい環境だった。10代でも問題なくやれると思った」。
(恒光)
そのほかにもですね、例えば「評議で培った、異なる世代の人に自分の意見を論理的に伝える力を今後も生かしたい」といったご意見ですとか、「裁判官の議論の進め方などは非常に参考になり、自分が会議の進行役をする際などに活用している」など、裁判員の皆さんが、ご自身の日常にいかせるスキルが身についたという声もいただいております。そのほか、「日頃見るニュースにも、こういった背景があるのだと知れてよかった」という感想もいただいております。
(村上)
裁判員をすることで、すごい多くのものを得てるんですね。実際に裁判員を経験したかたって、こんなにも、やって良かったと思ってるっていうのが、ちょっと意外な部分もありました。
(杉浦)
そうだよね。裁判員に選ばれる前は「やりたくない」と思っていたかたが多かったらしいんだけど、裁判員を経験した後は96パーセント以上のかたが「良い経験と感じた」と、回答しております。佳菜子ちゃん、どう?裁判員、もし選ばれたらやってみたい?
(村上)
そうですね。やっぱり自分ができるかな?っていう思いはあったけど、こうやって経験したかたの話を聞いてると、ちょっと興味が出てきたかな。ただ、くじで選ばれるってなると、中には仕事が忙しいからとか、いろんな事情で裁判所に行けない人っていると思うんですけど、辞退っていうのはできるんですか?
(恒光)
仕事上の重要な用務などを理由に辞退が認められる場合もありますので、どうぞご安心ください。そのほか、候補者に選ばれたかたの負担が重すぎないようにとの配慮などから、例えば70歳以上のかたですとか学生のかた、重い病気やけがなどの事情を理由に辞退することもできます。
(杉浦)
70歳以上のかたや学生のかたであっても、必ずしも辞退しなければいけないということではないんですよね。
(恒光)
その通りです。70歳以上のかたや学生のかたであっても、辞退しなければ他のかたと同じように裁判員に選ばれる可能性があります。実際70歳以上のかたですとか、学生のかたであっても、辞退されずにそのまま裁判員に選ばれるということも、たくさんございます。
(村上)
そうなんですね。先ほどの10代の経験談を聞くと、裁判員に選ばれることは、これからの人生でもきっと貴重な経験になると思うし、いろいろな事情があってもできる限り参加をしてみては?と、私自身もみんなに伝えたくなりました。
(杉浦)
裁判員裁判のような社会的に意義のある活動に参加することは、本人にとっても、社会全体にとっても有意義なことじゃないかなと思いますね。
(恒光)
ありがとうございます。裁判所といたしましても、仕事や勉強が忙しい、育児や介護をしているなどの事情はあるものの、できれば辞退せずに裁判員をやってみたいというかたが参加しやすい環境整備に引き続き努めて参りたいと思っております。
(杉浦)
裁判員制度についてもっと詳しく知りたいかたは、「裁判員制度」で検索して、裁判員制度の公式ウェブサイトをご覧になっていただきたいですね。
(恒光)
はい、今年に入ってから、新しく「インフォグラフィックス動画」と「すっとわかる、裁判員制度なるほどブック」というものを作成いたしました。若い世代にも広く見ていただけるように、そして皆さんが抱くであろう疑問や不安な気持ちを少しでも解消していただければという思いで作成しましたので、是非ご覧ください。私自身、裁判員裁判を担当する中で、裁判員のかたの様々な視点、感覚に触れて、学ぶことがたくさんありました。18歳、19歳の方々をはじめ、幅広くご参加いただいてこその裁判員裁判だと思いますし、裁判所では参加しやすい環境づくりや意見を言いやすい雰囲気づくりに努めておりますので、積極的なご参加をお待ちしております。
(村上)
今日の話の中で特に注目したのは「裁判員制度、もっと知ろう!!」です。裁判員制度っていうのは知ってるけど、深くは知らなかったので、もっと皆さんが体験した感想とかも知ってもらいたいですよね。
(杉浦)
僕は、「裁判員制度を検索!」ですね。動画(インフォグラフィックス動画)とかブック(すっとわかる、裁判員制度なるほどブック)を見ると、読むと、もっと深く知れるかなと思いました。
「 関連リンク 」
・政府広報オンライン「もし、あなたが裁判員に選ばれたら?裁判ではどんなことをするか知っていますか?」
・最高裁判所「裁判員制度」
・裁判員制度「裁判員制度インフォグラフィックス動画」
・裁判員制度「すっとわかる、裁判員制度なるほどブック」
「裁判員制度」とはですね、国民の中から選ばれた6人の裁判員が、刑事裁判に参加して、3人の裁判官と共に、被告人が有罪かどうか、有罪の場合、どのような刑にするかを決める制度です。佳菜子ちゃんも知ってる?
(村上)
深くは知らないけど、知ってます。
(杉浦)
始まったのは2009年の5月で、今年で15年ですね。これまでに、裁判員や補充裁判員を経験した人は12万7,000人を超えています。ちなみに、補充裁判員というのは、裁判員と同じように最初から裁判に参加して、裁判の途中で裁判員の人数が不足した場合に、裁判員になる人のことね。
(村上)
確か裁判員には、18歳、19歳のかたも選ばれるようになったんですよね。
(杉浦)
そう。裁判員は選挙権のある国民の中から選ばれるんだけど、昨年からは18歳、19歳も裁判員に選ばれるようになりました。若い人が実際に裁判員を経験してどう感じたのか知りたいですよね。そこで今日は、改めて裁判員制度を学んでいきます。講師は最高裁判所刑事局第二課長 恒光 直樹さんです。恒光さんは、なんと現役の裁判官です。
(村上)
そうなんですか!?よろしくお願いします。裁判官のかたに直接お話を聞く機会ってなかなか無いと思うので、今日はいろいろ教えていただきたいと思います。恒光さん、裁判員制度が始まって15年ということですが、そもそも、どうして裁判員制度が始まったんでしょうか?
(恒光)
はい。国民の皆さんが刑事裁判に参加することで、裁判の進め方やその内容に国民の皆さんの視点が反映されて、裁判がより身近で分かりやすいものとなり、司法全体に対する信頼が高まることを期待して始まりました。
(村上)
法律の知識がある裁判官だけでなく、私たち一般市民の常識や感覚が裁判に反映されることが期待されて導入されたってことですよね。実際、始まる前と後で、何か変わったなと感じられたことってありました?
(恒光)
そうですね。職業や年齢など、バックグラウンドの異なる様々なかたの様々なご意見、感覚を反映させながら結論を出していけますので、多角的で、より深みのある検討が可能になっていると感じています。私の経験でもそうなんですけれども、その中で裁判員の皆さんから率直な意見ですとか疑問が述べられて、法律家が常識だと思って勝手に前提にしていたことが実はそうじゃないんじゃないかと気付かされたり、法律家が勝手に分かったつもりになっていた法律上の問題点について、もう一度考え直すきっかけになったりしています。
(杉浦)
佳菜子ちゃん、裁判員ってどのようにして選ばれるのか知ってる?
(村上)
たぶん、抽選でしたっけ?恒光さん。
(恒光)
はい。裁判員を選任するまでには、いくつかの段階があります。まず選挙権がある人の中から、くじで選んで翌年の裁判員候補者名簿を作成します。裁判員候補者に選ばれる確率は約400人に1人です。そして、その中から裁判員に選ばれる確率は約30人に1人ということになります。
(村上)
段階があるんですね。
(恒光)
その裁判員候補者名簿に記載されたかたには最高裁判所から封書でお知らせしております。今年はですね、11月13日におよそ20万人のかたにお送りしておりまして、その中には18歳、19歳の人も3,000人以上含まれています。
(杉浦)
佳菜子ちゃん、こちらに、その封書があります。
(村上)
けっこう立派な封書ですよね。
(杉浦)
これを知っておかないと、いきなり最高裁判所から見慣れない封書が届いて、詐欺じゃないかと思う人もいるかもしれないけど、この封書の外観や同封物は、裁判員制度の公式ウェブサイトでも公開されてるので、自分のところに届いたものが本当に裁判所からのものなのか確認できるようになってるんだよね。
(村上)
なるほどー。それだったら安心ですね。ちゃんと調べられますもんね。それで、この封書が届くと裁判員に選ばれたってことになるんですか?
(杉浦)
いやいや。そう思っちゃう人がいるかもしれないんだけど、これはあくまでも、「来年の裁判員候補者として、名簿に名前が載りましたよ」というお知らせなんですよね、恒光さん。
(恒光)
おっしゃる通りです。その後、名簿の候補者の中から、具体的な事件ごとに、くじでその事件の裁判員候補者が選ばれます。選ばれたかたには、今度は「裁判員等選任手続期日のお知らせ」という封書をお送りします。この段階で初めて裁判所にお越しいただくことになり、選任手続で、さらに、くじが行われ、最終的に6人の裁判員が決定、発表されます。
(杉浦)
ところで佳菜子ちゃん、裁判員に選ばれるまでに、何回くじが行われたでしょうか?
(村上)
えっ、3(回)とかかな?
(杉浦)
そう、正解!
(村上)
でも実際、選ばれたら、緊張しちゃいそうですよね。やっぱり「法律に詳しくない私なんかが裁判に参加しても大丈夫かな」とか「人の人生を左右する判断をすることができるのか」とか、いろいろ考えちゃうと思うんですよね。特に、10代の裁判員だったら、けっこう不安もあるんじゃないかなと思います。恒光さん、法律に詳しくない私たちでも裁判員ってできるんでしょうか?
(恒光)
はい、大丈夫です。法律の知識というのは、まず、必要ありません。裁判員裁判では、見て聞いて分かる裁判を目指しておりまして、裁判官、検察官、弁護人があらかじめ事件の争点を整理し、必要な証拠を厳選しておくことで、法廷で、証人や被告人の話を聞いたり証拠書類や証拠品を確認したりすれば、裁判員のみなさんが事件について判断できるように努めています。また、裁判官と裁判員が一つのチームとなって、話し合いながら結論を出していきますので、決してお一人で悩んだり責任を感じる必要もありません。
(村上)
それを聞いて少し安心しました。
(杉浦)
他にも何か不安なことある?
(村上)
あとは、話合いの場で、自分の意見ちゃんと言えるかな?って不安はありますね。
(杉浦)
佳菜子ちゃんが言った話合いの場っていうのは、審理が終わった後、裁判員と裁判官3人全員で、被告人が有罪か、有罪の場合はどのような刑にするかを話し合う「評議」のことだね。
(村上)
それ評議っていうんですね。周りが年上ばかりで不安になりそうな気がするな、と思うんですけど、実際に今年裁判員を務めた10代の裁判員は、どのように感じたとかありますか?
(杉浦)
10代のかたからは経験後のアンケートなどで、次のような感想があったそうです。「自分の犯罪に対する考え方の甘さや法律の重さを実感することができた。また、法律は身近にあるのだと認識することもできた。歳も性別も職業も全く違う人達の意見を聞くことや、自分の意見を言うことも、とても良い経験だと思った」、「年齢が全然違う人たちと意見を述べて、改めて人によって考え方が違うなっていうことを実感した。また普段関わりのない法廷や裁判に関わってこんなふうになっているんだと知ることができた」、「裁判員の中で最年少だったが、幅広い年齢層の人の意見を聞けて、裁判員をやる前より自分の意見を広く持てたと思うし、意見が言いやすい環境だった。10代でも問題なくやれると思った」。
(恒光)
そのほかにもですね、例えば「評議で培った、異なる世代の人に自分の意見を論理的に伝える力を今後も生かしたい」といったご意見ですとか、「裁判官の議論の進め方などは非常に参考になり、自分が会議の進行役をする際などに活用している」など、裁判員の皆さんが、ご自身の日常にいかせるスキルが身についたという声もいただいております。そのほか、「日頃見るニュースにも、こういった背景があるのだと知れてよかった」という感想もいただいております。
(村上)
裁判員をすることで、すごい多くのものを得てるんですね。実際に裁判員を経験したかたって、こんなにも、やって良かったと思ってるっていうのが、ちょっと意外な部分もありました。
(杉浦)
そうだよね。裁判員に選ばれる前は「やりたくない」と思っていたかたが多かったらしいんだけど、裁判員を経験した後は96パーセント以上のかたが「良い経験と感じた」と、回答しております。佳菜子ちゃん、どう?裁判員、もし選ばれたらやってみたい?
(村上)
そうですね。やっぱり自分ができるかな?っていう思いはあったけど、こうやって経験したかたの話を聞いてると、ちょっと興味が出てきたかな。ただ、くじで選ばれるってなると、中には仕事が忙しいからとか、いろんな事情で裁判所に行けない人っていると思うんですけど、辞退っていうのはできるんですか?
(恒光)
仕事上の重要な用務などを理由に辞退が認められる場合もありますので、どうぞご安心ください。そのほか、候補者に選ばれたかたの負担が重すぎないようにとの配慮などから、例えば70歳以上のかたですとか学生のかた、重い病気やけがなどの事情を理由に辞退することもできます。
(杉浦)
70歳以上のかたや学生のかたであっても、必ずしも辞退しなければいけないということではないんですよね。
(恒光)
その通りです。70歳以上のかたや学生のかたであっても、辞退しなければ他のかたと同じように裁判員に選ばれる可能性があります。実際70歳以上のかたですとか、学生のかたであっても、辞退されずにそのまま裁判員に選ばれるということも、たくさんございます。
(村上)
そうなんですね。先ほどの10代の経験談を聞くと、裁判員に選ばれることは、これからの人生でもきっと貴重な経験になると思うし、いろいろな事情があってもできる限り参加をしてみては?と、私自身もみんなに伝えたくなりました。
(杉浦)
裁判員裁判のような社会的に意義のある活動に参加することは、本人にとっても、社会全体にとっても有意義なことじゃないかなと思いますね。
(恒光)
ありがとうございます。裁判所といたしましても、仕事や勉強が忙しい、育児や介護をしているなどの事情はあるものの、できれば辞退せずに裁判員をやってみたいというかたが参加しやすい環境整備に引き続き努めて参りたいと思っております。
(杉浦)
裁判員制度についてもっと詳しく知りたいかたは、「裁判員制度」で検索して、裁判員制度の公式ウェブサイトをご覧になっていただきたいですね。
(恒光)
はい、今年に入ってから、新しく「インフォグラフィックス動画」と「すっとわかる、裁判員制度なるほどブック」というものを作成いたしました。若い世代にも広く見ていただけるように、そして皆さんが抱くであろう疑問や不安な気持ちを少しでも解消していただければという思いで作成しましたので、是非ご覧ください。私自身、裁判員裁判を担当する中で、裁判員のかたの様々な視点、感覚に触れて、学ぶことがたくさんありました。18歳、19歳の方々をはじめ、幅広くご参加いただいてこその裁判員裁判だと思いますし、裁判所では参加しやすい環境づくりや意見を言いやすい雰囲気づくりに努めておりますので、積極的なご参加をお待ちしております。
(村上)
今日の話の中で特に注目したのは「裁判員制度、もっと知ろう!!」です。裁判員制度っていうのは知ってるけど、深くは知らなかったので、もっと皆さんが体験した感想とかも知ってもらいたいですよね。
(杉浦)
僕は、「裁判員制度を検索!」ですね。動画(インフォグラフィックス動画)とかブック(すっとわかる、裁判員制度なるほどブック)を見ると、読むと、もっと深く知れるかなと思いました。
「 関連リンク 」
・政府広報オンライン「もし、あなたが裁判員に選ばれたら?裁判ではどんなことをするか知っていますか?」
・最高裁判所「裁判員制度」
・裁判員制度「裁判員制度インフォグラフィックス動画」
・裁判員制度「すっとわかる、裁判員制度なるほどブック」