みらい図鑑

VOL.338「野球カステラ」

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野球道具を模った一口サイズのお菓子、「野球カステラ」。

その歴史は、100年以上にもなります。

大正時代、日本での野球の普及をお菓子にも活かして商売につなげられないか、と、
瓦せんべい屋で生まれたのがはじまりと言われていて、
その後、いろんなお店に伝わり、神戸を中心に近畿圏に広がりました。

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おもな原料は、小麦粉、卵、砂糖、蜂蜜。

せんべいと同じく、型の片側に生地を流し入れてはさみ、
回転させて焼き上げます。

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ボールにバット、グローブにキャッチャーマスクなど、
野球に欠かせないさまざまな道具がモチーフですが、
お店によって、組み合わせや形が少しずつ異なるのも、野球カステラの楽しいところです。

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愛らしいデザインと素朴な味わいは、長年、愛されてきましたが、
作っているお店の数は、年々、減っているのが現状です。

その魅力を、何とか未来へと伝えていきたい。

そんな想いで活動をおこなっているのが、
野球カステラを愛する有志のチーム、「野球カステラ愛好会」。

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「いま、正直、野球カステラは、絶滅危惧級のお菓子だと思うんですね。
街のお店に聞いても、
自分の代で終わり、というお店がほとんどなんです。

このまま今の状態が続けば、必ず、野球カステラは絶滅してしまいますので、
それをなんとかしたいという想いですね。」

「野球カステラ愛好会」、代表の志方功一(しかた・こういち)さんは、
そんな風に話します。

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野球カステラの歴史やストーリーを紐解き、
その魅力を多くの人に知ってもらう活動を展開中の、「野球カステラ愛好会」。

「商業施設などで、“野球カステラ展”を開催して、
野球カステラの魅力を伝えつつ、
グローブやバットやボールなど、
昔の野球道具の展示と合わせておこなっています。

今後は、たとえば、球場内でそういう機会をいただけるような、
そんな未来にも期待しています。」

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志方さんの夢は、
いずれは、野球カステラを販売している野球場の姿が当たり前になって、
“将来の夢は、野球カステラ職人”、という子どもたちが出てくること。

愛好会では、この先の未来につなげていくための発信をこれからも続けます。

VOL.337「農家さんが手がけるアイスキャンディ」

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福岡県柳川市で農業を営む、「杏里(あんり)ファーム」。

この農園が別事業部として手掛けているのが、アイスの製造です。

なかでもひときわ人気なのが、アイスキャンディ。
レトロなパッケージが目を引きます。

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アイスづくりを一手に担うのは、
農園が設立した、アイス製造に特化した会社、「椛島氷菓(かばしま・ひょうか)」。

自家栽培のマンゴーをはじめ、
地元・福岡産の農産物を中心に、15種類以上のフレーバーを作っています。

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心を込めて育てた野菜や果物の中には、
そのままでは出荷できない、規格外のものがあります。

それを何か別の形にできないだろうかと考え、
辿り着いたのがアイスだったといいます。

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発端は、農園で出た出荷できないドラゴンフルーツ。
それを活用して、試行錯誤のうえ、最初に作ったのがジェラートでした。

ジェラートは好評を博したものの、その後、売り上げに苦戦。

そこで、友人のアドバイスもあり、アイスキャンディの製造に着手したところ、
徐々に口コミが広がっていき、現在は全国に展開。
評判を呼んでいます。

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小さなアイス製造機を使って、
手作業でつくるところからスタートした「椛島氷菓」のアイス。

大きな工場を構えたいま、
「椛島氷菓」の椛島杏奈(かばしま・あんな)さんは、こんな風に語ります。

「生産者として、市場に出荷するだけではなくて、
その先にいる消費者の方が、どのような反応をして食べてくださるのか、とかですね、
自分たちで作ったものを、どういうふうに販売するかを決めていきたい、
そんな想いがありました。」

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袋に描かれた「カバ」のキャラクターが、
トレードマークのアイスキャンディ。

「子供たちもですが、大人も喜んでくださるんですね。
“柳川”という文字が袋に印刷されているんですが、
それを地方で見かけた時に、
喜んでくださるお客様のお声が一番嬉しいですね。」

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香料や着色料を使わず、果物をたっぷり使った、
農家が手掛けるアイスキャンディは、
全国の人々を笑顔にする柳川発のブランド。

人気のフレーバーは、福岡名産、いちごの「あまおう」だそうですよ。
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