みらい図鑑

VOL.142「在来品種の青大豆を復活!」 兵庫県

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「一度は途絶えてしまった、在来品種の青大豆を復活させる!」
そんな取り組みが、
兵庫県の養父市で盛り上がっています。



手がけているのは、一般社団法人 田舎暮らし倶楽部です。
大豆の名前は、
「八鹿浅黄(ようかあさぎ)」と言います。



地元の市民団体が、なぜ、大豆の復活に取り組むのか。
理由は意外なことでした。
「田舎に移住したい」という若者からの相談がきっかけになったんです。
地方に住みたい若者は多い。
でも、、、住むための家は見つかっても、仕事がありません。
じゃあ、どうすればいいか。



見渡せば、まわりには、使われないまま放置されている畑がたくさんありました。
この畑を使って、
大豆を作り、そして、味噌を作って仕事をつくることになったんです。



田舎暮らし倶楽部、
代表理事の西垣憲志(にしがき・けんし)さんにお話を伺いました。

  「耕作放棄地に、八鹿浅黄(ようかあさぎ)の種を撒き始めました。
  そして、4年経って、ずいぶん、復活の兆しを見せました。
  そして味噌加工ができるようになりました。
  雇用が発生して、若い人たちに、
  さらに田舎に来てもらえるきっかけになればいいなと思ってがんばっています」



兵庫県で復活した在来品種の青大豆。




味噌を始め、今後は、さまざまな加工品づくりに挑戦していくそうです!
楽しみですね。
そして、田舎暮らし倶楽部は、現在、
この取り組みの支援者を募るクラウドファンディングも実施されています。
https://readyfor.jp/projects/youkaasagi
興味がある方は、ぜひ!

VOL.141 「紙芝居」 東京

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今日の話題は、日本独自の文化財、「紙芝居」です。

世界中で親しまれていますが、紙芝居が生まれたのは、1930年ごろの東京の下町。
“街頭紙芝居”という形で誕生したんです。
街頭紙芝居というのは、駄菓子を売るための客寄せの道具です。

自転車の荷台に駄菓子を積んだおじさんが街の中に現れて、
紙芝居をしていたんですね。
それから、時を経て、児童文学となり、今では世界中へと広がっています。



「紙芝居の一番の魅力は、コミュニケーションの力だと思います。
 マイクを使わずに、肉声で、目の前の子どもたちに語りかけていきますよね。
そして、1枚1枚、抜いていきます。
その、抜く“間”って、演者が、子どもたちとのあいだの中で抜いていくわけです。
そこで、強烈なコミュニケーションが生まれるんです」



そう話してくれたのは、「紙芝居文化の会」で代表をつとめる酒井京子(さかい・きょうこ)さん。

紙芝居の魅力は、作品を木枠に入れ、一枚一枚、絵を抜いて、差し込むという独特の形式にあります。
文章は絵の裏に書いてあるので、必ず、演じ手が必要となります。
その演じ手は、子どもたちと向かい合う形で内容を伝めていきます。
目の前の子どもたちの反応を見ながら、声の大きさを変えたり、声色そのものを変えたり、
一枚一枚の紙を抜く“間”を取ったり、
そうしていると、おのずとコミュニケーションが生まれます。



「この優れた世界を子どもたちに伝えたいっていう想いで演じるだけで、
作品への共感が生まれて、そして、その場がひとつになっていくんですよね。
その体験って、子どもにとっては本当に嬉しいことだと思うんです」。




「紙芝居文化の会」は、紙芝居を愛する人、興味のある人、演じたい人など、
さまざまな人が国境を越えて出会い、学び合い、交流する場。
文化としての 紙芝居を、世界中に根付かせていくことが活動の目的です。

紙芝居をとおして、共感の輪を広げたい、
酒井さんは、これからの夢があると言います。

「いま、世界51カ国に紙芝居は広がっているんですね。
世界中に紙芝居が広がって、人々を幸せにしてくれたらいいなと考えています。」



もともとは日本の庶民の文化としてスタートした紙芝居が、
人と人をつなげるメディアとして大事にされ、そして、世界に広がっていく・・・。
その先には、きっと、平和がある気がします。
ステキな活動ですね。



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