みらい図鑑

VOL.133 「琉球ガラス」 沖縄県 

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沖縄県を代表する伝統工芸品。
そのひとつが、「琉球ガラス」です。

長い歴史を持っていますが、本格的に作られるようになったのは戦後です。
駐留米軍が飲んでいた、コーラやビール。
そういった、カラフルな色のビンをリサイクルして作られたんです。

暮らしの中にとけこむアートは、
日々、発展を遂げ、現在では、さまざまな材料が使われています。



いまでも変わらずに大切にされているのは、
ひとつひとつ、職人さんがハンドメイドで作っているということです。

沖縄県名護市にある「森のガラス館」。
こちらの工房長で、
琉球ガラス職人の大城尚也(おおしろ・なおや)さんに伺いました。



「機械では出せない、デザインや技法があります。
手にとって、これは手作りなのか、
ということは、ぼくたちは、すぐに判断できるんですね。
同じものがふたつとしてないですからね。
形が一緒に見えても微妙に違うし、
そして、なにより一つ一つに職人の想いがこもっています。
自分だって、まだ、修行の身だと思っています。
一生、修行なんですよね。
でも、終わりがないのが、やりがいです」



琉球ガラスを作り続けて30年。
30年作っていても、
「一生が修行の身です」と話してくれた大城さん。



琉球ガラスの魅力は、見て、触る、だけではなく、
実際に、自分で作ると、
より深く、わかっていただけるはずだとおっしゃっていました。



森のガラス館では、世界にひとつだけの、
「琉球ガラス・クラフト体験」もおこなっています。
大城さんをはじめ、
熟練の職人さんが丁寧に教えてくれます。

一度は試してみたくなりますね。

VOL.132 「無料スーパー」 東京都 

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今回は、「無料スーパー」の話題です。

無料のスーパー???
なんだか、とても気になりますよね。
日本では初めてとなる、
「無料スーパー」が、去年、オープンしました。

場所は、東京の多摩市です。

どういうことかというと、家庭や企業から寄付された食品を、
月に1回、棚に並べて、
必要な方へと無償で提供する試みです。



ズラッと、いろんな食品が並んでいますよね。
カップ麺や缶詰。
さらにはお米や野菜などもあります。

このイベントを主宰するのは、
NPO法人「シェア・マインド」。
代表理事の、
松本靖子(まつもと・やすこ)さんにお話を伺いました。



「いま、日本では多くの食品が捨てられています。
フードロスという言葉を聞いたことがある方も多いかもしれません。
これはものすごい量になるんですね。
“日本国民全員が、お茶碗一杯の食べ物を、毎日、捨てている“
そんな計算になります。
もしも、それが、みんなに行き渡れば、
いま、お腹をすかせている方は、食べられることになりますよね。
ところが、現実は、行き届いていません。
お互いをつなげる「フードバンク」の存在も知られていません。
どうしたらいいかと考えて、
「無料スーパー」という取り組みを始めました。
いまは、「無料スーパー」は、週1回のペースで開催しています。
家庭で余らせている食べ物が、
もっと集まれば、毎日、できるかもしれません。
そんな目標も持っています。
開催している中で、すごく心がけていることがあります。
どんな方にも気軽に利用して欲しいということです。
たとえば、「お困りの方、どうぞ」と言われても、
本当に困っていても、なかなか、使いづらいと思うんですね。
困っている方も、そうでない方も、
どんな方でも気軽に来られる場所にしたいんです」



「毎日の食べ物に困っている方」。
そして、「まだ食べられるのに、捨てられてしまう食品」。
ふたつをつなげる「無料スーパー」。
ステキな取り組みですよね。
これが、全国へと広がっていく日も近いかもしれません。


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