みらい図鑑

Vol.119「オーダーメイドの傘」 福井県

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今回は、雨の日には欠かせない「傘」の話題です。

熟練の職人たちが、1本1本、心を込めて傘を作る会社が福井県にあります。
高級傘の製造販売を行う「福井洋傘」。

織物や染物など、日本の伝統文化から生みだされる傘や、
伝統的な蛇の目傘を現代風にアレンジした洋傘、
さらには、メーカーと共同開発した素材を使用した、水滴をはじく “撥水性”の高い傘など、様々なラインナップを揃えています。




ただ雨をしのぐ道具ではなく、”五感で雨の日を楽しめる空間を提供したい”と話すのは、
「福井洋傘」、代表の橋本肇(はしもと・はじめ)さんです。

「想いを込めて作ったものっていうのは、
使う人も大事に扱ってくれるし、想いが入っていくんですよ。
みなさん子どもの頃って、雨、好きじゃなかったですか?
要は、機能性だけに特化してしまうから、楽しくなくなってしまうんですよね。」



橋本さん、雨の日の楽しみ方をこんな風に語ってくれました。

「近場の公園でいいので、雨が降った時に、二人で相合傘をしながら歩いてくださいよ、
って、僕は言うんです。
雨音を楽しみながら、寄り添いながら歩く時間を作れば、
ちょっとした小旅行に行くような感動は、たぶん感じてもらえるんです。
周りから見てもね、そういうのを見ると、ほっこりするものだと思うんです。」
大量生産される傘と、橋本さんの会社で作られる傘。
「一番、違うのは何ですか?」
そんな問いかけに、橋本さんの答えは、
「それは、雨音が楽しいかどうか」。

雨の日が楽しくなるような傘を皆さんも1本持ってみては如何でしょうか。


Vol.118「湘南VISION大学」 神奈川県

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神奈川県の湘南に新しい大学が5月にオープンしました。
名前は「湘南VISION大学」。

“大学”という名称がついてはいるものの、いわゆる国立や私立の大学ではありません。
子どもからお年寄りまで、誰でも参加できる“海の学び場”、それが「湘南VISION大学」です。

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具体的には、どんなことをする“場”なのでしょうか。

湘南地域の持続可能なまちづくりをめざし、
国際環境認証基準「ブルーフラッグ」の取得を目標に活動するNPO法人「湘南VISION研究所」、
理事長の片山清宏(かたやま・きよひろ)さんに伺いました。

「たとえば、親子でボディーボードを体験したり、
葉山でクルージングをしたりビーチでヨガをしたり、
まずは海を楽しむ、海に触れてもらおうと。
そういった授業を最初は用意していきたいなと思っています。」

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海を好きになる人を増やすることが、環境を守ることにつながる、、、
片山さんは、さまざまな体験講座を通じて、
若者を中心に海への関心を高めてもらおうと、6年ほど前から構想を温めてきました。

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そうして今年、満を持して立ち上がった「湘南VISION大学」が目指しているのは、
さらにその向こう側です。

「2020年に、東京オリンピックのセーリングが江ノ島で開催されるんですよ。
世界中から湘南の海が注目される絶好のチャンスだと思うんですね。
やっぱりきれいな海を次世代に残していきたい。これは当然です。
それに合わせて、海と共生した健康的なライフスタイル、湘南らしい暮らし方というのを、
湘南VISION大学の授業を受けてくれた仲間たちと一緒に進めていきたいと思っています。」

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地域に暮らす誰もが、生徒にも先生にもなりながら、海に触れて一緒に未来を考えていく。
海と仲良くなって、海を好きになることが、環境問題を考える一番の近道なんですね。

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