みらい図鑑

Vol.117「SENBEI BROTHERS」 東京都

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日本の”煎餅”に新しい風を吹かせている兄弟をご存知でしょうか。
名前は、「SENBEI BROTHERS」。

東京都の江戸川区で 、家業の煎餅工場を受け継いだ兄と弟。
創業半世紀の伝統の味をベースに、
バジル、ワサビ、ゴボウにショウガ・・・様々なフレーバーを盛りこんだ、
新しいスタイルの“SENBEI”で勝負しています。

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「SENBEI BROTHERS」の代表、兄の笠原健徳(かさはら・かつのり)さんに伺いました。

「イメージとしてはニューヨークのホットドック的な感じですね。
食べ歩きが絵になるような形です。
みなさん、日々、忙しくされているんで、隙間の時間におせんべいを食べてもらう
というのが、おせんべいの強みが一番マッチすると思ったんですね。
そういったイメージで、パッケージを作ったというのがありますね。」

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煎餅工場を立ち上げたのは、健徳さんの祖父。
最初は卸業専門でした。
その後、後を継いだ父からの代替わりで健徳さん兄弟が、何か新しいことを、と
オリジナルのブランドを立ち上げたのが、「SENBEI BROTHERS」。

二十年間、勤めたデザイン会社を辞めて、
今の時代に合った煎餅の企画を手がけています。

パッケージは、薄茶色の紙と透明のフイルムを組み合わせて仕上げられ、
一見するとクッキーやドライフルーツが入ってそうな、スタイリッシュなデザインです。

さらに、取り出す部分にはジップがついていて、機能性にもこだわっています。

バッグから出して、小腹を満たしたらパウチして、また手軽にしまえる。
“煎餅”が “SENBEI”に生まれ変わり、新しいニーズを呼び込もうとしています。

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工場長として1枚1枚、煎餅を焼いていくのは弟の忠清(ただきよ)さん。
老舗・煎餅工場の新たなブランド、「SENBEI BROTHERS」の可能性をこんな風に語ってくれました。

「美味しさもそうですし、今までにない新しいものを作れる可能性があるんですね。
そこを目指したいなと思っています。
小さいお子さんからおじいちゃんおばあちゃんまで、
幅広い層の方に食べてもらいたいなと思うんです。」

伝統の味を現代へ、SENBEI BROTHERSの挑戦はこれからです。

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Vol.116「備前焼の社員章」 岡山県

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岡山県を代表する伝統工芸、「備前焼」。
その歴史は千年を数え、平安時代にはすでに作られていました。

高温で長時間焼いた陶器は「投げても割れない」と言われるほど堅く、
細かい気孔があり、通気性に優れているという特徴を持っています。

そんな伝統工芸を今の時代に伝えていきたい、と生まれたのが、備前焼で作った「社員章」。

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手掛けているのは、一般社団法人「コミュニタスポジション」。

およそ2年前、備前市議から、備前焼のバッジを作れないかと相談されたことがきっかけで
はじまりました。

現在、岡山県内の企業を中心に広がりを見せているという備前焼の「社員章」、
粘土にレーザー加工したアクリル板を押し付けて型を取った後、
できた溝に白い粘土を埋め込んでデザインを完成させていきます。

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「コミュニタスポジション」、代表理事・水野重寿(みずの・しげひさ)さんのお話です。

「30代、20代、10代。
こういう世代の人たちが備前焼に触れ合う機会って、あんまり無いと思ったんですね。
アクセサリーとか、“あ、これちょっとかわいいね”と自分の生活に取り組んでもらえる
ようなツールがあれば、より多くの人に認知が広がると思って作っています。」

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「備前焼のバッジをつけることで、岡山県の郷土愛とまではいかなくても、
会話が弾むというようなお話も聞いていますし、
ファッションアイテムとしても使える備前焼のバッジが出来たと思っております。」

つけているだけで、地元を誇れ、かつ、会話も広がる「社員章」。
伝統産業の裾野を広げるために、水野さんたちの取り組みはまだまだ続きます。

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