みらい図鑑

Vol.115「日本の方言」 富山県

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今回のタカラモノは、「コトバ」。

地域ごとに根付いたその土地ならではの言葉を「方言」と呼びますが、
かつては、100を越える方言があったといわれています。

しかし、時代とともに交通手段が発達し、人々が暮らす生活圏が拡大。
「方言」も徐々に失われてきました。

富山大学・人文学部の中井 精一(なかい・せいいち)教授は、
全国各地へのフィールドワークをとおして、日本の方言を研究しています。

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方言を研究するうえで重要なのは、人が暮らす場所に実際に出向き、
その地域の暮らしの特徴やルールを観察して調査することなんだそうです。

※富山県砺波市の風景
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※研究室の学生さんたちによる富山県砺波市での調査風景?
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※調査風景?
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「方言」というものを中井教授はどんな風に捉えているんでしょうか。

「方言というのは、生活の中で、長い長い生活の中で生まれてきたものなんですよね。
だから、私たちにとって、かけがえのない文化だと思うんです。
その文化を語ることで、それぞれの地域の多様性を認められるような社会を
作っていけるんですね。
日本がこれからどんな新しい社会を作っていくのか、
方言というのは、そういうことと、すごくダイレクトに繋がっていると思うんです。」

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さらに、中井教授はこう続けます。

「“好きだよ”と言うのか、“好きやで”と言うのか。
そういった感情や感覚を表すような言葉は、
方言の表現が最もうまくいく部分だと思うんです。
どんどん遠慮せずに使って欲しいなと、ぼくは、そんな風に思っています。」

方言を語ることは、文化を語ること。
方言は、暮らしそのもの。

方言こそが多様性のある社会を作っていくんですね。

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Vol.114 「三富今昔村」 埼玉県

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埼玉県入間郡。
都心から車で1時間ほどの場所に、里山の魅力を親子で体験できるスポットがあります。
名前は、「三富今昔村(さんとめ・こんじゃくむら)」。

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この三富という地域には、かつて、自然と共に生きることが当たり前の「里山の暮らし」が
ありました。
遡ること300年ほど前。5代目将軍・徳川綱吉の側用人が、やせた土壌を豊かにするために
木を植え、水を生み出して里山をつくり、「三富」と名づけたのが始まりです。

時代の変化とともに、いつしかその自然は失われてしまいましたが、
森を再生するために、不法投棄されたゴミの回収から取り組みが始まり、
再び「里山」が復活しました。

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この豊かさをどうやって100年後に残せるか。
子どもたちにさまざまな気づきを与えたい、と作られたのが、
「三富今昔村(さんとめ・こんじゃくむら)」。

東京ドーム約4個分の敷地には、森だけでなく、アミューズメントパークや
カフェテリアパークなど様々な施設があり、
季節に応じたプログラムで豊かな自然や農業体験を楽しむことができます。

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「三富今昔村」を運営する会社、「石坂産業」、石坂知子(いしざか・ともこ)さんのお話です。

「年間通じて、3万人が訪れる里山体験となっていまして、
森の中で、自分たちで虫を探してもらったり、
落ち葉プールで落ち葉の中で泳いで遊んでもらったり、
自然と共生していることを感じ取って、そういった気づきを持ち帰ってもらっています。」

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「共働きで、普段、なかなか子供と接することができない親御さんが多いと思うんですね。
プログラムを通して、親子でコミュニケーションを取って頂きたいと考えています。」

四季折々の顔を見せてくれる里山の魅力。
こういう場所で同じ体験をするからこそ生まれるコミュニケーションが、
親子関係を、より豊かなものにしてくれるそうですね。

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