みらい図鑑

Vol.113 「高岡御車山祭」 富山県

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“100年後の地球へ語り継ぎたい、日本全国のタカラモノ”。
今回は、富山県の高岡市で、毎年、5月1日におこなわれる伝統行事、
「高岡御車山祭(たかおか・みくるまやま・まつり)」です。



江戸時代に加賀の前田利長公に贈られた、豊臣秀吉の御所車。
それが1609年、町民に与えられたのがお祭りの始まり。

400以上も続いているこの行事、
京都の「京都祇園祭の山鉾行事」や岐阜県高山市の「高山祭の屋台行事」などと同じように、
国の重要有形民俗文化財・無形民俗文化財の両方に指定されていています。



5月1日は、4輪の山車が6基、2輪の山車が1基、1日かけて街を練り歩き、
古くからこのお祭りが、高岡に暮らす人々をつなげてきました。

高岡御車山会館の館長、林昌男(はやし・まさお)さんのお話です。 

「高岡の御車山、実物をご覧になって、まず、すごいね!とおっしゃっていただけるのは、
車輪の装飾です。
二輪のものは、車輪の直径が2メートル5センチ、四輪のものでも160センチあります。」




「高岡はものづくりの街でもあるので、それぞれの車輪には、高岡の伝統的な漆や金物の
細工飾り物が施してあるので、“動く美術館だね”と言われます。
これはぜひとも残していくべきお祭り、そして、山車だと思っております。」






高岡町に住む人々の心意気に支えられている、格式高い「高岡御車山祭」。
“動く美術館”を見ながら、高岡市が誇る歴史と文化を感じてみては如何でしょうか?


Vol.112 「未来のプランター」 東京都

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家庭菜園には欠かせない「プランター」。
1955年、世界で初めて、東京で開発されました。
そう、「プランター」というのは、和製英語なんです。

「街の中から、どんどん畑が消えていく」。
「このままでは、食べ物が自分たちの手から離れて行くのではないか?」
そんな未来に対する憂いから生まれたといいます。




そして今、時を経て、全く新しい農のスタイルと“未来のプランター”が誕生。

開発を手掛けたのは、
元祖プランター開発者のお孫さんがCEOを務める「プランティオ株式会社」。

農体験を身近にする無料アプリと、
誰でも野菜作りを楽しめるIoT(モノのインターネット)を搭載した新型プランター。
提供するのは、この2つのサービスです。

CEOの芹澤孝悦(せりざわ・たかよし)さんに伺いました。

「具体的には、アプリで栽培をコントロールするんですけども、
例えば、野菜の芽が出ましたとか、花が咲きましたとか、
次は成熟期間ですとか、実がなりましたとか、様々な情報をアプリが教えてくれます。
そして、その情報は、自分に教えてくれるだけでなくて、
コミュニティの中に通知をしてくれます。」





そして、60年前に誕生した元祖プランターに、最先端テクノロジーを搭載した新型プランター、「プランティオホーム」。

ソーラーパネルを搭載、インターネット接続可能、
植物を育てるのに重要な測定値をAIが学習、、、など、
まさに最先端のプランターで来年にも製品化される予定です。



芹澤さんに、この取り組みにかける思いを最後に伺いました。

「植物が声を掛けてくれているように、ぼくたちに問いかけをしてくれます。
AIとかIOT(=モノのインターネット)というのはあくまでツールのひとつ。
多分、小さな一歩かもしれませんが、
みんなで育てて、みんなで食べるという世界を、
もう一回取り戻したいなと思っています。」

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