みらい図鑑

Vol.105 「甘酒と糀のある暮らし」 石川県

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今回のタカラモノは、「甘酒と糀のある暮らし」。
注目するのは、石川県金沢市にある老舗「ヤマト醤油味噌」です。



「ヤマト醤油味噌」のある金沢市大野町では、
江戸時代に加賀藩が産業としての「醤油醸造」を積極的にすすめたこともあり、
発酵食品の聖地として、古くから糀文化が栄えてきました。

そんな大野の町で、醤油、味噌、甘酒、、、さまざまな発酵食品を作り続けて107年。
「ヤマト醤油味噌」では、日本の食文化を支える”糀”の魅力を伝え、
「一汁一菜に一糀」、というライフスタイルを提案しています。

4代目の山本晴一(やまもと・せいいち)さんに伺いました。

「甘酒には二種類あって、“酒粕甘酒”と“糀甘酒”です。
実は、江戸時代から続く長い歴史があるのは糀甘酒で、ノンアルコールです。
古くて新しい飲み物だと思っていて、
この良さを、ぜひ、新しい若い世代にも伝えていきたいと思っているんです。」

「糀」と「麹」。
どちらも同じ「こうじ」ですが、「麹」は中国から伝わった漢字。
一方、「糀」は日本でできた漢字で、米を蒸した後に生えるカビが、
花の様に見えることから、この字が生まれました。




「発酵食品というのは、日本だけじゃなくて西洋にもあるんですよね。
例えば、チーズやヨーグルトなどです。
でも、日本にしかない発酵食品というのが“糀”を使った発酵食品なんです。
これで味付けをすると、なぜかわからないけど優しい味付けになるんですよね。」



「ヤマト醤油味噌」が作る甘酒は、「玄米甘酒」。
ノンアルコールで、砂糖は使っていないのに、優しくて甘い味。

牛乳や豆乳、炭酸、100%ジュースなど、割り方はいろいろ。
味のバリエーションを楽しみつつ、玄米と糀のチカラで腸美人も目指せる、、、
日本ならではの嬉しい飲み物ですね。

Vol.104 「1日2000円で銀座に自分の店を持てる空間」 東京都

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1日、2000円で、東京の銀座に自分のお店が出せる。
そんな夢のような空間が、じわじわと人気を広げています。
JR有楽町から徒歩5分。
銀座三丁目にある、「STAND GINZA / 80(はちじゅう)」です。



1平方メートルで区切った小さなスペースが、全部で80区画。
食べ物を売る人、洋服を売る人、アクセサリーを売る人、
日替わりで様々な人が、銀座に自分の店を構えています。




「STAND GINZA / 80(はちじゅう)」
こちらを企画した江口晋太郎(えぐち・しんたろう)さんに伺いました。

「これからの時代、本当に自分のちょっとした物語が、
人との接点になったり、場合によってはそれが新しい商売に繋がったり、
自分の生きがいだったり、働きがいだったりになると思うんですね。」



通常、銀座の一等地に店舗を構えようと思ったら、高額な資金が必要。
夢はあっても実現するのはなかなか厳しいのが現状です。

ですが、この“1日2000円で銀座に自分の店が持てるこの空間”なら、
誰でも気軽にトライできるということで、人気なんだそうです。

そんな「STAND GINZA / 80(はちじゅう)」、実は1年間の期間限定。
ブランドショップが入っていたビルのフロアが空き、
次のテナントが入るまでの1年間を有効に活用するために、
企業のコンサルティングやまちづくりに携わる江口さんたちが企画しました。



「意外と1平米とか2平米とか、多分、それぐらいでお店って成り立つんですよね。
どなたかのお店のファンで来た方が、隣のお店のファンになったり。
出展者同士でも、野菜を作っている人と洋服を作っている人が隣同士になって、
新しい出会いに繋がったり。

小さなチャレンジができるような場所を作ることに、
意味があるんじゃないかなと思いました。」

都心の中のちょっとした隙間。
江口さん、今後も様々な場所で、人と街を繋げる物語を作って行きたいとおっしゃっていました。

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