みらい図鑑

Vol.95 「SHY FLOWER PROJECT」

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パーティや結婚式などで飾られる”花”。
それらの多くは、役目を終えたあと、まだまだキレイなままの状態で捨てられてしまいます。

「これは、もったいない!」

そう考えた、一人の女性が始めたプロジェクトが、今、全国に広がっています。
廃棄花をさまざまなものに加工する取り組みです。





「SHY FLOWER PROJECT」、代表の古橋あや香(ふるはし・あやか)さんにお話を伺いました。

「結婚式とかのお花って、実は、二時間とか三時間で捨てられてしまうんですね。
それを、なにか別のものにならないかな、面白いものにならないかな、って
考えること自体がすごく楽しいんです。」

プロジェクトの作業ですが、まずは、花を使った会場に出向いて、廃棄される花を回収します。
その後、回収した花をドライフラワーや押し花など、長く楽しめるものに加工。
作品の売り上げは、新たな活動資金として活用されます。




「たとえばお花屋さんで売っている新鮮な花よりは、色がくすんでしまったりするんですが、
それが逆に、味として捉えられて、
アンティークっぽいアクセサリーに生き返らせることができるんです。」

ピアス、ヘッドアクセサリー、コサージュなどのアクセサリーにも再生可能で、
オーダーメイドもできるんだそうですよ!




「自分だったらこれをどう生き返らせるだろう?っていうアイデアが、
どんどん生まれてくることが楽しいと思っていて、
もともとゴミにしかならなかったものが、
そうやって私たちの気持ちを楽しくさせることがすごく価値のあることだと思って
活動しています。」

「SHY FLOWER PROJECT」がスタートして5年。
楽しみながら、社会的なメッセージを投げかけることもできるこの取り組み。
女性男性を問わず、共感の輪が広がっています。

Vol.94 「あきた森の宅配便」 秋田県

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地方に暮らすおばあちゃんやおじいちゃんにとって、
山に入り、美味しい山菜を探してくるなんて朝飯前かもしれません。
都会の人にとっては、もちろん、違います。
そもそも、山のどこに山菜があるのか見当もつきません。
美味しい山菜がわからないどころか、
食べられるものと食べられないものを見分けることも出来ません。



山のおばあちゃんやおじいちゃんは、すごい。
すごいけど、決して、スポットライトを浴びることはありません。
スポットライトを当てたら、どうなるんだろう。



秋田県で生まれた「あきた森の宅配便」という会社は、
おばあちゃんやおじいちゃんたちが、
都会に暮らす方に代わって、山で探した山菜を送っています。



 「山菜採りに行く人たちのことを山の名人と呼んでいるんですが、
 その技術や知識に着目して、
 名人たちを主役にしてやっているんですね。



教えてくれたのは、「あきた森の宅配便」
代表の栗山奈津子(くりやま・なつこ)さん。



 「都会から山菜の注文がくると、やっぱり気合が入るんですよね。
 この仕事が生きがいと話してくれるおばあちゃんもいて、
 そういう姿を見ていると、わたしも本当に嬉しくなるんですよ」




今、日本中の多くの地方が、少子高齢化と過疎化という問題を抱えています。
どうやって地域に光を当てるか、試行錯誤しています。
「あきた森の宅配便」の場合は、
山菜を採る、おばあちゃんやおじいちゃんを主役にしているんですね。
物語をまとった山菜。
それを売り出している栗山さんは、まだ、二十代です。

「あきた森の宅配便」のウェブサイトには、
山の名人紹介のページがあり、
そこには30人のおじいちゃんおばあちゃんが掲載されています。

たとえば石垣一子さんの場合、得意な山菜は、「ふきのとう」。
趣味の欄には、「孫と遊ぶこと」と書いてあります。
「もりの宅配便」がまとっているもの。
それは、まるで実家から送られてきたような温もりです。



 「森とか自然を活かしつつ、人間と動物や植物との共存を、
 もっともっと考えて、
 それで、地元の風景を残していきたいな思います」



山菜という恵みは、山からやってきます。
「だからこそ、山菜と一緒に、、、山を大切に想う気持ちも届けたい!」
ステキな取り組みですよね。




おばあちゃんおじいちゃんの名人たちが、山で採った山菜。
インターネットで販売されていて、
今は、年末に向けて、「天然山菜そば」が人気だそうです。
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