みらい図鑑

Vol.51 「飴細工」 東京都

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今回のタカラモノは、「飴細工」。
砂糖を熱して、飴状になったものをいろんな形につくりあげる製菓技術です。
子供のころ、お祭りの日に、「世界に一つだけの飴細工を作ってもらうのを楽しみにしていた」、
という方もいるのではないでしょうか。




見て楽しい、食べておいしい、日本の伝統的な飴細工は、
温かい飴が冷めてしまう前のたった3分ちょっとの間に、
職人さんたちが手品のように作品をつくっていく匠の技。

東京の下町、千駄木にお店を構える「あめ細工吉原」では、
パンダ、ライオン、キリン、シロクマなど、100種類にも及ぶ動物を、
その場で実演販売して子どもたちに大人気です。



若手女性飴細工師の加藤妹子(かとう・まいこ)さんに伺いました。

「最初は、おじいちゃん、おばあちゃんやお父さんお母さんに連れて来られて、
そんなに乗り気じゃないっていうお子さんも中にはいらっしゃるんですけど、
好きな動物を選んでもらって、目の前で作っていくと、
本当にあっという間に形が出来上がっていくので、
そのビックリした表情がとても印象的です。」




大学時代に培ったガラス工芸技術と日本伝統飴細工のコラボレーションとする加藤さん。
新商品の企画やデザインを担当しています。

確かな技術と豊かな感受性から得るインスピレーションを元に、
見ていて自然と笑顔になるような、 楽しい飴細工が持ち味だそうです。

「お客さんと作り手の間で、短時間で作るということで、
音楽とか演劇みたいに、作っている時間を共有できるという喜びが一番大きいです。
そのあと、飴細工なので最後にお召し上がりいただけるという、
すごく楽しい要素がたくさん詰まっているものだと思います。」




加藤さんは、飴細工の世界に飛び込んで8年。現在、33歳。
お店を訪れた子どもたちが、「将来、飴細工職人になりたい」と言ってくれる声が、
一番うれしいと語ってくれました。

「あめ細工吉原」には、将来の飴細工師のタマゴたちが今日もたくさん訪れています。
100年後にはどんな形の飴細工があるのか・・・想像すると楽しくなりますね。

Vol.50 「薪ストーブ」 高知県

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今回のタカラモノは、”薪ストーブ”。

国内でもっとも森林の割合が高い都道府県、高知県。
面積のなんと84%が森林なんだそうです。
ススキノキが多く、それを活用した薪ストーブがあればきっと地域も元気になっていくと、
薪ストーブの製作・販売を始めた方がいます。

「おのストーブ」、代表・小野正敦(おの・まさのぶ)さん。
お客様から要望を伺い、家にあった薪ストーブを製作します。

「薪ストーブは、薪を燃料として部屋単位ではなく、家を一軒分暖める暖房器具です。
火があると、みなさん火を囲んで団欒を楽しんだり、人は集まってきますよね。
親子の会話が増えたとか、そういう喜びの声をいただいたりもしています。」





ファンヒーターとは違い、遠赤外線でモノや人温めてくれる薪ストーブ。
遠赤外線の特徴は、ポカポカ真まで温まること。太陽と同じですね。

火があると、人は火を囲んで話したくなる。
そんな薪ストーブですが、東日本大震災の後には日本全国から問い合わせがありました。

「この薪ストーブというのはローテクなので、いざライフラインが止まった時に、
調理も出来るし、暖房にもなるし、灯りにもなるということじゃないですかね。
薪ストーブがこれから先、普及していって、どんどん山に手が入っていけば、
自然環境保護にもつながっていくと考えています。」


「木」を使う薪ストーブは、木を知ることにつながる、と小野さんは語ります。
山で木が大きく成長した土壌には日光届かず荒れて、大雨になると土砂災害が起きたりします。
自然保護の観点からも、薪ストーブは大事な役割を担っているのです。




薪ストーブの炎は、真から温めてくれる究極の暖房器具。
そんな薪ストーブの前で誰かと笑い合えると、体と心はもうポカポカですね。

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