みらい図鑑

VOL.278「ソイコティ」

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古くからの豆産地、山梨県・身延町。

この地に伝わる「あけぼの大豆」は、大粒で甘みが強く、
市場にあまり出回らないことから、”幻の大豆”と呼ばれています。

そんな地域の特産を使って、町を元気にするという任務に就いているのが、
「地域おこし協力隊」として身延町に移住した、
幡野寛人(はたの・ひろと)さん。

栽培の技術を学び、研究に協力し、
新たな商品開発を手掛けることなどがミッションです。

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取り組みの一環として開発されたのが、「ソイコティ」。

あけぼの大豆をコーヒー豆のように焙煎し、
その粉をお湯に溶かして飲むという、
幡野さんの、無類のコーヒー好きが高じて生まれた、新しい発想のノンカフェイン商品です。

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大豆のソイ、コーヒーのコ、
お茶のティを合わせて命名された「ソイコティ」のラインナップは2種類。

きな粉のような甘みと香ばしさが特徴の「ナチュラル」と、
コーヒーのような苦みが特徴の「ビター」。

口に含んだ瞬間に広がる優しい香りと味わいは、大豆そのもの。
地元・身延町だけでなく、全国にファンを広げています。

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あけぼの大豆の新境地を切り開いた幡野さん、
「ソイコティ」について、こう語ります。

「あけぼの大豆は生産量が限られていますが、
ソイコティを通して伝えたいことは、
大量生産ではなく、ひとつひとつ、手作業で丁寧に作っているということなんですね。」

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「愛情を持って、手間をかけて、想いを込めて作っています。
あけぼの大豆も、ソイコティも、
いまの時代だからこそ、ひとつひとつの大切さを、
小さいことかもしれませんが伝えていきたいんです。」

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幡野さんは、地域おこし協力隊の任期が終わった今も、
身延町に残って、町の未来のために取り組んでいます。

VOL.277「MADE IN 広陵町の靴下」

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日本一の靴下の産地、奈良県・広陵町。

かぐや姫でおなじみ、
「竹取物語」の舞台になった町としても知られています。

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もともと、広陵町やその周辺のエリアは、
江戸時代初期に、「大和木綿」や「大和絣」と呼ばれる織物の産地として栄え、
本格的に靴下づくりが始まったのは、100年以上も前。

現在も多くの靴下工場があり、
それぞれの職人さんが、こだわりの“ものづくり”をおこなっています。

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地域の靴下づくりの文化を未来へと伝えたい。

そんな思いで、
数年前に「ROTOTO」という靴下ブランドを立ち上げたのが、石井大介さんです。

石井さんが最も大切にしていることは、
靴下職人さん、一人一人との話し合い。

とことん穿き心地と素材にこだわり、
無数にある糸、そして、昔ながらの編み機と最新の編み機を駆使し、
職人さんが理想の形へと仕上げています。

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「靴下のものづくりの醍醐味は、糸と糸の掛け合わせなんですね。
たとえばコットンとリネン、ウールとナイロン、
それから、シルクとコットンだったりですよね。

いろんなものを掛け合わせて、
素材と素材の良さを兼ね備えた生地を作って、
新しい履き心地を作っていくのが楽しいですね。」

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ビジネスソックスから、カジュアルソックス、
スポーツソックス、介護用のソックスなど、
靴下と、ひとくちに言ってもその種類はさまざまです。

そして工場もそれぞれに得意な分野がある、と石井さんは語ります。

「ぼくが作ったもの、というよりも、
周りの工場と一緒に作ったものだと思っています。

自分が住んでいる奈良県で、ものづくりをして、
それが地域の人にも、そして、世界の人にも履いていただいているというのは、
不思議なことで、そして、嬉しいですよね。」

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「made in Japan」だけでなく、
「奈良県産」と書かれている「ROTOTO」の靴下。

“一生愛せる消耗品”をコンセプトに、
奈良の文化を世界に発信し続けています。


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