みらい図鑑

VOL.214「森の香りのおしぼり」

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今回の主役は、「森の香りのおしぼり」。

作っているのは、
岐阜県に本拠地を構えるアロマブランド「yuica」です。

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香りは全部で4種類。

飛騨高山で育った、
「クロモジ」、「ニオイコブシ」、「ヒメコマツ」、「ヒノキ」の
間伐材や枝葉から精油を抽出して、おしぼりに香りをつけています。

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高級楊枝の材料に使われる「クロモジ」は、
爽やかな香りの後に、ほんの少し感じる甘味がかった香りが特徴。

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「ニオイコブシ」は希少価値が高く、
フローラル系の華やかな香りを感じます。

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柔らかな甘みと清々しい香りが特徴の「ヒメコマツ」に、
落ち着きのある懐かしい香りで、日本人にとっては馴染み深い「ヒノキ」。

それぞれの精油に、リラックス作用やリフレッシュ作用などがあり、
おしぼりの袋を開けると、森林浴をしているような気分が味わえます。

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「おしぼりというと、布に消毒液がついて、
手をきれいにするというのが一般的だと思うんですけど、
本物の森の香りのおしぼりというのは、なかなか、ほかにはないと思います。」

そう語るのは、「yuica」の代表で調合師の三津家規瑛(みつか・のりえ)さん。

香りの奥にある、自然の声を聴いてほしい。
そんなメッセージを込めて、天然の香りにこだわった商品をつくっているといいます。

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「嗅げば嗅ぐほど体に馴染んでいって、
自然とのつながりだったり、古くから日本人が親しんできた香りだなと感じています。
また、それを感じる機会が、みなさん減っていると思うので、
本物の香りを感じることで、忘れていた感覚や、
本当に大事な感覚が呼び覚まされるんじゃないかな、と思います。」

小さな袋の中に、日本の森がつまった「森の香りのおしぼり」。
みなさんも、このおしぼりでホッとひと息ついてみませんか?

VOL.213「通園通学帽子」

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小学生の黄色い帽子。
懐かしく思い出される方も多いかもしれませんね。

岐阜県岐阜市にある「河田製帽」は、帽子を作り続けて100年以上。
市内の学童帽子の、およそ9割のシェアを誇る老舗です。

黄色だけではなく、赤や青、
あるいは、制服と同じ生地を使った帽子製作を手掛けるなど、
それぞれのリクエストにあわせて、ひとつひとつ手作業で縫い上げていきます。

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帽子特有の曲線をきれいに出すのは、洋服の仕立てよりも難しく、
その縫製技術は、とても高度な技だと言われています。

子どもたちの帽子を作り続けて55年の大ベテラン、
帽子職人の牧野正江(まきの・まさえ)さんに伺いました。

「仕事、ひとつひとつがすごく細かいし、丸みを帯びてるし、
縫うところも短いから、入ってすぐは難しいと思います。直線縫いが無いですから。」

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生地の裁断から仕上げに至るまで、全ての工程を自社で行う「河田製帽」。

様々な作業を経て、1つの帽子が出来上がるのですが、
どの作業も重要で、そこに関わる職人は気を抜くことができません。

牧野さん自身も、生地の継ぎ目に数ミリのずれも許さないといいます。

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「50年経っても、気持ちは初めての頃と変わらないですね。
ひとつひとつ丁寧に作ることですね、やっぱり。
今日は綺麗にできるように、今日は綺麗に出来るように、という願いを込めて、
毎日、朝、来ています。
スクールバスを見かけると、中に子供さんがいるでしょ。
それを見ると、“ああ、被ってくださっている、ありがとう”っていう気持ち。
それなんです。」

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55年経っても、「モノヅクリに挑む気持ちは、初めての日と同じ」、と話す牧野さん。
妥協のない丁寧な仕事と愛情が、子どもたちの笑顔をつくっているんですね。
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