みらい図鑑

VOL.212「瀬戸田のエコレモン」

radikoで再生する
null

今回の主役は、「国産レモン」です。

レモンの生産量日本一は、広島県。
中でも、「レモンの島」と呼ばれているのが、
瀬戸内海に浮かぶ、瀬戸田町・生口島(いくちじま)。

null

安価な輸入物のレモンに対抗するためには、どうすれば良いか?

地域をあげて取り組んだのは、
環境ホルモンに疑いのある農薬を、一切使わずに育てることでした。

そうやって生まれたのが、
広島県・瀬戸田町の“皮ごと食べられる”「エコレモン」です。

null

生口島で、三代にわたり、レモンをはじめ13種以上の柑橘栽培を手掛ける、
指導農業士の原田悟(はらだ・さとる)さんにうかがいました。

「レモンというのは、もともと、暖かいところで、風が当たらないようなところ、
そして、寒さが来ないところ、この3つが条件だと思います。
ここは、しまなみ街道の中の真ん中の島になるんですが、
地中海と同じような気候になるんですよね。瀬戸田だから出来ることがあると思います。」

年間平均気温が15.5℃という暖かい気候と、水はけの良い土壌、
そして、年間の降水量が少ない瀬戸田。

そんな島の環境と生産者の皆さんの努力が、おいしいレモンを育んでいます。

null
null

ハート型のレモンや、星型のレモンなど、見た目にインパクトのあるレモンもつくり、
全国のレストランやカフェから好評を得ているという原田さん。

レモンの品質向上はもちろん、付加価値をつけるための新たな挑戦で、
その可能性を広げています。

null

「“瀬戸田のレモンはコクがある”と言われるんですね。
甘味があるから美味しい、と。
これからも、地域が見えるレモン作りがしたいし、
地域にみなさまにも来ていただければ良さがわかると思います。
ぜひ、お越しください!」

null

酸味もありながら、みかん並の糖度を誇る瀬戸田の「エコレモン」。

オススメの食べ方は、
皮ごと輪切りにして香り付けをする「レモン鍋」だそうですよ。

VOL.211「鹿革の名刺入れ」

radikoで再生する
null

社会人の必須アイテムのひとつ、「名刺入れ」。
その素材はさまざまですが、今回、注目するのは「鹿革」です。

null

北海道にある、鹿の革製品を製造する会社「レザレクション」。

一流ハンターが狩猟した鹿は、
新鮮で高品質な革を保つため、二時間以内に冷凍保存、
解体から縫製まで、全ての工程を自社で手掛けています。

現在、日本に流通している皮革は、ほとんどが海外産という現状のなか、
数少ない国内一貫生産の会社です。

null

「レザレクション」、代表の林徹さんに伺いました。

「いま、日本全体で鹿が増えすぎたため、害獣としての問題を抱えています。
年間に60万頭近くが獲られているんですが、
そのうちの9割以上は、廃棄されている現状があります。
鹿革というものは、しなやかを長い間保って、水にも強く、
お手入れもいらなくてずっと使える、凄く良い革なんです。」

null

家族ができて、東京から北海道に移住した林さん。

肉を食べるということは、“命を頂いている”ということに改めて気付き、
その後、狩猟免許を取って山に入るようになりました。

自分が仕留めた鹿を頂いた時、
“ありがとう”という気持ちと、鹿に対する責任を感じたといいます。

そこから鹿について勉強していくなかで、狩猟後、多くが廃棄処分になっていることを知り、
なんとかして、良いサイクルを生みだせないかと、
革製品づくりをスタートさせました。

null

「きちんと処理・管理をして、良いものとして使っていただくお客様にも喜んでもらい、
鹿の命も大事にしたいと思っています。
一生ものというか、それ以上、たとえば、お子さんやお孫さんまで使っていただけるような、
想いを乗せられる商品になっていると思います。」

null

100%国産にこだわり、
日本の未来も考えて作られる「レザレクション」の鹿革製品。

そのバックボーンを知ることは、
命から頂いた素材を人間が活用する意味を知ること。

鹿への感謝の気持ちを忘れることなく、大事に長く使っていきたいアイテムですね。
Prev [P.66/171] Next