みらい図鑑

VOL.208「夜道を安全に!新潟のニット産地が開発した反射材マフラー」

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新潟県のほぼ中央に位置する町・五泉市。
五つの泉の市、という地名の通り、水資源に恵まれたこの地域は、
“ニットのまち”として知られています。

ニットを編む会社、縫製する会社、
糸を染める職人さん、刺繍屋さん、さらには、ニットの風合いを整える会社など、
さまざまな工程を担う工場が集まっていて、
この地域で作られた製品は、「五泉ニット」と呼ばれます。

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そんな地域で、この冬、
“ある機能性”を持ったマフラーの製作が実験的に行われました。

歩行者の夜間の交通事故を防ぐために、何ができるか?

この取り組みは、新潟県警、五泉署、「五泉ニット工業協同組合」などが連携。
それぞれ、専門分野からの視点で知恵を出し合い、
暗闇でも車のライトを反射する「夜光反射機能付きマフラー」が完成しました。

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事業者間で連携して五泉ニットのブランド化を図る、「五泉ニット工業協同組合」。
事務局長の高橋正春(たかはし・まさはる)さんにお話をうかがいました。

「地元の警察署の方とお話をしているときに、
“夜光反射材を使ったグッズは、いろいろある”と。
でも、その定着率はとても低いと聞いたんですね。
私たちの地域は、五泉、という“ニットのまち”ですから、
ファッションを活かしたグッズを作れないか、ということで、
反射材のマフラーを作ったんですね。」

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交通安全を身近なファッションに取り入れてもらおうと、
新潟県警とのコラボレーションで作られた五泉ニットのマフラー。

歩行者の身を守る反射材を、気軽に身に着けることができると、反響は上々です。

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「こういう商品を待っていました、という声をたくさん聞きました。
機能性に特化したものっていうのは、反響があるんだなという印象がありますね。
マフラーに続いて、第二弾、第三弾の機能性ニットを作っていきたいと思います。」

機能性とファッション性を兼ね備えた、このマフラーをきっかけに、
五泉市の地場産業、その可能性がさらに広がっていきそうです。

VOL.207「ウエットスーツのバッグ」

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ダイビングやサーフィンをするときに着るウェットスーツ。
その生地を使って作られたバッグが、人気を集めています。

素材は、厚さ3ミリの合成ゴムの両面に、ナイロンやポリエステルを貼った国産品。
水を通さず、軽くて柔らかく、衝撃にも強いのが特徴です。

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開発したのは、日本の職人技を活かした商品を開発する会社、「ヘリテイジ」。

バッグの名前も、社名と同じ「ヘリテイジバッグ」です。
ヘリテイジ=遺跡・遺産。
後世に残るような商品やサービスを開発して届けたいと、命名されました。

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ウェットスーツの生地を使った商品開発は、
ノートパソコンのカバーの企画からスタート。

そして、動物や海の生き物がモチーフになった抱き枕や小物入れ、
さらにバッグも、、、と、素材の良さを活かしたアイテムが次々と誕生しました。

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「ヘリテイジ」・代表の立石英喜(たていし・ひでき)さんに伺いました。

「ウェットスーツの素材というのは、厚みが3ミリぐらいの生地を使っているので、
生地と生地の合わせ目を接着してから縫製しています。
縫い目からも水が入らないので、極端な話、バケツにもなるんですね。」

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優秀な機能性からもわかるとおり、使っているのは高価な素材。

水を通してしまったり、耐久性がなかったり、質感が良くなかったりするものでも、
“ウェットスーツの素材を使用”と謳う“ニセの商品”が多かったことに、
立石さんはとても苦慮していたといいます。

「この素材を使うことが、
軽くて丈夫、感触も良くて、水を通さないという商品価値につながるので、
高価なんですが、あえてそのまま使うことによって、
バッグとしてのメリットが増えるんじゃないかと思います。」

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素材の特性と、職人さんによる熟練の技の融合。
ホンモノだけが「ヘリテイジ(遺産)」と呼べるんですね。

土砂降りの日に、このバッグ、使ってみませんか?


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