みらい図鑑

VOL.196「オーガニックコットンのぬいぐるみ」

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ひとつひとつ、顔も色も違う、うさぎとくまの「ぬいぐるみ」。
作っているのは、オーガニックコットンの子供服を作っているブランドです。

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洋服を作っていく過程では、
編み地の切れ端など、どうしても、廃棄せざるを得ない部分が出てしまいますが、
せっかく大切に育てられた素材は無駄にしたくない。

これで、なにができるだろう。
そんなとき、一人のぬいぐるみデザイナーとの出会いがありました。

“小さな切れ端でも、繋ぎ合わせれば、かわいいぬいぐるみができますよ”。
そんな一言からこのコラボレーションがはじまり、新たなぬいぐるみが生まれました。

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子供服ブランド「cofucu<コフク>」を手がける会社、
「小林メリヤス」の代表、木村彰(きむら・あきら)さんのお話です。

「この編みぐるみは、余った生地の寄せ集めで、
それをうまく利用してひとつのぬいぐるみに仕上げていきます。
すべての顔の表情や色は、100体あれば100通りあります。
すべて違います。
縫い糸もオーガニックコットンを使っていますし、
中の詰め物もオーガニックコットンにしています。
なんとも言えない優しい風合いも、この商品の特徴です。」

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「小林メリヤス」の工場は大量生産ではありません。
水と空気の綺麗な南アルプス市のファクトリーで、大事にものづくりをしています。
原料から、ものづくりに関わっている人に思いを馳せる、
そんな想いに共鳴する人が、手に取ってくれることが多いといいます。

「わたしたちは、よく20年後の地球へつなぐ、という言葉をよく言います。
生まれてきた赤ちゃんが成人を迎える頃、
今よりも、より良い環境になっていてほしいなという想いで、
ものづくりをスタートしたブランドなんですね。」

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日本で流通する繊維製品のうち、国産の比率は、現在、たったの2%。
木村さん、日本の技術を次世代へ伝えていくために、
これからも、心を込めたものづくりをしていきたいと話してくれました。

VOL.195「足袋のランニングシューズ」

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「足袋づくりの街」として、300年以上の歴史を誇る埼玉県行田市。

木綿が採れたことや、江戸から中山道が伸びていて宿場が近くにあったことから、
江戸時代に城下町を中心に足袋づくりが奨励され、
足袋の産地として知られるようになりました。

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この町を舞台にして、老舗の足袋メーカーがランニングシューズを開発する物語が、
テレビドラマでも大ヒットしました。
ですが、これは物語の中だけの商品ではありません。

裸足に近いランニングシューズを作れないか、という熱いラブコールを受けて、
足袋で作ったランニングシューズ、「MUTEKI」が誕生しました。

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開発したのは、行田市に工場を構える老舗・足袋の館、「きねや足袋」。
3代目・代表の中澤貴之(なかざわ・たかゆき)さんのお話です。

「工場内というか、会社のなかでも、ごく限られた人数でやっていまして、
当時、親父が社長だったんですが、
内緒にして、強い想いで1年半という期間を経て開発しました。
天然ゴムを使っているので、接着剤を使わずに、すべて手縫いなんですね。
その軽さから、今までにない履き心地で、
気持ちがいいという声をいただくことが多いですね。」

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足袋といえば、着物、仕事、、などのイメージがありますが、
中澤さんは、違ったチャンネルで、足袋を役立たせたいと思っていたといいます。

“人間の機能を活性化させる”というコンセプトのもとに作られた、足袋のランニングシューズ、
どんな魅力があるんでしょうか?

「足袋は、あまり知られていなくて日常的にも使われていないんですが、
蒸れにくく、足の匂いを軽減したり、角質が取れて足裏が柔らかくなったりとか、
指を使うので脳に刺激を与えたり、
膝や腰の痛みを軽減する、、、というような魅力があるんですね。
こういった魅力を未来へしっかりとつなげていきながら、
靴やスリッパのように、日常の履物として使ってもらえたら嬉しいなと思っています。」

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伝統に裏打ちされた高い技術があってこそ発信できる、革新的なアイデア。
足袋のランニングシューズの愛用者は、全国に少しずつ広がっているようです。

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