みらい図鑑

VOL.184「オリーブ」

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食欲の秋。たくさんの果実が収穫期を迎えます。
そのうちのひとつが、「太陽の樹」と呼ばれる オリーブ。

旧約聖書にも登場し、平和の象徴でもあるオリーブは、
数千年に渡って 世界中の人々の生活に寄り添ってきました。

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そんなオリーブが日本で本格的に栽培されたのは、約110年前。
瀬戸内海で2番目に大きな島、香川県小豆島でスタートしました。

小豆島でオリーブ農園を営む「テマトカ」、代表の高野真也(たかの・しんや)さんに、
お話をうかがいました。

「小豆島のオリーブの歴史は1908年、明治時代から始まります。
オリーブは島の至るところにあって、
雨が少なくて台風の影響が受けにくいという、瀬戸内独特の気候が、
オリーブに合っていたんだと思います。」

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オリーブはアクがとても強いので、そのままでは食べられません。
「テマトカ」では、アク抜きの方法を試行錯誤し、加工品づくりにも力を入れています。
どんな加工品があるんでしょうか?

「“新漬け”といわれる、アク抜きをした後に塩水で漬けたもの。
そのあと、オリーブオイルが11月、12月に出てくるんですね。
本当は、生活の中にもっと小豆島産のオリーブが入ってくればいいなと思うんですが、
国産のオリーブは、なかなか数も量も少なくてとても貴重なんです。
ですが、本当に美味しいオリーブオイルが採れますので、
ぜひこれは皆さんに味わっていただきたいな、といつも思っています。」

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ほかにも、春に伸びたやわらかいオリーブの新葉だけを手で摘み、
ゆっくりと低温乾燥させた、「オリーブティー」。

農薬、化学肥料を使わずに育てたオリーブの木から作られた、
やさしい味わいのオリーブの葉のお茶です。

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漢字で「手間土果」と書いて、「テマトカ」。
手間ひまかけて、大地から恵みをいただく、、、
そんな思いが込められた屋号のもとで育つオリーブ。
秋、冬、そして来る春の食卓に、エピソードを添えた国産オリーブを並べてみませんか?

VOL.183「さとうきびの搾りかすで作るジーンズ」

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沖縄の原風景とも言える「さとうきび畑」。
ですが、農業人口の減少によって、畑の面積は減り続けています。

この風景を守るために、なにができるだろう。
そんな発想のもと、去年、誕生したチームが「さとうきび創生ラボ」。

「バガス」と呼ばれるさとうきびの搾りかすを活用し、「ジーンズ」を作る。
それが、このチームが取り組んだ、さとうきびに新たな価値を生み出す新たなチャレンジです。

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バガスは、繊維がとても固く、糸にするのが難しいと言われています。
どんな工程を経て、ジーンズに生まれ変わるのでしょうか?

まず、沖縄県内の製糖工場から出たバガスを粉末にします。

それを岐阜県美濃市にある特殊紙の開発を行う会社に送り、
マニラ麻と混ぜて和紙をつくります。

そうしてできた和紙を縦に細かく切って、
ひねりを加えることで、バガスの“和紙糸”が完成。

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その後、デニム産地である広島県福山市の工場で、
「バガス和紙糸」と「綿糸」を織り合わせ、デニム生地に仕上げます。

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このデニム生地、最後は沖縄に戻り、
沖縄市のデニム工房で縫製され、ようやくジーンズの完成となります。

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「さとうきび創生ラボ」のメンバー、富井 岳(とみい・がく)さんにお話を伺いました。

「あくまで、このジーンズは、さとうきびを活用した新しい産業価値ということで、
フラッグシップのように考えているんですが、
ここであがった販売収益を、うまく農家さんに還元して、
一次産業に貢献するような取り組みがしたいんですね。

たとえばデニム生地を使ったユニフォームを作って、それを農家さんに支給したり、
そういった取り組みを具体的に行なっていきたいと思っています。
それで、若い人たちに注目してもらえるような産業価値を、
どんどん作っていければいいかなと考えています。」

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さとうきびの搾りかすから作った、全く新しいジーンズ。
サラサラとした軽い肌触りが、沖縄の風土にも合っているそうです。

沖縄のさとうきびから生まれたエシカルデニム
https://shimadenim.com/


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