みらい図鑑

Vol.4 「桜染め」 福岡県・朝倉市

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着物に洋服にストール、、、布をピンク色に染める技術、
それが今回のタカラモノ、「桜染め」です。

昔からある桜染めですが、実は桜で染めているのではなく、
別の植物で桜色に染めたり、赤い布の上に白い布を乗せて透けて見える色を「桜色」と言ったりして、桜だけで染めたものはなかったそうです。

憧れの桜色をどうしても桜で染めてみたい、
その思いだけで何年も試行錯誤を繰り返してできたのが、
今回の舞台、福岡県朝倉市にある「工房夢細工」の桜染め。



ですが、驚くことに桜の花びらで染めているわけではないのです。

「桜染めっていうと、桜の花びらで染めたんですか?って言われるんですよね。
でも、ぼくがやっているのは、花になる前の蕾にピンクがあるでしょ?
蕾のピンクと手前の枝にピンクの元がある。
その両方を出してきて、それを熟成してピンクにするという方法を取っているんです。」

と語ってくれたのは、「工房夢細工」の代表、小室容久さん。

桜の枝の中には他の色も含まれていて、普通に染めるとあまりピンク色にはならないそうなのですが、小室さんは何年も研究を重ね、ピンク色だけを取り出すことに成功。

桜の蕾は花が咲き終るとすぐに次の蕾ができて、冬の間、ピンク色が熟成されます。
その小枝を集めて、数十日のあいだ、じっくりじっくり熟成して色を出すのが工房夢細工の桜染め。




「桜染めは、身にまとった人の肌を桜色にして、桜自身が自己主張することなくまわりの人を桜色にしていく。そういう性質をもっているんです。
桜の色を見て怒る人はいない、みんなを和ませて幸せにする。
それが桜のすごさなんですね。
花が咲く前の枝の中に桜色が潜んでいる。それを引き出して、布の上に桜の花を咲かせるという作業を日々、やっているんです。」




桜の蕾と枝から色を取る「桜染め」。
奥ゆかしい日本の心とともに、いつまでも未来へと受け継いでいきたいステキな技術ですね。

Vol.3「駄菓子問屋」東京・日暮里

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「駄菓子屋でね、みんな和気あいあい食べたり、お話ししてね、子どものストレス解消でしょ。
子どものとき食べたお菓子っていうのは、大人になっても懐かしくて来るの。みなさんね。」
と語るのは、東京都荒川区・日暮里にある駄菓子問屋「大屋商店」を営む大屋律子さん。
駄菓子問屋
この地域にはかつて「日暮里駄菓子屋横丁」と呼ばれた駄菓子問屋街がありました。
1950年代から1970年代ごろの最盛期には160軒もの問屋が軒を連ね、
子供たちの憩いの場として栄えたエリアでしたが、
平成になって、駅前の再開発や店の経営者の高齢化により次々と閉店。
現在、残っているのはたった1軒のみになりました。それが「大屋商店」。

大屋商店の歴史はおよそ68年。
日暮里に唯一残る老舗駄菓子問屋ということで、昔を懐かしむ大人や子供連れ、
駄菓子屋を営む同業者、夏祭りの仕入れなど、全国からいろんな人がこの店を訪れます。

昔は銭湯もたくさんあって、いろんな人の輪があった。
それがビルの立ち並んだ現在ではお年寄りも少なくなり、コミュニケーションの場がなくなってしまった。だから元気でいられる間は、自分の健康のためにも店に立ち続けたい。
そんな気持ちを持ち続ける大屋さんは、今でもお店の駄菓子はひととおり全部食べるんだそうです。

「そうでないと人におすすめできないでしょ。
今、一番のおススメは、あんこ玉、麩菓子、きなことか。昔ながらの。
おじいちゃんおばあちゃん来ると、こうやって、お孫さんに買ってあげるでしょ。
それがまた楽しみなんでしょうかね。」
駄菓子一筋で半世紀。
おじいちゃんおばあちゃんと、子供や孫をつなぐ、町の駄菓子屋さん。
まわりの景色が変わっても、そこに生まれる笑顔の輪は変わることなく未来へとつなげていきたいですよね。
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