みらい図鑑

Vol.124「駿河塗下駄」 静岡県

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日本古来の履物、「下駄」。
静岡県に伝わるのは、漆塗りの上にさらに蒔絵を施した、きらびやかな「駿河塗下駄」です。
桐の木を使った下駄に、さまざまな技法によって、いろんな絵や模様が描かれています。




「駿河塗下駄」は、明治のはじめから栄えた静岡の一大産業。
もともと、静岡では漆器生産が盛んだったこともあり、その技法を応用して生まれました。

昭和20年代から30年代は、静岡市の3分の1に近い人たちが、
下駄に関わる仕事をしていたそうですが、現在、職人さんは減少の傾向にあるといいます。

そんななか、伝統を次世代へ伝えたいと、ひとりの女性が奮闘。
駿河下駄職人の佐藤仁美(さとう・ひとみ)さんです。

「手法にもよるんですが、漆の下駄は下地から取り組むと1年以上かかるんですが、
普段ばきのカジュアルな染めの下駄は1ヶ月ほどで完成します。」という





大切にしていることは、「履いてくれる人のことを考えること」だと佐藤さんは語ります。

「どうしても下駄って、履いていて“痛い”というイメージを持たれますが、
足あたりがよくて、綿をふんだんに使った鼻緒なので、痛くなく、
快適に履いていただけると思います。
1年中、履いていただけるんですが、これから夏で裸足になるので、
開放的でとっても気持ちよく履いていただけると思います。」


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細かい模様を描けば出来上がるまでに1年かかる手作りの下駄。
1足1足、趣が異なるのもまた魅力です。

履いていて気持ちいい「駿河塗下駄」。
お気に入りの一足が欲しくなりますね。