みらい図鑑

Vol.127 「鹿児島県 かつお節」 鹿児島県

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世界で最も硬い食材と言われているのが、
和食には欠かせない日本古来の調味料、「かつお節」。
削られたあとの姿からは想像もつきませんが、石よりも硬いんです。



薩摩半島の南端に位置する鹿児島県の枕崎は、かつお節の生産量、日本一。
この「鰹の町」で、かつお節を作って50年、
原料の買いつけから、製品加工まで一貫しておこなっているのが「丸俊」です。




その味は絶品だと語るのは、生まれも育ちも枕崎、
「丸俊」の渡邊洋平(わたなべ・ようへい)さんのお話です。

「私、個人は、かつお節を削って、
そのまま、ごはんにかけて食べるのが一番美味しい食べ方だと思っています。
やはり、風味と旨味がぜんぜん違います。
手間をかけて削った分、美味しいものが出来上がるという感覚でしょうかね。」




かつお節は、その種類や加工される商品によって、
それぞれの工程にかかる時間が変わってくるそうです。

大きさや脂の多さが一匹ずつ異なるかつおを、
長年の経験と勘で加減をしながら燻していき、じっくりと手間をかけることで、
旨味が凝縮された「かつお節」が完成するのです。




製法が伝わって300年を超えるという枕崎産の「かつお節」、
今もなお、匠の技が大事に受け継がれ、品質の高さを誇っています。




渡邊さんの思いを伺いました。

「若い方々に、かつおの魅力、美味さを知ってもらいたいと思っています。
週末のちょっとした時間に、本物を味わっていただく機会が増えていったらいいなと
思っています。」

自分で削って、食べる。
そのちょっとした手間をかけることで、「かつお節」の物語を感じることができそうですね。