みらい図鑑

VOL.151「スタイルふくさ 」 大阪府

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お金を包む小さな風呂敷状の布、「ふくさ」が今回の主役。

結婚式のご祝儀やお葬式の香典を用意する際には、
「ふくさ」に包んで渡すのが日本古来のマナーです。

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ところが、近年、ふくさそのものの存在や、
ふくさを使う習慣を知らない若者が増えているといいます。

そこで、ふくさを冠婚葬祭だけでなく、
カジュアルに普段使いして欲しいと、
若者をターゲットに「スタイルふくさ」というブランドを立ち上げた会社があります。

大阪で「ふくさ」を専門に作っている「大一創芸」の大山 誠さんに伺いました。

「“ふくさ”というものをわからない世代にも伝えていかないと、
この文化というか、日本人の素晴らしい奥ゆかしさがなくなっていくのかなあと思うんですね。
だから、折りたためる“ふくさ”やリバーシブルの“ふくさ”、
そういった色々なふくさを開発しています。」

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そもそも、ふくさはお祝いやお悔やみの席で使うものなので、色が重要。
昔は紫が主流でしたが、
変わった色使いにしたり、チャームが付いていたりと、
新しい発想を取り入れて今までと違うモノを作り上げつつも、
作法を壊さずに使える“ふくさづくり”を心がけるのが難しかったといいます。

時代に合ったスタイルを取り入れた「スタイルふくさ」、
折り畳めたり、リバーシブルになっていたり、機能的で使いやすいのが特徴。

生地の裁断は自動機ですが、手の貼り合わせなどは手作業で仕上げているんだそうです。
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「知らなくてもそんなに恥ずかしくはないんですが、知っているとすごく格好いい。
そんな道具にふくさがなってきたのかなあと思っています。
お手紙を渡すときには、ふくさの中に入れる。
そんな風に、“大事なものは包む”ということを日本人として残していきたいと思いますね。」

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ふくさを用意することは、
相手の気持ちになって、自分の気持を伝える日本人らしい道具。

「スタイルふくさ」で、ふくさの新しい魅力を発見し、
これからも使っていってもらいたいと大山さんは話します。

大事なものは包んで渡す。
きめ細やかな心遣いができる「スタイルふくさ」。
ひとつ、持っておきたいですね。

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