VOL.170「原宿でミツバチを育てる理由」
東京・原宿。
この街が発信するのはファッションだけではありません。
原宿に本店を構える洋菓子ブランド、「コロンバン」が発信しているのは「養蜂」。
表参道のど真ん中でミツバチを育て、
“MADE IN TOKYO”の蜂蜜で、お菓子を作っています。
会社の経営理念に「社会貢献」を掲げる「コロンバン」。
洋菓子店では蜂蜜をたくさん使いますが、
近年、ミツバチが危機的状況にあることを受けて、養蜂に着手しました。
ひとくちに「養蜂」といってもいろいろあるそうですが、
「コロンバン」での蜂蜜の採取は7月まで。
8月以降は採らずに、越冬させることでミツバチたちの軍を強くしています。
「コロンバン」の代表、小澤俊文(おざわ・としふみ)さんに伺いました。
「ミツバチが飛ぶ距離は片道3キロまでなんですね。
明治神宮だったり、代々木公園だったり、新宿御苑だったり、
赤坂御所だったり、青山公園だったり・・・。
原宿は、都内でも有数の蜜源が密集している場所なんです。
ここまで恵まれている土地は、都内では、そうそう無いんじゃないかと言われています。」
花粉を媒介することが仕事のミツバチは、地球上の連鎖のベースを担っています。
もし、地球上からミツバチが消えてしまったら、
人類は数年しか生きられない、と言われています。
蜂蜜の味を知ってもらうのは手段。
養蜂そのものを知ってほしい、と小澤さんは話します。
「ミツバチが地球からいなくなると、じつは、大変なことになるんだと。
ですから、食べることをきっかけにして、ミツバチ、蜂蜜に関心を持ってもらいたいんですね。
そのことによって、ミツバチたちを大事にする気持ちになってもらうことが目的なんです。」
季節によって、味も香りも違う、原宿生まれの蜂蜜。
この先もずっと、ミツバチが暮らしていける環境を守っていきたいですね。