みらい図鑑

VOL.201「一箱古本市」

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東京の東側、文京区と台東区にまたがる地域、谷中・根津・千駄木。

通称・「谷根千」には、書店や古本屋など、
さまざまな本屋が集まっているエリアがあり、
「不忍ブックストリート」と呼ばれています。

そんな「不忍ブックストリート」で2005年に生まれたイベント、
「一箱古本市」が人気を呼び、全国へと広がっています。

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「一箱古本市」は、言ってみれば、本のフリーマーケット。
その名の通り、ダンボールひと箱分の古本を販売する古本市です。

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一般の人も出店OK。

参加者は「店主」と呼ばれ、一箱の中に本と想いを詰め込んで店名をつけ、
ポップや飾り付けをして、出店者の人たちが1日だけの本屋さんになれる。
本が大好きな人にはたまらないイベントです。

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不忍ブックストリート代表で、一箱古本市の発起人、
南陀楼綾繁(なんだろう・あやしげ)さんに伺いました。

「一度参加して出店する側になった人が、その楽しさを他の人に伝えることで、
次第に広がってきたという気がします。
それぞれの人の顔が見えるというか、
普段どういう本を読んでいて、どういう本が好きなのかもわかります。」

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段ボールひと箱といっても、その中にどんな本をチョイスして納めるのか、
それ自体がワクワクする作業。

「一箱古本市に出店するために、
“音楽“とか、”村上春樹“とか、テーマを決めて出店する人が多いんですが、
そのために、自分の読書経験を見直したりするわけですね。」

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ひと箱の中に詰め込まれた本は、“私は、こんな人間です”という自己紹介。
そのため、出会いが生まれやすいといいます。

「お客さんも、自分と同じ好きな趣向を持った本がそこに出ていると、
非常にシンパシーを持って、本を見ることができるのが大きいと思います。」

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小さい箱の中に広がるのは無限大の宇宙。
本というツールが新しい出会いを育んでくれる「一箱古本市」に、
皆さんも出かけてみませんか?