みらい図鑑

VOL.202「い草香るブックカバー」

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千数百年の歴史を持つ日本の「畳文化」。

ですが、時代の変化とともに、日本の住宅事情も変わり、
畳のある部屋が激減しています。

い草で作る畳の表面部分、「畳表(たたみおもて)」の国内需要量は、
ここ20年で、3分の1にまで落ち込みました。

畳の良さを、もっと知ってほしい。
そんな思いから生まれたグッズが、
畳がブックカバーになっている「い草香るブックカバー」です。

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ゴザが巻いてあり、可愛らしい畳のヘリがついていて、
そこに文庫本がかけられるようになっているブックカバー。

どこか懐かしい畳の香りに癒されるだけでなく、
手にかいた汗を吸ったり吐いたりして、
大切な本を湿気から守ってくれるという機能性も持ち合わせています。

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手触りの心地良さ、香りの良さ、畳の良さを知ってもらえるこの商品を手掛けたのは、
静岡県焼津市にある「松葉畳店」。

い草の雑貨を開発した、伊藤知美(いとう・ともみ)さんにお話を伺いました。

「畳の良さってどんなところなのか、一言で言うのはとても難しいんですが、
香りが良くて、湿度を調節してくれたり、空気を綺麗にしてくれたり、
それをひっくるめて、やっぱり、居心地がいいというか、
癒されるということなのかなと思うんですね。」

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まずは、畳に触れて、その良さを知ってもらいたいと思ったのが、
雑貨を作るきっかけだったという伊藤さん。

雑貨をきっかけに、
畳の生活に興味を持ってもらえるような商品作りを心がけています。

「畳の需要が激減しているなかで、年配の方には、畳の良さを再確認してもらいたいし、
若い方や畳を知らない世代にも、新たにアプローチしていけたらなと思っています。」

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このブックカバーを入口にして、
フローリングの部屋に畳を入れる若い方も増えているといいます。

日本の気候に長く寄り添ってきた畳。
その原料となるい草の魅力に触れたい方は、
まずは文庫本サイズから入ってみませんか?